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この感情が意味するものは

すべてを知った少年はどうする

いよいよ、完結!!

そうかそうだったんだ。僕が親友と思ってたのもあんなに愛した愛犬も幽霊だったのか。そして、これまでも同じようなことをして生きてきたのか。

幽霊を見える人は少ない。それは教室の反応からも明らかだ。よって、社会から見れば存在しないもの。偽りの存在。そんなのと僕はずっと一緒だった。なら僕は偽りの嘘の時間を生きていたのだ。

「はは、とんだ人生だ」

よく思い出そうとしても高校入学以前の記憶が欠如している。イリスの言ってることは本当なんだろう。つまり、俺はこれから嘘の存在と幻の時間を生きそして、記憶のない空っぽな人生を送るのか。

ならいっそうイリスの元に行ってしまおうか。ふっ、だってもういいだろ。俺は本物の時間を生きられないんだから

僕はイリスの頬に手を添えて、顔を近づけた。彼女は喜んで目を閉じた。キスでも何でもしてやろうか。


ふと、イリスとの間に風が吹いた。


だがしかし、唇を重ねようとした時、僕の中で何かが弾けた。

本当にいいのか? ここで諦めてしまってずっとずっとずっと幻の世界で1人……?

「いやだ」

「え?」イリスは目を開けた

「俺は……本物の本物の世界で生きたい。本物が欲しい」

「何を言って…そんな私は君がいないと」

「ごめん、イリス」「いやよ!」「君とは一緒にいられない」

その時イリスの気が弱くなったように感じた。

俺は立ち上がり彼女の横を抜け階段を下りた。

「あなただって幽霊がいないといつまでも不安定な存在のまま」イリスが後ろから声が聞こえたが、かまってられない。

そのまま転がるようにして一階まで下りた。背中に圧力を感じたが振り返ったらいけない気がしてひたすら前を見て走った。下駄箱から靴を引っ張り出して外に出た。外はもう夕暮れ時だった。校門までたどり着いたとき初めて後ろを見た。校舎は黒く湿っていて、心底不気味だった。

待って、置いてかないで あなたがいないと私は

「ごめん、イリス。僕は偽りでしか生きられないのかもしれない。けど、幻の中でも本物を探したいんだ」

俺は最後にもう一度慈悲をこめて

「イリス」

彼女の名前を口にした。



ふらふらと家に向かった。彼女のことは忘れてきたが、くっきり覚えていることがある。

「俺は幽霊を愛し続けないといけないのか」

これからどうしよう。そんなことを考えながら、しかし、いつまでも答えが出ないまま歩いた。

ふと、前を見ると道の真ん中に一匹の白いネコが倒れていた。駆け寄って抱えあげた。

「おい大丈夫か?」

ぐったりとしていて、でも、とてもとても綺麗なネコだった。

「不思議だな」

不思議だ。こんな死にかけの動いているのを見たことも声さえ聞いたことないのにこいつとは仲良くできそうと感じた。

近くに動物病院がある連れってってやろう。

走り出そうとした時、僕の記憶を一筋の光が貫いた。

一目見て仲良くできそうと 一目惚れ 出会ってすぐ打ち解けた

理解した

「そうか…」

この感情がトリガーなのか…?

つまり、この感情が意味するものは…

それを理解したうえで俺はこいつと仲良くするのか?

また幻の世界に足を踏み入れることになるのに…

最終話読んでいただきありがとうございます!


この話全体を通してのコメントを書いていただきたいです。好意的なものでも批判的なもので大歓迎です。

最後まで読んでいただきありがとうございました!!

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