白き翼と天終の夜叉
現代日本から異世界に移住した桐生翼は、魔法学園を卒業した。就職先のギルドも決まり、素晴らしきその日暮らしが始まるかに思われた。しかし、同級生が続々と使い魔の孵化に成功するなか、翼ただ一人だけが卵を抱え続けていた。とうとう街を出る日が来ても卵は孵らない。けれど、その翌日の朝になってようやく殻が破れ、新たな命が芽生えることになる。紺碧の瞳、一対の双角、純白の鱗、それは極めて希少で偉大なる存在、ドラゴンの幼体だった。これは竜騎兵の称号を授かり、天夜叉と称されることになる、一人の少年の物語。