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俺、神様になります  作者: 昼神誠
混沌の世界へようこそ
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この解呪はどこかおかしい17

 ユーナと愛輝がホークを引きずってダリアの眠っている病室へ向かう。

 ホークも重症なんだから、もっと丁寧に扱えよ……じゃなくてだな、いくらなんでも命を助けてもらった恩人にあだで返すような真似するのはどうかと思うぞ。

 ダリア本人にとってはあだでしか無いのはわかるが……ならず者を捕らえるのもすぐには無理だし一時的にホークに眠っていてもらうか。

 どういうわけか意識を失うほどの大怪我を追っているし……意識を失った相手に移すことはできるよな。

 ダリアも同じような状態で移されたんだし……許せ、ホーク。

 やはり、お前には短い間だが眠っていてもらうしか無いようだ。

 そのうち、極悪非道な奴を捕らえて移し解呪してやるからそれまで我慢してくれ。

 ……すぐに死ぬ呪術じゃないしな。


「ダーリン、今すぐ目覚めさせてあげるからね!」

「おおおぅ! なんて可哀そうなダリア嬢でござるか! このメス豚のせいでござるな! 天誅でござる!」


 もう、愛輝に移しても良いんじゃないかと思えてきた。

 ユーナはホークに命を救ってもらったことを教えないとわからないか。


「ユーナ、お前は命を助けてもらった恩人にそういう態度を取るのか?」

「何を言ってるのよ? こいつはダーリンを酷い目に遭わせた張本人でしょ。他に何があるっていうのよ」

「お前、意識を失ったことは覚えているか?」

「うん、なんか凄く身体が熱くなって頭がボ――っとして……」

「死にかけたんだぞ。それを助けてくれたのがホークだ」

「えっ……じゃぁ、ダーリンは?」

「ダリアは本当に被害者でしか無い。誰かからダリアに移したのもホークだし」

「だったら、やっぱり許せないわ! 命を助けてくれたことには感謝するけど……」


 まぁ、そうなるよな。

 こういうときって正義や悪が曖昧になるから、なんともいい難いよな。

 勧善懲悪がどれほどやりやすいか今になってよくわかる。

 

「今度、ならず者を捕まえてそいつに代償を払わせるってことでいいよな。それまで、一時的にホークには眠ってもらうことにすればホークも罰を受けたことになるだろ? ならず者を捕まえるときは手伝えよ」

「う……うん。リュージがそう言うなら……それでいいことにしてあげる」

「ユーナ殿、どうやって解呪するのでござったか?」

「あっ、忘れてた。大学とかいうところに行って、マリアンナさんを呼んでこないと!」


 そういえば、そうだったな……呼んで来ないとって今が何時だと思ってるんだ?

 マリアンナさんには二度お世話になるかも知れないし、今日はやめたほうが良さそうだ。

 

「日が昇ってからでいいだろ? ホークだってなぜかわからないが、重症なんだ。まずは医者に診せないと」

「むむむ……そ、そうね。死んじゃったら解呪できないし」

「愛輝もいいな?」

「くぅぅぅ……いたしかないでござる!」


 二人の許可を取ってホークを担架に乗せ、治療室へ連れて行く。

 ユーナと愛輝はダリアが心配だという理由で病室から離れようとしなかったため、俺一人で運ぶことになった。

 担架に車輪がついていて、一人で十分だったんだけどな。

 ちょうど、救急患者はいないらしく医者の適切な処置でホークは一命を取り留めたのだった。


「うん、もう大丈夫だよ。しかし、妙な傷だったね」

「妙ってどんな風にですか?」

「どうわけか内側から破裂したような傷でね。彼女はいったい何をしたんだい?」


 内側から破裂?

 内臓破裂ではなくてか?

 

「えっと、俺が発見したときにはすでに手負いの状態だったので……破裂って内臓がですか?」

「いいや、内臓も傷ついていたけど内側から爆発したような感じの傷口だったね。炭鉱夫が爆弾で傷付いた傷口を見たことがあるけど、それを内側から受けたって感じかな?」


 内側から本当に爆発した?

 ホークが何かの実験で失敗でもしたのか?

 ……考えていても仕方がないし、今日はいろいろ有りすぎて頭が追いつかなくなってきた。


「わかったようなわからないような……とにかく、ホークの件お願いします」

「わかった。え――と、病室を結城ダリアさんと同じ病室にして欲しいとのことだったね?」

「ええ、わがまま言ってすみません」

「ちょうど、病室がいっぱいでね……個室に入れてもいいならこっちも助かるよ」


 ダリアは有名人だし、金も持っているから個室にしてって言うユーナの判断はある意味助かったかもな。

 明日にはマリアンナさんを呼んで、儀式とやらをしてもらうのに個室は目立たなくて助かるし……ふぅ、これでひとまずは安心か。

 しかし、医者に聞いたホークの傷がやはり気になる。

 自室から研究所に来るまでの間に何かがあったのはわかるが……内側から破裂って爆弾でも飲んだとか?

 いや、そんな安直な思考じゃ駄目だ。

 何者かに襲われたって考えたほうが良いんだろう。

 ……待てよ、襲われたら普通は外側から傷を負うことになるか?

 うーん、まったくわからん……やっぱり今は考えるのをよそう。

 なんてことを考えながら、ルーシィさんのいる病室へ向かって行った。

 なんでかって……そりゃ、ニーニャさんがいるからに決まってるだろ。

 俺の嫁を一日一回は見ないと安心して眠れない身体になっちゃんだから、それくらいは良いだろ?


「あっ……リュージさん、ご無事でしたか?」 

「ニーニャさん、すみません。ユーナの奴が暴走しちゃって」

「ふふ、それでもユーナさんを気遣っているのは素晴らしいと思いますよ」


 やば、可愛い。

 もう、今すぐにでも結婚してください。

 

「い……いや。まぁ、もしかしたら妹かもしれない可能性があるわけですし。妹なら兄である俺が見守らないといけないなって思っただけですよ」

「その優しさがリュージさんの良いところですよ」


 よぉぉぉっしゃぁぁぁ、好感度ポイントゲットぉぉぉ!

 運営さん、あとどれくらいポイント稼いだらニーニャさんと結婚できますか?


「ところでルーシィさんは?」

「お母さんは大丈夫です。数日ほど入院すれば回復するとのことです」

「そうですか……良かった。俺がもっと早くどうにかできていれば……」


 ま、ラグナ相手に俺がどうやっても止められないんだけどさ。

 こうやってルーシィさんを気遣うふりをしていれば……くくく、ニーニャさんの好感度ポイントもゲットできるって寸法でさぁ。


「リュージさん、わざわざ気にかけてくれて……ありがとうございます」


 よし、作戦成功!

 運営さん、そろそろ好感度マックスになってないっすか?


「い……いえ。ルーシィさんにはいろいろとお世話になってしまったので。今、俺が生きているのもルーシィさんのおかげですし」

「ふふ、そう言っていただけるとお母さんも頑張った甲斐がありますね」


 もう、あかん!

 告りたい……告りたいけど駄目だ!

 まだ、その時じゃない!

 いや、違う……告ったら負けなんだよ!

 あの大人気恋愛漫画でも言ってるだろ。

 ニーニャさんから告らせて俺は勝者になる!


「リュージさん……どうかされたのですか?」

「い……いえっ! あっ、そうだ! ニーニャさんは俺のおふくろのことを知っていますか?」


 しまったぁぁぁ!

 よりにもよって、なんでおふくろのことを聞いてしまったんだ?

 マザコンって思われてしまうじゃないか!


「リュージさんのお母さんですか? ユーナさんのお母さんでもある、シィーさんですよね?」

「ニーニャさんも会ったことがあるんですか?」

「はい、お母さんの親友でしたので……幼いとき、いつも遊んでくれましたよ」


 そうなんだ……。

 まさか、俺とニーニャさんにそんな接点があったとは……くくく、これも運命ってやつか?

 もうこれ良いんじゃね?

 結婚しちゃって……良いんじゃね?

 運営さん、いいですよね?

 

「きゃ――!!!」


 ……悲鳴か、上の階からだ。

 良い雰囲気のときにそんなイベント、望んでいないんだよ!


「リュージさん!」


 また、トラブルか……。

 今日はもう限界なんだが……。


「ええ、俺は3階から探してみます。ニーニャさんは2階からお願いしてもいいですか」

「はい!」

 

 まったく、いい加減にしてくれよ……面倒なことじゃなければいいが。

お読みいただき、ありがとうございます。

続きが気になると思っていただけましたら、ブックマークや評価をぜひお願いします。

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