表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
37/60

幕間 こちら運営管理室

36話目です。バロールさんとラグくんをナチュラルに間違えていた…不覚…!という訳で30話の文を一部修正。

 「おーおーおー…よく見破ったな」ここはどこでもない場所。世界から隔絶された、全てを見渡せる場所。「なーに裏でカッコいいナレーションしてんだ。そんなことよりお前も来てこのログ見てみろよ」へーい。今行きますよー。


 …改めて。ここは電脳空間。世界初のVRMMORPG『another world chronicle』の管理運営を行う場所。世界中にある物理サーバー管理者間の交流やサーバーを超えた監視を行う場所だ。そしてオレはここで様々なデータをあの世界に送り込む仕事をしている。


 「うげ、あのビームの嵐を躱すか―。その割にその前のは躱しきれてないけども」「多分視界に入ってなかったんだろうな…他のプレイヤーに目向けてたし」「《ブランチ》を使いこなせてる…ほんとにあんな使い方出来るなんて…」「あ、あれ確か室長が『お人好し用』に用意したクエストの報酬だっけ」「例の完全隠しクエスト?あれクリアした人から問い合わせ来たんだけど…」「じゃあ次のアプデで公表するか。プレイヤーによってはバグ報告してきた人もいるし」


 こんな風に、ここは様々な人達がプレイヤーたちのプレイ状況を見て楽しむ場所でもある…


 「しっかし、アメリカサーバーのカオスはどうにかならんのかね」そうなんですよね~。あっちの人は血の気が多いのか、始まりの町が開始2週間で修羅の国と化しているし。「まあ室長は『それもまた世界の在り方』と笑ってたけども」吉岡さん…「アッハッハッハ」上座から渋い高笑いが聞こえてきた。あそこで高笑いしているダンディなおじ様こそ、この運営管理室の室長の吉岡さんである。こっちからすれば笑い事じゃないですよ…


 もっとも、このゲームはそういう風に出来ている。設計段階ではこれはワールドシミュレータとして作られていたのをゲームとして作り替えたのだからそもそも何でもありだ。世界を壊すも救うも自分次第…という訳である。


 「それはそれとして、だ…あのイレギュラーなプレイヤー…いまメインモニターで出ずっぱりの彼だが…彼のアバターのバグについて何かわかったか?」室長がそう空間内を睥睨すると、さっきまで漂っていたスチャラカな雰囲気は失せ、皆仕事用の顔つきになった。


 「調べてみたんですが、やはりバグに相当するものは見受けられませんでした」「AIたちも何もないと…」「もしやと思ってシステム全体を探ってみましたが、不審なデータの()()()も見つかっていません」「そうか…」


 そう言って室長は椅子に深く腰掛け、システム開発担当者の方を向き直ってこう言った。「高野君、君が以前言っていた『ハード側のトラブル』についてはどう思う」


 「ハード側の自己診断プログラムでは異常なしとされていましたが…これだけ探しても見つからないとなるとやはり残るは…」「e-shpereのブラックボックスか…」


 e-shpere。日本の新興ハードウェア・ソフトウェア開発会社「エンデュミオン」が開発した、VR・AR対応型マルチデバイス。その根幹システムである『人間の意識を仮想空間の肉体(アバター)に転送する』技術は、ブラックボックスとして社内外に秘匿され、その詳細を知るのは世界に数名、そしてシステムの全容を把握しているものとなると、実際に制作を行うAIを除けばこの世にただ一人となっている。


 「先方に問い合わせは?」「とうの昔に。ですが未だ音沙汰なしですね」「ハァ…」


 つまり現状、オレたちに出来ることはなく、全くの手詰まりという事だ。


 「まあ仕方なかろう。あちらも忙しいだろうしな…この件は継続調査という事で、引き続き頼む。それじゃあ…次の話をしよう。アップデート、ひいては公式イベントについてだ」


 そしてオレたちは目下の課題である、次のアップデートについて、意見を戦わせるのであった。


 「だからカッコいいモノローグはいいからこっち来い」「へーい」

いかがでしたでしょうか。皆様の応援がこの作品の養分となります。良かったらブックマーク等していっていただけると幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ