表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
131/133

ジークとアレスの戦い

 ジークはアレスと共に第三騎士団の前に来ていたが、どうしようか悩んでいた。このまま立っている事も出来たが、それでは暇だった。精々、出来る事を考えようと思いながら何もしないでいると奥の方で建物から押し出される、人々を見た。どこかの騎士のようだが、その建物から追い出されていた。ジークはその服装も見て、王都使長の護衛である可能性が高いと思った。

 そして、自分でも追い出せるかもしれないと思った。だが、こちらの身元がばれると厄介になる。そのため、少し顔を隠すような衣装をアレスとしてから、ジークは乗り込んだ。


「どこの者だ?」

 と、護衛達が剣を抜きながら叫んで来た。


 ジークは自分が向けられた事はないので、一瞬恐れた。が、ダンジョンの事と比べると全然大した事がなかった。殺意も大きく異なり、ただ怖がらせようとするイメージしかない。全体的に、本物の戦士らくしくないのだった。

 それを見ながら、ジークは何だここまでか、と思った。そして、そのままアレスに小さく言った。


「やれ」


 了解の意のようで、アレスは軽く頷いた。通行の邪魔をするその護衛達を一睨みすると、腰の剣を抜いた。それが抵抗、または戦う意思を示す体勢だった。


「やるのか、それで。逆に死んでもしらないぞ」

 と、護衛は言いながら突進して来た。


 が、最初から動きが見えていたアレスは上手に躱しながら、一回だけ切り付けた。それも魔力の身体強化を発動させていたので、護衛には見えない動きだった。ただいつの間にか、切れている。何とも綺麗に。


「何、剣が切れただと? 王都使長様から頂いた剣が、このような無様な姿になっているとは。もしや、あの異端の魔法師と同じ悪魔の技を使う奴らだな」

 と、護衛が尻餅を付きながら、喚いた。


 ジークは頭に血が上るのを感じながら、アレスと共に叫んだ。

「「ーー黙れ。死にたくなにのなら」」


 彼らはレイの友達として彼がこのように扱われる事さえ、嫌だった。そのままの恐ろしい顔のまま他の人の顔を見ると、彼らは必死に顔を横に振っていた。利口な他の者は何をするべきか理解していた。が、その者だけは何も知らずに、ふと顔を上げた。そして、更に悲鳴を上げた。


 が、二人は最初からそれだけで許すつもりはなかった。

 彼らは腰の剣を笑顔のまま抜くと、成敗し始めた。


 辺りには、終わりそうにない悲鳴が延々と響いていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ