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壊滅

 あれ?なんか知らんが一番でっかいのが倒れたんじゃけど・・・めっちゃ強者の雰囲気を(かも)し出してたのにあんな雑魚だったなんて・・・いや~いきなり共食いとか始めるからビビっちゃったけど・・・なんだか損した気分ですわ。


「あ、マリーさん。」


 どうやら崖から降りてきてしまったらしい。ジェネラルオークは俺がたった今(ほうむ)ったとはいえ、まだ普通のオークがうようよしている。それなのになぜボケっとしているのか・・・


「うしろ!」

「え?」


 フゴフゴ鼻をならしたオークが今にもマリーさんの首筋に食いつこうとしている。攻撃魔法を行使すると巻き込んでしまいそうなので、瞬歩で背後に回り込む。目の前の少女を食うことしか頭に無い豚の背中。なんと色気のないことだろうか。


 光剣をグサッと突き刺す。


 巨体がドサっと倒れる音とともにマリーさんが後ろを振り向く。


「大丈夫ですか?」

「・・・え?な、な、なぜ背後に・・・」


 口を開け呆然としているようなので、ガバッと救い上げるように抱っこして瞬歩で少女たちの元へと戻る。べ、別にお姫様抱っこをしてみたかったわけではない。


 混沌としたこの状態の中で、彼女たちを連れて脱出する何かいい方法は無いかを考える。ジェネラルオークの咆哮のおかげでまともに動けないわけで・・・いきなりパニックになられても困る。魔法で何かできないか考えていたが、急すぎていいのが思いつかない。


 そんななか、ふと視界の隅の馬車が目についた。もともと少女たちが乗ってきた物だ。あれなら全員まとめて運べそうだ。


 急いで馬車の取っ手を掴み運び込む。豚どもは、俺の意図を理解したのか馬車を壊そうと一斉にこちらに攻撃を向けてきた。ジェネラルオークを失って一瞬(ひる)んだ士気も回復している。というか仇を討とうとでもしているのだろう。


 だが少女たちを馬車に詰め込んだらこっちのもんだ。形態変化(トランスフォーム)し馬車を上からガシっと掴み大空へと舞い上がる。


 空飛ぶタクシーですね。はい。


 ブヒヒヒイイイイィィィィィィィィン!と、若干馬のように鳴く豚を見下ろしながら崖の上まで馬車を運ぶ。


 もちろんこのまま飛び去っても良いんだが・・・どうせなら被害者が二度と出ないように対処しておこうと思う。


 上空を見上げ鳴き叫ぶオークどもをよそに、窪地の中心まで移動すると魔力を込める。


「衝撃波!」


 真下に拳を振り下ろすと、拳圧とともに凄まじい衝撃が地面に激突し、同心円状に爆発を引き起こす。全ての建物は一瞬にして木端微塵になり、キノコ雲がモクモクと上がる。四方を崖に囲まれた窪地だったため威力が大きくなったのかもしれない。


 翼をバタつかせ黒い煙を霧散させてから、ゆっくりと地面に下り立つ。その様はまるでアリの巣を一匹の像がプチっと踏み潰したようなものだった。もちろん本人にそんな意識は無いわけだが・・・


「よしっと!上手くいったぞ!・・・それにしても形が残ってる奴は真っ黒焦げだな。」


 辺りには香ばしいニオイが漂っている。これぞリアルチャーシュー。ブヒブヒ。おっとこっちは全身骨だけになっているから・・・豚骨(とんこつ)だな。ブヒブヒ。ラーメンのスープを作るのに使えるだろうか?


 ・・・う~んでもやっぱり収納するのは、ある程度状態がいい奴だけでいいか。


 幸い3メートル越えの見かけだおし君と幹部らしき3体は買い取って貰えそうだ。あとは適当に散らばった武器などを回収する。


まあ、こんなもんだろう。ゴブリンキングより高くなるといいけどどうなることやら。ブヒブヒ。



 想定外の収穫にニタニタしながら馬車まで戻ると、なぜか全員が先ほどよりも体をビクビクさせていた。下を向き絶対に俺と顔を合わせようとしない。マリーさんはなぜか心ここにあらずの状態だ。


「・・・た、た、食べないでください。私は・・美味しくありません。」

「う…ゥゥ」


 少女たちが怯えながら俺に許しを請う。


 何を言っているのか一瞬分からなかったが、自分の体を見て納得した。そういえばドラゴン形態のままだったのだ。慌てて人間に戻り優しく微笑みかけると、ようやく緊張が解けたのか少女たちがポロポロと涙を流し始めた。


 



 落ち着くまで出発するのは保留しよう。







「おい、この辺で良いだろう。南西に行ったのなら帰りに間違いなくここを通るはずだ。二日後までに周辺の地形を軽く調べてから罠を張るぞ。」

「「へい!」」


 1人のために総勢200人近い部下を引き連れ森の中に陣を張る。パティ―メンバーを殺してしまった元冒険者や金を横領した兵士など、世間の奴らから見ればどいつもこいつもろくな奴はいない。だが行くあてのなくなったコイツらを俺は引き取り育ててきた。血縁のつながりは息子のグレイしかないが、全員大事なファミリーだ。


 そして今や押しも押されぬ一大勢力となった。そんな俺達がなぜここにいるのかといえば、裏社会は舐められたら終わりだからだ。


 あの日、どうせ他の奴らでは勝負にならないだろうと俺はドウラン祭を観に行かなかった。だがあろうことか、グレイが手も足も出ず負けたという一報が俺の耳に届けられた。当然のように総長になり、卒業後は組織のために働いてくれると思っていたのにだ。呆然とする私に次に待ち受けていたのは、同業者からの中傷と世間からのバッシングだ。


 息子に賭け損失を出した奴の中には大事な取引相手もいた。


 我々の邪魔をしてタダで済ますわけにはいかない。絶対にぶっ潰す!


感想、高評価、ブックマークありがとうございます!モチベーションになってます!!

ポチっとな(@^^@)


早くダンジョンとかやりたいんですけどね。ブヒブヒ。

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