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Chapter1-2

 玲緒奈……レオンハルトは10歳で騎士になり、今は丁度前世での享年になる14歳だ。


 そんな彼は彼の居る国……シューヴェスト王国の王家に仕えていた。


 彼の居る世界は様々な国家が存在しているが、今は手を取り合っている。


 女神の名のもとに国家間連合ができたのも一つの理由だが、最大の理由は魔族の国『サタゴニア』が各国へと宣戦布告したからだ。


 魔族の国側の宣戦理由は国家間の過度の開発であったが、その強大な武力を背景に世界を恐怖に貶めている。


 基本的に魔族は厳しい山脈や生い茂るジャングルといった人の住みにくい自然環境を好む種族であり、自然を開拓していく人間とはわだかまりもあった。


 しかし人間側も魔族との歩み寄りをし始めた矢先のことであったため、魔族の国王……『魔王』は強硬派なのだろうという話だ。


 ともかくサタゴニアとの全面戦争はおよそ百年にも渡り、膠着状態になっていた。


 魔族の寿命が長いというのは創作の話ともいい切れないが、実際のところピンキリである。


 例えばゴブリンは寿命が60年程度と人間並み(この世界は医学があまり発達してないため人間の平均寿命が短い)だったりするし、

リザードマンの寿命はその半分もない。


 とはいえドラゴンにもなると千年は余裕で生き、ヴァンパイアに至っては寿命が存在しないとされている。


 ただ寿命が長い生物は当然世代交代の間隔も長いため、数においてはそう変わらない。


 魔族は強力になればなるほど数が少ないが、これは強力な種族ほど産む子供の数は少なくなるからである。


 ともかくこの世界は『サタゴニア』の脅威に脅かされており、そのためにレオンハルトのような騎士が求められているのだ。


「お呼びですか、国王陛下」


 レオンハルトの問いに国王は答える。


「まず要件から話すが……お前には姫の代役をやってもらいたい」


「姫の代役……!?」


 驚きを隠せないレオンハルトに国王はいう。


「実は、我らの姫……レーナは既にこの世を去っているのだ」


「お病気という話は嘘だったのですか!?」


 彼が驚くのも無理はないレーナ姫……レーナ・クロニア・シューヴェストは表向きは病気ということになっていたからだ。


「王家の聖剣を使える者が不在というのは知られたく無くてな。王子は居るが、まだ若すぎる」


「王家の聖剣……聞いたことはあります。王家に代々伝わる伝説の剣だと。しかし……」


 そんなレオンハルトの言葉を国王は遮る。


「姫は自分が長くないことを知ると、ティアラに心を宿らせ、自分の代役に相応しい人間を選ぶことにしたのだ」


「つまり、王家の血を継ぐものでなくても、聖剣を使うことができるということですか……?」


「ああ。そういうことになる。ちなみに、わしは民を見守る必要があるから城からは動けん」

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