さよなら装女学園
何とか装女学園との戦いに勝利した俺は何故か自分のワールドに帰らないヒビキと共にいた。俺の何でも屋の事務所・CNSの屋上では、ヒビキが白いベンチに座り夜景を眺めていた。
ゴクッゴクッとブラックのコーヒーを飲み干し、地面に置いた。
後ろに人の気配がする。
その人物は後ろから、ピタッとヒビキの頬に冷たい缶コーヒーを当てた。
「冷たっ!驚かせないでよ、カオリ!」
「フフッ。コレあげるから文句言わないの」
カオリはヒビキに缶コーヒーを渡した。
二人はもう仲良くなってる……俺はヒビキと不可抗力とはいえキスをしてしまったからちょっとまだ距離がある。
そして、もう片方の手に持っていた蚊取り線香をベンチの中央に置いた。
カオリがベンチに座ると、二人はプシュと缶をあけ一口飲んだ。俺はそれを眺めるとヒビキは、
「まだ、蚊取り線香の時期じゃないでしょう?」
「なんかココに、やぶ蚊がちょろちょろしてたから」
「やぶ蚊か……て、私か!」
グッと頬を指で押す、カオリの行動でやぶ蚊が分かった。
ツッコミを入れつつヒビキは、
「アンタも結構アデュー好きね。ミーナもほかの連中も勇者好きよね。今回もわざわざキャンディ王国の新国王ツバサを活躍させる為に動いていたみたいだし、勇者としての力を誇示しない所がいいのかしら?」
「アデュー君は勇者だけど暴君じゃないし、皆んな事を考えてるから好かれるのよ」
二人はお互いの顔を見ずに、夜景に視点を合わせたまま会話をする。俺の話をしてるけど、俺は蚊帳の外だ。蚊取線香を焚いてるだけに蚊帳の外……。
「それでヒビキは装女学園をどうするの?また他のワールドを攻めるつもり?」
「もうそんな事はしない。今回はソルジャーレッドとの出会いと、ちょうどこの勇者が誕生したキャンディ王国が新しい国王になったから今なら攻められるという事が重なっただけだから。妖精国王ツバサが好みだったというのもあるが、今はアデューの方が好きさ」
「ダメダメ。アデュー君は私の相棒だから。毎晩眠らせないほど私とイチャイチャしてるし!」
「フフッ。言ってくれるわね」
鮮やかに笑うヒビキに、俺は目を細める。
そして、ヒビキが缶コーヒーを一口飲むと、
「やっぱり不味い……このワールドのコーヒーは不味いわね」
「ここはキャンディ王国よ?アメとバナナが売りの王国だからコーヒーなんてあんまり飲まないし……って、ヒビキこぼれてる!」
ツツーと口から流れたコーヒーが、ヒビキの白いシャツの胸部を黒く濡らした。
カオリはポケットからハンカチを取り出すと、濡れた部分を拭いてあげた。
「まったく……シミになっちゃうわよ」
「こんな黒い液体飲んでいるから、乳首が黒くなるのよ」
「コーヒーで乳首が黒くなるか!」
このままだと本当にシミになりそうなので、カオリはヒビキを連れて下の階の風呂場に行く事にした。
「ほら、ヒビキ。風呂場に行くわよ」
「濡れて、冷たい」
「早く、早く!」
カオリはヒビキの手を引いて、風呂場に向かった。
そして濡れて胸の乳首の部分が黒くなった部分を見てカオリは、
「濡れ乳首と黒乳首……」
「その話題から離れろーっ!」
怒りながらヒビキはカオリをぎゃくに引っ張っていった。
まー、ヒビキは筋肉質だから乳首ぐらい黒いだろ。それに、あの赤の魔王も……類は友を呼ぶって奴か?
にしても、アイツはまた襲って来そうだな。
今やチートランキングなんて誰も気にしてねーのに。
ま、そんなこんなで艶色にアデュー!




