表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/38

いざ、王都へ!

 翌日、俺たちは、朝から慌ただしかった。もちろん、王都に行くための準備をしているからだ。まぁ、準備って言っても俺自身はそんなに用意するものはないんだけどね。どうやらここから王都までは2日かかるらしい。夜会自体は明々後日だからちょうどいい感じで王都に着く予定になってるらしい。

 しかし、家の外ではなく領都から出てくのは初めてだな。やっぱり、魔物とかいるのかな。そうすると対策を考える必要があるな。そうだ!この間のスキル本で見つけたスキルでも作るか。


 「『スキル生成』」


 よーし、作るぞ。そしてピンク色のパネルを出した。今回は、なんのスキルを作るか決まっているからすぐにできた。ちなみになんのスキルを作ったかというと『魔力感知』だ。まぁ、異世界物だったら定番のスキルを真似しただけなんだけどね。だが、少し、ていうか結構漫画やら小説やらとは設定を変えてある。

 前にテオスが言っていた、あらゆる生命が魔力を持っているという事。そして、その生命は自分の魔力を少しずつ周囲に発している、と。その魔力の流れは目で見える。まぁ、正確に言えば体全体で感じているものを目で見えるようにしているだけなんだがな。そして俺の魔力の流れを捉える目はどうやらこの世界の人間とは比べ物にならないくらい細かく見えるらしい。そして、すっごいよく見える。すげぇ高性能なのだが、見るためには、意識を集中させるために目を瞑らなくてはならないという事なのだ。でも、まぁ、漫画や小説で出てくるような『魔力感知』はテオスにやって貰ったこの目でもう十分間に合ってるって事だ。

 そして俺が今回作ったスキルは、魔力を放っている中心を見ることができるというものだ。魔力を放っている中心部のことを俺は魔力核と呼ぶようにした。魔力核は、その生命が持っている魔力量の塊だ。そしてそれは、生命そのものの魔力量を見れるということなのだ。つまり、相手の魔力がいつ尽きるかとかもわかるのだ。魔物やらの魔力核の大きさを覚えれば何が近づいてきているのかわかるしな。

 このスキルは、戦ってる最中とか、相手の力量を探る時に使う感じかな。

 まあ、俺が作ったスキルの説明はこれくらいにして。そろそろ、出発の時間になるから正門の前に行こう。


 よし、着いた。正門の周りを見渡せば馬車が3台ほど止まっている。全部馬が二頭ずつのやつだ。人が乗るところもかなり装飾が豪華だ。

 おっ、両親も来たな。なんか周りに知らない人間がたくさんいるけど……ま、そんなことはどうでもいい。俺は今回の王都への旅路の途中で魔物が出てくることを望んでいるのだ。護衛は付いてくるのだろうけど俺は敵が出てきたらいち早くぶっ殺す、と決めたからな。んー、楽しみだ。


 「アクシスーっ、そろそろ出るから馬車に乗るぞ、」


 父さんがそう言って声をかけたので「わかりました。」と応答し、父さんのいる馬車に走って向かい馬車の中に乗った。中に入ってすぐに座った。座り心地は、なかなか悪くないな。そうしていると父さん、母さん、リリア、の順番で入って来て座った。父さんと母さんの向かい側に俺とリリアが座っている感じになっている。俺はリリアの方を向いて小声で質問した。


 「ねぇ、なんでリリアも来ているの?」


 「はい、それはですね、アクシス様を見ていろそして何かあったら守れ、とご主人様に言われましたので」


 ああ〜、なるほどね。結局は俺の監視かよっ。ていうか、リリアって俺の護衛なの?初めて知った〜。まぁ、大丈夫だろう。とかそんなんこと考えてたら、「よし、出発だー」と言う声と共に馬車が動き始めた。なかなか、乗り心地は悪く無いな。多少揺れるけど。


 出発してから、30分くらいで領都を出た。ここから、1日かけて王都へ向かうらしい。今は、王都へ向かうために、街道を進んでいるところだ。窓の外を見てみると両隣が林みたいになっていて、魔物が出そうな雰囲気だった。ま、俺が思ってる勝手な想像だけどね。護衛の人が前後に15人くらいずついるところ辺り貴族だなぁって思う。

 しかし、何も起こらないな。魔物とか盗賊とか見てみたいのに…多分、俺以外そんなこと思ってないんだろうけどさ。とかそんなこと考えていたらリリアが、


 「アクシス様、大丈夫ですか?顔色が悪いようですけど?」


 そう!何でリリアがこんな質問をしてくるのかと言うと、馬車に揺られて酔ったのだ。家を出てから10分くらいで酔った。それから気持ち悪いのを誤魔化すために違うこと考えていたのにやっぱり、ダメだったのだ。とりあえず、酔ったってことを伝えておこう。


 「馬車に揺られて少し酔っただけだよ。多分、大丈夫だと思う」


 「いいや、ダメだ。気分が悪いのなら、風にあったって気分を変えなくては。よし、一旦休憩を取る」


 いや、大丈夫と言っているでしょう。父さん、過保護過ぎんかね。まぁ、休憩できるのは、嬉しいけどね。


 「全体、止まって休憩ぇい!」


 全体が止まったから、馬車から降りた。そして少し茂みの中に入って軽く体を伸ばした。


 「んー、座りっぱなしと酔っていたのがだいぶ辛かったから外でれて良かった〜」


 もちろん、独り言だ。こんなに砕けた喋り方人がいる前でなんか絶対できないからな。まぁ、前世の言葉で言うなら猫を被ってるみたいな感じなのだろう。とりあえず、周りに何もいないか確認するか。そう思い、目を瞑り魔力の流れを確認しながら、『魔力感知』を使い、もし近くにいた時どれくらい強い奴なのか確認する。

 ん、なんだ…この反応は?魔力核の少し大きい動物が3体こちらに向かってきている。なんだろう?

 ちょっと行ってみるか。もしかしたら、魔物に会えるかも、だしな。そして俺は魔力核の見える林の奥に入って行った。


 「そろそろ、見えてくるはずなんだけどな」


 俺は気付かれないようにしゃがみ込みながら進んでいた。そしたら、なんかいた。よく見えなかったから少し近づいた。今度は、見えた。魔物かな?何だろう?ゴブリンではなさそうだ。ま、邪魔な存在なのは間違いないだろう。殺すか。そう思い、わざと気付かれるために立ち上がった。もちろん、その魔物なのかよくわからない動物は3体ともこちらを見た。

 そしたら、こちらを見た瞬間に3体ともこちらに向かって来た。手には鉈っぽいものを持っている。顔は豚か猪っぽいな。


 「おお〜い、言葉わかる?君達ってオークって奴?」


 絶対、通じないと思うが問いかけてみた。案の定、通じるわけも無く1体のオークが手に持った鉈で俺に斬りかかって来た。俺はもちろん余裕で躱す。つうか、遅い。限りなく遅い。残りの2体も斬りかかって来た。余裕で躱す。


 「あははは、遅い遅い。よっと、」


 ひとまず間合いを取った。気になるな。幻獣の10倍の力。試してみるか。そう思い、1体のオークに向かって走り出した。そのオークは、鉈を横に薙ぎ払う。軽くジャンプして、避ける。間合いに入った。そして拳を顔面に向けて殴る。


  パァーンッ、と頭が弾け飛んだ。


 「おう、結構、血出るんだ」


 ドバァーッ、と首から血が出ている。幻獣の10倍の力ってこんなに強いのか。結構軽く殴ったつもりなんだけどな。力加減が難しいな。もういいや。そう思い、残りの2体も頭を殴って、弾け飛ばした。


 「もうちょっと、力のコントロール練習しとかないとな。軽く本気出しただけで、みんな木っ端微塵になっちまう」


 どうしよう。このオークの残骸。頭だけ綺麗に吹き飛んでるんだよな。どうしよう、と悩んでたら誰か俺を読んでいた。


 「アクシス様ー、何処ですかー?」


 この声はリリアか。まずいな、どんどん声がこっちに近づいて来てる。とりあえず、血まみれの服は魔法で綺麗にした。あとは、この残骸だな。どうしよう?そう考えていたら、ガサガサッ、と音がした。


 「誰だっ!」


 「リリアです。しかし、こんなところにおられたのですか?アクシス様」


 と言いながら、リリアが近づいて来る。


 「ちょ、ちょっと待って!まだこっちに来ないで」


 「何故です?そろそろ出発するとご主人様がおっしゃっていましたよ。さぁ、行きましょう」


 そう言って近づいて来たリリアはやっと気付いた。俺の周りに転がっているオークの死骸に。


 「これは?オークの死骸?もしかしてアクシス様がやったんですか?」


 「もし、やったと言ったらリリアはどうする?」


 「まずは、ご主人様と奥様に報告します」


 ですよねー。それだけは、絶対阻止せねば。


 「あのさ、お願いなんだけど、この事は誰にも言わないで欲しいんだけど」


 「分かりました。それではなく私とアクシス様だけの秘密、ということでよろしいですか?」


 「ありがとう、リリア」


 ふぅ〜、リリアなら誰にも言わないだろう。


 「よし、じゃあ、戻るか」


 「はい」


 (やったー、アクシス様と私だけの秘密!これは絶対に守らなくては!アクシス様を守る者として)


 リリアの心の中は、誰にもわからない。


 そうして、俺とリリアは父さんと母さんがいる馬車に戻った。リリアと一緒に戻ったことで特に言及されなかった。だいぶ馬車酔いも治ったのでまた馬車に乗り込み、出発した。


 「アクシス、また気分が悪くなったらちゃんと言うんだぞ」


 「はい。今度は、はっきりと言います」


 10分後には酔っていたが今度は顔に出ないように我慢していたので気付かれることなく王都を目指していた。前世の時から車酔いは酷かったからな。ま、吐いたことはないけど。よくやっていたのは、酔ったら寝る、という事はよくやっていた。というわけで寝る。王都まではまだ1日くらいかかりそうだし。というわけでおやすみ〜。

9話目の投稿です。作者の霊璽です。

今回は王都へ目指しての家族旅行みたいな感じです。家族の絡みは殆ど無いんですけど…

そして、アクシスの馬鹿力が出て来ました!これから王都で何かやらかすのか、それとも何も起こさないのかは、読み続けて貰えば分かると思います。出来るだけ早く投稿したいと思いますのでよろしくお願いします。

それでは、また次回の話で……

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ