拡大期
その後の、四ヶ月。
ベルロワ・カーヴは、エトワール王国の、社交界の、最大の、話題と、なった。
公演は、毎週、満員。
ファンクラブの、会員は、月、千人ずつ、増え、半年で、一万人を、超えた。
雑誌『エトワール・ステラ』は、発売日に、即日、完売を、続けた。
ブロマイドは、市場で、定価の、五倍から、十倍で、取引された。
私の、収益は、月、金貨千枚を、超えた。
ベルロワ子爵家の、家計は、エトワール王国の、トップクラスに、躍り出た。
そして、王室の、関係者も、密かに、観劇に、訪れるように、なった。
ある夜、私の、楽屋に、ひとりの、貴婦人が、訪ねてきた。
「リリア・ド・ベルロワ嬢」
「はい」
「私は、王太子妃殿下の、侍女、フランソワーズ・ド・モンペリエ」
——!
——モンペリエ伯爵家の、人。
私の、心臓が、跳ねた。
「妃殿下が、貴方の、劇場に、興味を、持って、おられます。来月、お忍びで、ご観劇に、お見えに、なります」
「光栄でございます」
私は、深々と、頭を下げた。
——王太子妃殿下、観劇。
——いよいよ、王室、来た。
——次は、王室公認、を、目指す。
——だけど。
——その前に、もうひとつ、起きそうな、ことが、ある。
——コレットの、ことで。
私の、心の中に、不安が、よぎった。
なぜなら、最近、コレットを、見初めた、という、ある、貴族から、何度も、求婚の、申し出が、来ていたのだ。
——ヴェルニエ侯爵。
——五十代の、再婚を、希望する、未亡人の、貴族。
——既に、第一夫人、第二夫人を、亡くし、第三夫人を、探している、と、噂。
——そして、コレットを、第三夫人に、と。
私は、その申し出を、全て、断り続けていた。
——うちの、コレットは、絶対、妾には、しない。
——でも。
——ヴェルニエ侯爵は、しつこかった。
——危険な、しつこさ、だった。
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