表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
地王伝  作者: 蓮葉橋架
1/25

序章

創世記:零落の種

序章:虚無の咆哮

始まりに、ただ「無」があった。

"To be, or not to be"――在るのか、在らぬのか。

その境界なき深淵こそが、全ての命題であった。

やがて静寂は破られ、無と有は混ざり合い、煮え立つ混沌へと変貌した。

そこから溢れ出したのは、純白の聖気と漆黒の邪気。相反する二つの力は、存在の座を懸けて永遠とも思える闘争を繰り広げた。

その衝突が限界点に達したとき、世界は未曾有の大爆発ビッグバンによって弾け飛んだ。

爆ぜた火花は時間となり、飛び散った破片は空間となった。こうして、冷え切った虚無の中に、熱き「宇宙」が産声を上げたのである。


それから百数十億年という悠久の刻を経て、銀河の辺境に一つの青き惑星が産み落とされた。

原始のスープから這い出した生命は、凄まじい速度で分岐と淘汰を繰り返し、やがて世界を分かつ四つの絶対守護者へと至る。

• 海王族: 母なる深海を統べ、水底に揺るぎない帝国を築いた者たち。

• 竜王族: 灼熱の地を支配し、圧倒的な武力で地上を蹂躙する者たち。

• 天王族: 自由なる天空を舞い、雲上から世界を俯瞰する高潔な者たち。

• 冥王族: 静寂なる地下に潜み、暗闇の理を解き明かした者たち。

だが、進化の光が強まるほどに、その影もまた濃くなる。

繁栄の果てに、地上の全てを脅かす異形の存在、「魔王族」が誕生した。彼らは破壊を糧とし、世界を混沌へと引き戻そうと牙を剥いた。


種族たちは互いに競い、増殖し、限界までその生命の格を押し上げた。

しかし、頂点に達した進化の果てに待っていたのは、さらなる高みではなく、皮肉な「退化」の始まりだった。

魔王族の血脈から、ある日、奇妙な変異種が生まれる。

彼らには竜のような強靭な鱗もなく、天を駆ける翼も、深海に耐えうる肺も、魔王のような圧倒的な魔力も備わっていなかった。

脆弱で、短命で、ただただ無力なその生物。

それこそが、最も神の理から遠ざけられた存在。

後にこの星の運命を狂わせる種族「人間」であった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ