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メイド

少し短いかもしれませんが。

 一連の話し合いの後、俺の冒険者ランクはFからEランクへと上がった。マリーさんが少なくともAランク、というかSランクにすべきだなんてギルド長に直訴してくれたけど、ランクを飛び級させることは規則で禁止らしい。なんでも昔のギルド長が恣意的に運用したためギルドの信頼が揺らぐ事件があったとか。俺も変に目立ちたくないからこれで丁度いい。


 ああ、そういえば冒険者ランクはなぜかランクが上がるとE,D、C、B、A、Sとなるらしい。魔物のランクはAが最弱でB、Cと続いて最後のZが最強だと思うけど、なぜこんな区別をするのかよく分からない。え?魔物もSランクが最強でAランクが2番目だろうって?ははは、何を言っているんだ。レッドウルフがAランクなんだぞ?あんな奴最弱に決まってるだろう。君たちは常識が欠けているかもしれないな。



 と、まあどうでもいい話はこの辺にして、俺と美少女3人は街のはずれにある施設にやってきた。小さい子が駆け回れるぐらいの庭に質素な建物。


 ドアについている丸い輪っかを、打ちつけるようにコンコンと鳴らし中の人物に訪問を知らせる。


 しばらくして、ガチャっとドアを開けたのは、50歳ぐらいの宗教服に身を包んだ女性だった。3人の顔を認識するやその顔が驚きに変わる。


「ど、どうしたのですか?あなたたちは・・・」


 目をウルウルさせたルルちゃん達に困惑しながらも中へ招き入れてくれた。他の子どもたちはお昼寝の最中のようで部屋の中はシンとしている。簡素な木の机にボロボロの椅子。どうやら生活水準はそんなに高くないようだ。


 再開を果たせたところで、ルルちゃんが何があったのかを詳しく説明する。商人との会話、襲撃された際の生々しいやりとり、俺との出会い、それらすべての話を聞き終えたシスターは彼女たちを抱きしめ俺にお礼を述べた。


 良い人そうでなによりだ。実のことを言うと、もしかしたらシスターとやらが美少女3人をどこかに売りつけようとしていたのではないかと思っていた。そんなことを考えてしまった自分が恥ずかしい。


 彼女たちは、しばらくはこの施設で過ごすそうなので、ただの付き添いの俺は空気を読んで帰ることにした。







 それから数日後、ママンと、ある話し合いをしてからルンルン気分で施設に顔を出した。彼女たちにとってもそんなに悪い話ではないと思う。もちろん断られる可能性もあるがそれならそれで構わない。


「こんにちわー。」


 庭で小さな子たちの面倒を見ていたララちゃんに挨拶をする。すると彼女の顔がパアっと明るくなってニッコリしてくれた。


 ロロちゃんとルルちゃんも出てきてくれたので、しばらく談笑してから小さな子と砂遊びをする。お子ちゃま達の体力は無尽蔵なので嬉しいやら疲れるやらで、精神年齢がおっさんの俺としてはある意味重労働とも言えた。少しばかり土魔法でミニチュアのお城を作ってしまったのを後悔したほどだ。


 もちろん(なつ)いてくれたし俺も楽しかったので結果オーライだけどね。



 本題に入れたのは子供たちを寝かしつけてからだったので、2時間ぐらい経ってからだろうか。シスターと3人を前に、ママンと相談して決めた話を切り出す。


「あの、今うちは新しい家を建築中なんですが、完成したらメイドを雇おうと思ってるんです。もし良かったら3人ともうちで働きませんか?」


 俺がそう言うと3人が笑顔になる。


 ブンブンと顔を縦に振って働きたいですと前のめりになる。シスターも大歓迎のようで大いに喜んでくれた。住み込みで月に大金貨2枚。つまり20万円。こちらの世界では破格の条件だ。


「そんなに頂いてよろしいんですか!?」


「もちろんだよ。結構広いから大変だと思うけど。」


 3人がキャッキャしながら喜んでいる。俺にとってはもはやただの眼福(がんぷく)でしかない。なぜかシスターが上目遣いで私も雇ってくださいと言わんばかりの顔をしていたが今回は盛大にスルーさせていただいた。・・・ここには小さな子達もいるしね。面倒を見てあげる人が必要だもんね。うん。


 こうして俺は異世界でメイドを手に入れた。


高評価、ブックマークありがとうございますね!いや~応援してもらったらなんとか応えないとなと・・・更新頑張りました。パチパチパチ。もはや作者と読者の方の二人三脚ですね。



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