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歓迎と学園長

 そのまま学園長室に向かった。特に大きな歓迎はなかったが、僕的にはそちらの方が慣れていた。授業中のようで廊下を歩いている人はいなく、普通に歩いていても大した騒ぎにもならないからだった。だが、隣のレイリーに取ったらそうではないようだった。終始、何て無礼な。宮廷魔法師で第三騎士団長である方を放置するなど、と何度も呟いていた。

 それが普通の考え方なのだな、と僕は考えながら歩みを進めていた。学園長室と言えば、卒業した時に卒業証書を渡された時ぐらいしか入った事がなかった。わざわざ顔を合わせる羽目となるとは、本当に僕は不運であった。学園長は悪くはないのだが、何もかも自分の駒として自分を有利に立たせようとしている気がして、まだいい思いを持っていなかった。会わないと言う手段もあるが、それだと後から少々困りそうなので断念した。

 嫌な学園長であったとしても、この王立魔法学園を仕切っているのは彼である。そのため、彼がいなければ出来ない事があった。


 見覚えのある学園長室の扉の前でどうしようか立っていると、向こうから扉が開いた。そして、学園長が顔を出して来た。それはこちらを分かった状態で開けた訳ではなかったようで、驚きが露になっていた。

「ーーレイ。いや、ウィズアード騎士団長様。お待ちしていました。どうぞ、中に…おっ、猫とは可愛い」


「うん、ありがとう」

 と、僕は護衛騎士のレイリーと第三騎士団の看板猫の黒猫を連れて中に入った。


 黒猫を分かってくれる人なら、そこまで悪い人では案外ないのかもしれない。警備員の人は焦り過ぎて、見えていないようだった。けど、流石の学園長は分かってくれているようだった。



 学園長室は、僕の騎士団長室や屋敷よりも豪華だった。威厳があるとも言えるが、ある意味無駄遣いしているようでもあった。ここの備品は全て、税金で賄われていたから。それは僕の屋敷でも同じだったけど、僕は更に改修しようとも思っていなかった。自分がお金に溺れてしまうのは、嫌だった。僕が興味あるのは、魔法でお菓子だけどそれ以外は考えないようにしていた。


 僕らを案内した学園長が、学園長に用意されたと思う大きな椅子に腰がけた。そして、手を組んでからこちらを見た。その目は一気に学園長らしい雰囲気を出していた。それは、入学式の時で見た時の顔とよく似ているように感じた。

 ここは学園長の領域である、とそう物語っていた。

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