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オーク

「南西に20キロならすぐ着いちゃいますね。そもそもなんで二泊三日も時間取ってるんでしょうか?何かのトラップですかね?」

「え?・・・なんでって・・森の中を休みなしで5時間は歩くんですよ?往復したら10時間です。それに加えて調査しなくてはいけないんですからむしろ足りないぐらいですよ。」


(まったくこの子は何を言っているのでしょうか?今回ギルド長より彼の実力を見極めろと密命を受けて同行しましたが、これはマイナスですね。任務達成のプランを具体的に考えられないようでは一流冒険者にはなれません。)



「え?」


 20キロなんて飛んで行ったら15分ぐらいだと思うんだけどな。軽く走ったとしても1時間もかからないはずだ・・・




 ・・・



 ・・・



 気まずい雰囲気のままノロノロ進むこと1時間、体力的には何の問題も無いが・・・後ろを振り向くとまだ王都が見えている。全然進んだ気がしない。いい加減スローペース過ぎて体がウズウズしてきたのだが・・・


「あの?空って飛んじゃダメなんですかね?」

「・・はい??」


 (・・・私は耳を疑いました。どうやら彼は期待外れだったようですね。物語の読み過ぎで精神が幼いままなのでしょうか?それとも私の事をからかっているのでしょうか?まあ、どちらにせよこれまたマイナスです。)


「浮遊魔法のことを言ってるんですか?冗談も休み休み言ってください。」


「・・・いや、浮遊魔法も良いんですが俺空飛べるんで。」

「んもうっだから冗談も休み休み言って・・・・・・・え?」


「キャアアアアアアアアアアアアア!!」


 (ド、ド、ドラゴン~~~~~!あああダメ・・・腰に力が入らない・・・死んじゃう~~~~)



 ・・・



 ・・・



「あの?俺ですけど・・・」


 優しくしゃべりかけると、ワナワナ震えていた彼女がわずかに顔を上げる。


「レ、レ、レオナルド君なんですか?」

「はい。じゃあ捕まっててくださいね。」

「え?」


 混乱したままの彼女を背中にヒョイと乗せ、一瞬にして上空に飛び上がる。なんだか背中でギャアギャア叫んでいるがシカトだ。


 まるでエンジンでも搭載しているかのようにグングン進む。するとものの10分で目的地らしき場所に到着してしまった。上空から見ると、山の窪地に(わら)?や木で作られた粗雑な建物が密集している。


 なかなか大きな集落のようで、ざっと魔力を感知しただけでも70匹ぐらいだろうか。ひとまず崖の縁から様子を窺う。


 今回の試験は討伐しなくても調査すれば合格なわけで・・・正確な場所も大体の数も分かったことだしあと何をすればいいのだろうか?もう少し詳しく調べればいいのか。


 ふむふむ。


「ふむむ???」


 なんだあれは?二本足の筋骨隆々な豚4匹が軽快な鳴き声を発しながら人間の女性を運んでいるではないか。よく見たら脇には血の付いた馬車が停められている。これは・・・事件ですね。


 それを見てようやく正気に戻ったマリーさんが顔を引きつらせる。


「大変です!急いで応援を呼びに戻りましょう。このままではあの女性は死ぬまで犯されてしまいます!」


 なんだその胸糞悪い話は!


「ちょっと助けてくるんで待っていてください。」

「ダメです!これだけの規模の集落となるとジェネラルオークがいるかもしれません!竜人なのか知りませんが死ににいくようなもんです!試験監督として認めるわけにはいきません!」


 そう言いながら俺を行かせまいと華奢な腕で掴んでくる。だがここで助けずして何が冒険者だ。そんな後悔はしたくない。たとえ死んでしまったとしても(おとこ)レオナルドいざゆかん!


「ぁ!」


 目にもとまらぬ速さでマリーさんを抜くと、そのスピードのまま先ほど女性が連れて行かれた建物に駆け込む。大きな体は隠密には向いてないので人間形態で最短経路を進んだ。3匹ほど突っ立ってる奴がいたがもはや二度と呼吸をする事は無いだろう。地面とキスをしたままピクリとも動かない。


 急いで粗雑な建物のドアを開けると、鎖に繋がれた3人の美少女がすすり泣いていた。そこまで身なりが汚れていないので、おそらく捕まって間もないのだろう。


「大丈夫か?」


「ヒっ」


「助けに来たぞ。今鎖をとってやるから動かないでくれ。君たちの他に捕まっている人間はいるか?」


 すると目をウルウル潤ませた一人が絞り出すように声を出した。


「・・・荷台に・・・乗せられてたのは私たちだけ。馬と御者と商人は・・・殺された。」


 女以外は必要ないということか・・・しかし・・・商人が少女を輸送するということは・・・奴隷??そうだとするとなかなかヘビーな話になりそうだ。ここは聞かぬが吉。


「そうか。よく頑張ったな。とりあえず脱出するからついてきてくれ!」




 しかしその瞬間ドアが開けられ鼻の下が伸びた豚が入ってきた。口からは大量のよだれが垂れている。



 ・・・



 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!



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ランキング上位の人はすごいですね~神ですね。

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