表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/14

02

 チャリで出たのを少し、いや、かなり後悔した。

 まだ十時になってないはずだが、日差しはかなりきつい。汗が吹き出して来た。

 スーパーふじよしは自宅から二キロ近く離れているので行くのが面倒くさい。そこで彼、近場で済まそうと、すぐ近くの八百屋にあるかと思って寄ったら、なんとシャッターが下りていた。

 お盆休みだという張り紙が一枚。


 しゃらくせえ。オレなんかお盆だということすら忘れてたのに。


 ついシャッターを蹴りつけようとして、あまりにもオトナゲないので止める。

 少し離れたコンビニを思い出す。

 何と言う名前だったか、メジャーな名前ではないし、品ぞろえがあまりないという噂もあるし、普段使わないのでよく知らなかったが、困ったらとりあえずコンビニでしょう、と気を取り直して彼はまたチャリにまたがった。

 行ってみると、店は開いているにはいたが、確かに品ぞろえが貧相だった。

 アラビキコショーなんて、置いてないそうだ。バイトだろうか、なんとなく顔がむくんだような若い女の子が、あ、ら、び、き、ですかぁ? えっとぉ、とかなりしょっぱい対応だ。


 ないならないってさっさと言えよ。


 貴生、むっとしながら店を出る。

 もわっとアスファルトの熱気が襲ってくる。

 背中も汗ばんできた。後悔ばかりが押し寄せる。


 こんなことなら最初から車でふじよしに行けばよかった。


 ふじよしに向かって、自転車のペダル踏みしめ約十分。

「がーん」

 なぜか、休みだった。

「ナマイキなぁぁ、ふじよしの分際でぇ」

 悔しがっても、開いていないものは開いてない。

 念のために、店の裏に自転車のままぐるっと回り込んだ。

 すでに目がギラギラ血走っているかもしれない。

 椎名さん、はっと顔を上げた。


 他にも気の毒なヤツをみつけたぞ。


 駐車場に、赤いスポーツカーが入ってきたのを眼の端にとらえた。車はこちらにやってくる。

 S3000……運転手が目に入って、椎名さんあわててチャリのブレーキをかけた。

 じゃっ、と半分横滑りして、チャリは急停止する。


「あら、ぐうぜんねえ」


 すい、と降り立ったのは、粋なグラサン、袖無しのニット・スーツ、出るところは出っ張り引っこむところは引っこんで、濡れたルージュは車とお揃い。


「元気してた? サンライズ・リーダー」


 急にコードネームで呼びかけられ、思わず身構える。

「まさか……」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ