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0.序
満月の夜、打ち棄てられた廃墟と瓦礫の山しかない場所で、轟音と共に真っ直ぐ天に向かって一筋の光柱が立ち上った。
その光柱は近隣の国々でも目撃されたという。
光柱が立ち上った国の王城からすぐさま騎士団に依って編成された調査隊が派遣されたが、彼等が現場に到着した時には辺りは静寂に包まれ、常と変わらず打ち棄てられた廃墟と瓦礫の山があるだけだった。
ただ、光柱が立ち上ったと思われる場所は瓦礫の山が無くなり、剥き出しになった地面には大きな穴が開いていた。
暫くしてその地には「この世に安寧を齎す者が現れた」「厄災を齎す者が現れた」等という噂が真しやかに広がっていった。
だが、其処に現れた人物を見た者は誰一人としていない。




