バイト、はじめますか?
「ねぇ君、今日は生徒会の仕事がないんだけど一緒に帰らない?」
幼馴染である『夜桜雅』により呼び止められる。
「あらあら、私の旦那様は私とこの後、予定がありましてよ?」
ガサキさんがそんな事を言うが、予定など入れた覚えはないぞ。
「てかウチの彼氏だし、ちょーウチとオケるし!てか打つし!!」
『打つ』とは性行為をすることを意味する。
「あのさ、協定はどうしたの?前の会議で取り決めたよね?なんでしゃしゃりでてるわけ?あの協定に従うなら今日は私の監視日だよね。お前らは邪魔なの。だから失せてよ、盗人ども。」
夜桜雅が前に自分を庇う様に出るが、それを無視して俺は前進した。
「ごめん、俺バイト始めたんだ!」
『『『はい?』』』
三者は驚愕な表情を浮かべる。そして睨みつけてきた。
「聞いてないんだけど?」
「えぇ、もしお金にお困りなら私が払いましてよ?」
「てか働かなくてもいいよ。ウチが面倒見てあげるから?何欲しいの?」
めっちゃお嬢様学校出身の奴らがヒモになれとか推奨してくる。もちろん、魅力的ではあるが、ここで誰かを選べば刺されかねん。
「え、いいよ。自分で働いて仕事の大切さを学びたいし。」
(正確にはお前らと距離をなりべくとりたいんだ。)
仕事は飲食業に就く事になった。そう、接客業でもある。
「なら、バイト先を教えて。毎日行くから。」
「えっ?!それは流石に.............」
困る。それは大いに困る。そんなことをされれば溜まったものではない。自分が務める先は家から近い喫茶店だ。それに客もあまり来ず、ゆっくりと出来る良環境。そんな神聖な場所にこの悪魔達を招く訳にはいかない。
(先ず、母親にもバイト先は言っていない。あれは容易く自分を裏切ってくるくるからな。この最後の1年と半年は自分しか信じない。)
廉太郎には伝えようと思ったが、やめておこう。確実にあいつらのいずれかは尋問するだろうし。故に秘匿する。
(なら、雅が密かに仕掛けているGPSやストーキングはどうするのかって?そんなもの、バイトを行く前に撒き、全ての衣類を新たに買い替え、着替える。)
徹底しなければ俺は生きれない。この悪魔達の追跡。そして、京さんとの条件も守らなければならない。やる事はたくさんあるが、もう少しの辛抱だ。
「仕事場にも迷惑をかけるだろし______秘密♡」
前髪を退け、ウィンクをすると雅達は頬を紅くし、悶え始めたので撤退する事にする。よしよし、いいぞ。この顔を最大に使っていこう。俺はできる男なんだ。ここに解放戦線と行こうじゃないか。
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