国王様
「みなさん、ちょっとした誤解だったのにゃ。そろそろレオを放してあげて欲しいにゃ。」
「いくら姫様の頼みとはいえそれは出来ません。こやつは現行犯です。」
「で、でも、レオはドラグネス王国の国王だよ?」
「ふっご冗談を。新しい国王は山のようにデカイ武王だと聞いております。こやつなわけがない。それに、法律違反を犯した人物をこれ以上擁護すると、ご自分の首を絞めることになりますよ?」
そう言われてシンディーの顔が曇る。
ここは自分で何とかしなくては。
「それが冗談でも無いんだけどな~。俺本当に国王だったりして。」
「うるさい変態め!お前は口を開くな!!」
ああ、なんと堅物なのだろうか。
「お願いにゃ。」
「姫様、いい加減ご自分の立場をご理解ください。あなたは王の娘なのですよ?王族が法律をうやむやにしてしまったら示しがつかなくなります。こやつにもし、申し開きがあるならば、王の御前でさせるのが筋です。」
ンガガガガガガガ!ンガ!!
それはマズイ、それだけはマズイ。ただでさえ娘に手を出した鼻クソ野郎だと思われているのに、性犯罪はマズ過ぎる。
力ずくで逃げるか?
・・・いや
そうするとさらに大ごとになるかもしれない。似顔絵付きの国際指名手配とか。
・・・それだけはマジで笑えない。そんなことになったら、最悪、ママンが獣国に対して戦争を吹っかける可能性もあり得る。
「なあ、全部水に流してやるからここは大ごとになる前にお金で解決しよう!」
「貴様!誇り高き我らを金で買収する気か!!これだから人間は信用ならん!!」
「俺は人間って言うか竜人なんだけどな。」
「そんなわけないだろうが!この嘘つきめ!」
しまった・・・さらに状況を悪化させてしまった。俺の話すこと全て、悪く受け止められてしまう。まるで別れる寸前のカップルのようだ。もうあなたとは一生分かり合えない!プンプン!みたいな。
う~む、こうなったら覚悟を決めて、王の御前でシンディーと一緒に誤解を解くしかない。それが1番最小限の被害で済むだろう。
「分かった。それなら服を着させてくれないか?もう獣国に着くだろう?いくらなんでもパンツ1枚で街中を歩くのは変態過ぎる。」
「お前は変態だろうが!」
・・・ダメだこりゃ。
そうして俺は服を着る事も出来ず、手首と腰に縄を巻かれた状態で獣国へ入国することになった。
門番から市民までさまざまな獣人に裸をジロジロと見られるご褒美プレイ、いや間違えた、羞恥プレイに身悶えしながら、通りを練り歩く。
ケモ耳美少女達よ!もっと見てくれ!・・・・いや間違えた、もう見ないでくれ!!
恥かしい、恥ずかしいよ!
裸にひん剥かれて、縄で縛られて、公衆の面前を歩くなんて。しかもそれをたくさんのケモ耳美少女が顔を赤くして見ている。
ああ、ここが俺の心のオアシス・・・あ、いや間違えた。ここはただの砂漠の国だな。
いかんいかん頭の中がトリップしていた。
新たな性癖に目覚めている場合ではない、もう宮殿に着いてしまった。
どうしよう、ああ、どうしよう。
「これより姫様と一緒に王の御前まで案内する。本来なら即刻牢屋にぶち込むところだが、、、姫様のおかげだと思え!」
「へいへい。」
長い廊下を抜け、一際大きな扉の前で一旦停止する。
ここから先は覚悟を決めるしかない。半ば開き直りの精神で堂々と歩く。レッドカーペットの先には2つの椅子が並べられ、そこに人が座っている。
まだ距離があるにもかかわらず、男の方からは威風堂々としたオーラが伝わってくる。近づくにつれ、相手の表情も分かるようになった。彼らは初めこそ、娘のシンディーを見て嬉しそうな顔をしていたが、裸の俺に気付き、訝しげな表情に変わった。
「国王様!シンディー様をお連れしました。」
「うむ。ご苦労。ところでその後ろにいる奴は何だ?」
「はっ、こやつはシンディー様と関わり合いがあるようなのですが、裸でいたため猥褻物陳列罪で現行犯逮捕いたしました。また同時に、シンディー様に対する強姦未遂、罪をもみ消すように、我らに賄賂を送ろうとした贈賄容疑もかけられております!」
「なに!?」
「まあ!」
空気が100倍重くなる。
「どういうことだぁ!?」
低くドスの利いた声が響く。流石はボスライオン。迫力が桁違いだ。たてがみが長く黒い色をしているのも強者の証だろう。たしかテストロンとかいうホルモンによってそうなるんだったか・・・まあ、今はそんなことどうでもいいか。
「待って。それはただの誤解なんだにゃ。この人はレオナルド・ジル・ドラグネス。ドラグネス王国の新しい国王様だよ。」
シンディーの紹介に合わせてパンツのまま決め顔をする。
「まあ!」
王の御前で宣言したことにより、みなの俺の身る目が変わる。それはパパさんも同じだ。
「・・・お主は本当に国王なのか?」
「はい!」
俺が食い気味にそう答えると、ここまで偉そうに連行してきた獣人がオロオロしはじめた。それもそうだろう、まさか変態呼ばわりしてい奴が、他国の王様だったのだから。
ザマアミソカツ
まったく今更遅いっつーの。
「それで、誤解とはどういう意味だ?見たところ裸でいたのは事実のようだが??」
鋭い視線が俺とシンディーに向けられる。
それに対し、2人で一から丁寧に説明をすること15分。
「ふむ。なるほどな。」
パパ様にようやく分かってもらえた。
・・・・と思ったのだが、まさかの言葉が発せられた。
「とりあえず牢屋にぶち込んでおけ!」
「え?」
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6月が終わるということは、今年も半分が終わったということですね。早いな~




