お宝
この骸骨君たちは、昔ダンジョンに入った冒険者か何かだろう。即死だったに違いない。うへ~~おちっこちびりそう。
早いとこどっか行こう。
「お、おいブラディウス!起きろよ!」
『グ~~~Zzz』
「・・・」
くそう、気持ち良さそうに寝やがって・・・
いいもん別に一人でお宝発見してやる!
気合を入れてから恐る恐る一歩を踏み出す。魔法で作り出したライトの出力を最大限にして、まるで登山家のヘッドライトのように使用する。
だだっ広い空間らしく、ゴツゴツした岩が転がっている。頭の中で必死にマッピングしながらゆっくりと進む。すると20分ぐらい歩いたところで、ヘッドライトがキラキラ反射する何かを捉えた。急いで駆け寄ると、そそり立つデコボコの崖に、こぶし大ぐらいの何かが埋まっていた。しかもと至る所にあるのだ。
その物体が何なのかはよく分からなかったが、とりあえず採取する。異空間収納があるので持ち帰る量を心配する必要もない。
至近距離で見つめると、吸い込まれそうになるぐらい綺麗な鉱物?だった。時間も忘れ無我夢中で集める。1時間は経ってしまったかもしれない。
「ぐへへへへ。このぐらいでいいかな。大漁、大量!」
売れるか分からないが、俺の心はいつしかホッカホカになっていた。キリが無いので、適当なところで打ち切り、壁伝いに進む。暗闇なんて、なんのその。もはや慣れたも同然。
ズカズカと進む。
分かったことは、どうやらこの空間は丸い形をしているということ。右手を壁に沿わせるように、壁伝いに歩いてみたが、同じ場所まで戻って来てしまったのだ。この間壁が途切れる事は無かった。
ということはこれで探索終了、時間も結構かかってしまったようだし、そろそろ帰ることにした。
それにしてもなかなか刺激的な体験だった。まるで冒険しているかのような緊張と興奮、正攻法で攻略するのも良いけど、また別の場所を探索してみたいものだ。
バサッと羽ばたき上昇する。降りてきた時と違い、今度は冷静だった。崖を見失うこともなく順調に上がる。
「ん?」
異変を感じたのは偶然だったかもしれない。どんよりした空気の中をバサバサ上昇していると、僅かだがスーッと横に吹く風の流れを感じたのだ。冷静でなければ確実に気が付けなかっただろう。
その方向に向かってライトを照らしてみる。すると崖の中に穴が開いていた。もちろんモグラが掘ったんじゃないか?というちんけな穴ではない。真四角に開いているため確実に人工物だ。
地面からは1キロ以上離れているので、空でも飛べなければまず見つけられない。一体誰がどうやってこんなものを作ったというのだろうか・・・
ドクドクドク
再び心臓が高鳴るのを感じる。世の中広しと言えども見つけたのは俺が初めてではないだろうか。
穴の入り口にそっと降り立つ。
人間形態なら、余裕をもって通ることが出来る大きさの通路だ。左右に壁があるので心理的にも安心する。
ワクワク
少し坂道になっており緩やかに下降していく。するとしばらく行ったところで、道が急に無くなり出口にぶつかった。
視界がパッと開ける。それまでの暗闇が嘘であったかのように、世界に色が付いた。そして衝撃の光景が待ち受けていた。
「なんだここは!?」
ダンジョンの中だと言うのに木が生え、その奥には神殿のような建物が建っている。その中から大きな力を感じるのだ。
「おい、ブラディウス!」
『んあ?』
「よく分からないところに着いたぞ!」
『・・・今行く。』
まだ眠そうにしていたが、ゴーストのように飛び出しすぐに実体化した。そして周りをキョロキョロしてから俺に質問する。
「どうやってここに?」
「巨大な穴があったからそこに入って探索してみたんだ。あそこの建物に入ってみるぞ!」
「それは楽しそうだ。」
軽い足取りで2人揃って歩き出す。
しかし、そう簡単にはいかないのが世の常。出る杭は打たれる。
「おい!」
「ああ。」
10歩ほど進むと、なんと地面から岩の塊が出現したのだ。体長3メートルほどの大きな物体。おそらくゴーレムだろう。すぐに戦闘態勢を取るがその数がどんどん増えていく。あっという間に四方を囲まれてしまった。
「ブラディウスは俺の背後を頼むよ。」
「朝飯前だ。」
「いくぞ!」
「獄炎!」
「悪鬼!」
俺が口から燃え盛るマグマのよな炎をブフウッとぶちかませば、ブラディウスはどこからともなく紫色の剣を取り出し斬撃を放つ。そこから先はゴチャゴチャに入り乱れた乱戦だった。
ゴーレムは攻撃力と防御力が高いようだが、攻撃が単調でスピードが遅い。そのため吸収にはうってつけの相手だった。カモがネギを背負ってきた入れ食い状態。ブラディウスなんか、チビ状態から俺と同じ大きさに成長するまで食べていた。
当然のように最後の一体も食らいつくし、目の光が失われ地面に突っ伏したところで戦闘モードを解除する。
「お腹膨れたか?」
「そうだね、2分目ぐらいだ。」
さすが空腹のブラディウスと言われるだけはある。
「底なしの食欲だな。」
「そうでもないさ。だがまあ、君と一緒にいれば美味しい食事が出来そうだな。」
喋り方が微妙に変わるが、それも空腹のレベルによって変わるのだろうか。つくづく面白い奴だ。
その後、ゴーレムの亡骸を適当に収納してから、階段を上り、神殿の中に足を踏み入れる。中に誰かいるのかと思ったが、どうやらそうではないらしい。入口からレッドカーペットが続き、奥の祭壇に宝箱が置かれている。
そこから莫大なエネルギーを感じる。
高評価、感想、ブックマークありがとうございます!いや~嬉しいですね。なかなか時間も取れなくて、文章が推敲出来ないまま更新とかあるんで、逆に申し訳ないぐらいです。
これからもランキングに入ることを目標に頑張ります。




