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俺、神様になります  作者: 昼神誠
混沌の世界へようこそ
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この女神はどこかおかしい1

 3階に来たが廊下は薄暗くナースセンターも無人だ。

 さっきの悲鳴を聞いたら、職員はなんらかの行動に出るはずなんだが……。

 ナースセンターの奥を覗くと机に伏している看護師がいた。

 呼び出してみるがピクリとも動かない。

 仕方ないので看護師のそばまで行ってみる。


 ポタッ

 ポタッ


「何だよ……これは?」


 机に伏している看護師のお腹が破裂して、中身が出ている。

 詳しくは言いたくない……中身だ。


 ベチャ


 なんか嫌なものを踏んだ感じがする。

 恐る恐る床を見てみると血溜まりができており、壁で見えなかったさらに奥から流れてきているようだ。

 壁で見えなかった奥を見てみると他の看護師らが床に倒れている。

 すべての看護師がお腹や頭、腕に足など破裂し中身が辺り一面に飛び散っている。

 

「うっ……うぇぇぇ!」


 ダメだ、長く見ていられない。

 それにしても酷い惨状だ。

 さっきの悲鳴はこの看護師たちだったのか?


 ガサ……ガサ


 背後から気配がしたため後ろを振り向く。

 しかし、誰もいなかった。

 ……やめてくれよ、真夜中の病院なんて不気味この上ないんだから。

 

「きゃぁぁぁ!」


 また悲鳴!?


 ズキッ


 痛っ……悲鳴を聞いただけで頭に一瞬だが強烈な痛みが走る。

 近くの病室からだったため、すぐに向かってみる。

 ……ちなみにトラブルには巻き込まれたくないからステルスをかけている。

 ニーニャさんにもかけてあげたほうが良かったかな。

 悲鳴が聞こえた場所は無人の病室みたいだ。

 窓が大きく開いており、夜の心地良い風が入ってくる。

 さっきの悲鳴はこの病室からのはずなんだが、何もない。

 まさか、幽霊とかじゃないだろうな。

 俺はそっち系は苦手なんだよ。

 しかし、悲鳴の聞こえた場所に向かっても何も無いんじゃな。

 一度、ニーニャさんと合流したほうが良いかもしれない。

 何者かの仕業だってことはわかる。

 中身が爆発して外に出るような死にかたを普通の生活で起きるはずがない。

 そういえば、ユーナや愛輝はどうした?

 さっきの悲鳴だって聞こえているはずだ。

 ダリアの病室は3階だし、一度行ってみるか。

 ダリアの病室へ行くと衝撃の光景が眼前に映し出される。


「ユーナ!?」

「う……く……」


 なんだ……どうなっているんだ?

 ユーナが宙に浮いて苦しがっている。

 いや、よく見ると首が絞まっていっている。

 あそこに何かがいる?

 何かがユーナの首を絞めている?

 ユーナを助け出そうと病室に足を踏み入れた、そのとき……。


 ベチャ


 水がこぼれていたのか?

 いや……違う。

 暗くてよくわからないが、床に目をやると赤い液体が……血!?

 ユーナはどこも怪我をしていない。

 そのまま、横に目をやると大量の血を流し、ぐったりしている愛輝がいる。

 血が流れ出ているのは愛輝のぽっちゃりした腹からだ。

 さっきの看護師のように中身が飛び出している感じでは無いが……。


「愛輝……おい?」

「………………」


 返事が無い。

 呼吸はしているか試したいが、先にユーナだ。

 

「う……は、離して……く……苦しい……」


 ユーナの首がみるみる締まっていく。

 早く助けないと……ユーナを掴み思い切り引っ張る。


 バッ

 ダァン


 なんだ……誰も首を掴んでいなかったのか?

 抵抗も無しに思っていた以上に簡単に助けることができた。


「いつつ……」

「ゴホッ……ゴホッ!」

「大丈夫か、ユーナ!?」

「りゅ……リュージ! 気を付けて!」

「えっ?」


 ガンッ!


「がはっ!」


 身体が宙に浮き壁に叩きつけられる。

 何者かが俺の頭を掴んだ気がした……すぐに病室を見渡すがユーナ・愛輝・ダリア以外は誰もいない。

 あれ……一人いるべき者がいない。

 ホークはどこへ行った?


「ユーナ……ホークはどうした?」

「さっきまでここで寝ていたの……それが急に消えたのよ」


 消えただって?

 いや、その前に愛輝だ。


「ユーナ、愛輝の傷治せるか?」

「ご……ごめん。愛輝は……」


 えっ?

 愛輝のもとに駆け寄り、心音を確かめてみる。

 心音が聞こえない。

 それだけじゃない……体温も冷たくなってきてるのがわかる。

 まだだ、幸いここは病院だ。

 1階の救急処置室へ連れて行けば何とか助けられるはずだ。


「ぐっ!」


 まただ……何かが俺の頭を掴んでいる。

 

 ブンッ

 ダァン!


「ごはっ!」


 廊下に投げ出されてしまった。


「きゃっ!」


 ユーナの身体が浮き、俺のもとまで吹き飛んできた。

 ユーナも何者かに投げ出されたようだ。


「あいたたた!」


 ステルスはまったく効いていないのか……いや、病室に来たときに俺が声を出してしまったから気付かれたのか、迂闊だった。


「だ……誰だ! 隠れているなら出てこい!」

「リュージ……」


 こんなことをしている場合じゃないんだ。

 愛輝を……少しでも早く助けなければ。


「きゃぁぁぁ!」


 また、同じ悲鳴だ。

 悲鳴が室内から響き渡る。


 ズキン!

 ボンッ


「ぐわぁぁぁ!」


 左腕から血が流れ出る。

 い……いてぇ……なんだ……筋肉が破裂したような感じが。

 左腕がまったく動かない……神経までやられたのか、痛みもさっきの一瞬だけだ。

 

「リュージ、気を付けて……あの変な悲鳴で愛輝も急に爆発して……」

「そ……そんなことより俺の左腕……治せるか」

「ええ、これくらいなら大丈夫……ヒール!」


 なるほど……ここにいる何者かが研究所でホークをやった奴か。

 これから先……どうする?

 室内に入って愛輝を抱えて1階の治療室まで運ぶ……無理だ!

 ユーナじゃ重くて運べないだろうし、また何者かが邪魔をするに決まっている。

 

「どうした! 君たち!」


 悲鳴を聞いた警備員が来てくれたのか。

 来るのが遅いが、これなら何とかなりそうだ。


「お……奥に瀕死の重傷者が……」

「わかった、君たちはここにいなさい」


 警備員が病室に入ろうとしたそのとき……。


「ダメ! 逃げてっ!」


 ユーナが部屋に入ろうとする警備員を静止する。

 何を言っている、愛輝を早く治療しないといけないだろ。


「え?」

「きゃぁぁぁ!」


 また、この悲鳴か!?


 ズキッ


 また、頭が一瞬だけ激しい痛みに襲われる。


 ボンッ

 ドサッ


 ……何だよ……これ……警備員の身体が大きく破裂し、辺りには肉片が散らばっている。

 俺やユーナも返り血を浴び、服が真っ赤に染まる。

 

「なっ!」

「ひ……ひぇぇ! あの悲鳴は知力のステータスが低い人じゃ跡形も無くなっちゃうみたいなの! さっきも二人の警備員さんがここに来て……みんな同じように」


 マジかよ、そういうことは早く言えって……俺のせいで警備員がまた一人ぎせいにしてしまったじゃないか。

 確かに病室をよくみると警備員の制服が二着、血で真っ赤に染まり床に落ちている。

 血溜まりが愛輝一人にしては多いように感じてはいたが……。

 俺はどのステータスも平均的に振っているから、この程度の傷で済んだのか。

 ステ振りで初めて命拾いしたよな。

 滅茶苦茶、痛かったけど。


「しかし、敵が見えないんじゃ対処のしようが無いな」

「ディテクトでも索敵できないのよ……もう、何がなんだか」

「時間が経つごとに愛輝の状況はマズくなる一方だ。なんとかしないと……」

「でも、どうするの……」


 考えている時間は無い。

 愛輝の心臓が止まってどれくらいの時間が過ぎたのかわからないが、急がないと。


「き……」


 また、あの悲鳴か!

 あれはどうやって防げばいいんだ? 

 

 バ――ン!


 銃声だ……悲鳴も急に途絶えたし助かったのか?


「リュージさん、ユーナさん……大丈夫ですか!?」


 ニーニャさんか!

 た……助かった。


「ニーニャん、愛輝が大変なの!」

「ええ、どうやら悲鳴の正体はアレみたいですね」


 アレってなんだ?


「ニーニャさん、見えるんですか?」

「アナライズを病室にかけてみてください」


 アナライズで索敵できる敵ってどんなだよと少し思ったが、すぐに言われた通りにアナライズを病室にかけてみる。

 白装束の女性がふわふわ浮いている……ひぇぇぇ、幽霊じゃないのか!?


「ひっ……な、何よ! あれ!」


 ユーナが俺の身体にしがみつく。

 なるほど……ユーナもホラー系は苦手なんだな。


「気を付けてください! 相手は神です!」


 ふぁっ!?

 神……だと!?

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