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『孤独への応答』──所有 → 保存 → 融解 → 共存へ  作者: かぐつち・くまナぱ(便乗期間限定w)


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5/5

終幕:「それでも」の先にある、静謐な肯定──総括の詩(エピローグ)

この物語に結論はない。


執着も。

記憶も。

孤独も。


なくなりはしない。


雨が止まないように。


 孤独への応答


──誰かを抱きしめたかった。


あまりにも強く。


壊れてしまうほど強く。


その手はいつしか檻になり、愛は名前を変えて、執着と呼ばれた。


満月の劇場で、ひとりの女は今もなお、誰かの輪郭を指先でなぞっている。



──忘れたくなかった。


消えてしまうものを。


涙の湖も、歩く椅子も、名前を失った誰かの微笑みも。


だから書いた。


来る日も来る日も。


文字という小さな灯で、世界の欠片を照らし続けた。


けれど気づく。


書き留めていたのは、誰かの存在ではなく、


自分が自分であるという


かすかな証だったことに。



──そしてある日、


誰かは溶けることを望んだ。


消えるためではなく、広がるために。


名前の外へ。


境界の外へ。


雨粒が海へ帰るように。


帰る場所ではなく、混ざり合う場所へ。



──届いてほしいと願う愛があった。


忘れたくないと願う愛があった。


そして最後に、ただそこにいてほしいと願う、愛が残った。



──世界は治らない。


人は相変わらず孤独だ。


雨は今日も降り続いている。


劇場には影が残り、


硝子の庭には月が映り、


窓辺では誰かが雨を見ている。


それでも。


食卓には冷めかけたお茶があり、


向かいの席には、


少し透けた誰かが座っている。


「まだいる」


その言葉だけで、救われる夜がある。


抱きしめなくても。


書き留めなくても。


引き留めなくても。


ただ、


そこにいる。


私も。


あなたも。


雨の音を聞きながら。


壊れきらなかった今日を抱えて。


名前を忘れても。


輪郭が滲んでも。


静かに。


静かに。


 それでも──。


けれど、最後まで残ったものがある。


誰かに届いてほしいという願い。


忘れたくないという願い。


そして、


それでも一緒にいたいという願い。


もしこの物語を読み終えたあと、誰かのことを少しだけ思い出したなら。


あるいは、自分自身のことを少しだけ許せたなら。


雨はきっと、今日も静かに降っている。


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― 新着の感想 ―
ヒト科の発達しすぎた脳が創り出した心という幻想。 多彩な夢を創り出した幻想が最後に願った望みは、何処かに残したいという想い。 生物としての生存本能を幻想に加えてしまったような何か。 あるいは、親とな…
そっと抱き締めて ぎゅっと抱き締めて 澱は檻に変わってあなたを閉じ込めるけど 愛は哀になってわたしを縛るけど 執着の行き着く先は終着で 棒脚するまで歩む先には忘却するしかなくて それでも願う 切望する…
自分自身のために書き残しているのかも知れませんね〜。 (*´ω`*) とても考えさせられるテーマでした! ヾ(・ω・*)ノ
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