表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オトギ生活 〜オッサンだけど異世界《トンデモナイトコロ》に来てしまった。どうしよう〜  作者: 風炉の丘
雄斗次郎の長い一日 第3章 王国内地下迷宮にて全滅した探索者の定例回収業務
PR
59/126

3-25 夜目

 真っ暗闇だった。

 入り口からランタンをかざしても奥が見えない。

 そもそもカボチャ頭のランタンは目と口の部分しか空いていない。インテリアとしては面白いが、光量が絶対的に足りなすぎて、照明としての実用性は皆無なのだ。

 こんな装備だけで迷宮に潜れと? ロウソクの強烈な匂いで妖魔には襲われないかもしれないけど、めっちゃ怖いです。


「松明とか…無いのかな?」

「今どきの冒険者は松明なんか使わねーよ。片腕が塞がっちまうだろ」


 確かに…。剣と盾を装備してたらどちらかを諦めなければならなくなるし、両手武器は装備自体出来ない。

 じゃあ、どうするんだ?


「対処法は二つあります〜♪ 一つは両手を塞がない形で周囲を照らす照明を用意する方法♪ もう一つは視覚に働きかけて夜目がきくようにする方法♪ 最近のトレンドは後者ですね〜♪ 照明は光でこちらの存在をアピールしてしまいますからね〜♪ 獲物を狙うはずが逆に不意打ちされたり、逃げられたりと、ろくな事がないんですよ〜♪」

「た、たしかに……」

「お二人とも、ちょっとそこでじっとしててくださいね〜♪

 我らに闇を見通す狩人の目を! カセェ=フ=ハミタァ!」


 突然、視界が明るくなり、真っ暗闇だった迷宮の奥が見えるようになる。少なくとも5メートル先までははっきり見えるようになった。軍隊で使う暗視装置を付けているみたいだ。違いがあるとすれば、暗視装置の場合は画像が緑色に調整されているけど、こっちは色つきで見えるってところか。

 振り返ると思わずビクッとなる。ナリザさんやハナナちゃんが獣のように目をらんらんと輝かせていたのだ。どうやら夜目がきくようになって、目が反射する光まで見えるようになったらしい。

 奇跡の技とは凄いものだと私が感心していると、突然ハナナちゃんがナリザさんに噛みついた。いや、あくまで比喩表現であって、本当に噛みついてる訳じゃないぞ。


「ちょっと待てや〜っ! これって奇跡じゃないじゃん! 魔法じゃん! 唯一神教じゃ魔法は異端の技なんじゃなかったのかよ!」

「フフフ〜っ♪ ハナナさんに格言を教えてあげましょ〜っ♪ 『バレなきゃいい』んですよ〜♪ バレさえしなければ、天に神はいまし、世は全て事も無しなのです〜♪」


 いや、いかんでしょ! 誰もいないと思っていても、どこかでどこかで天使さんは、いつでもいつでも眺めているんだぞ! ちゃんとちゃんと眺めてるんだぞ! 昔、森永のCMで観たから間違いないっ!


「くっ…、確かに一理ある…。命を張った仕事で綺麗事なんて言ってられないか…」


 あ〜っ! ハナナちゃん納得しちゃったよっ! これだから冒険者は犯罪者予備軍なんて言われるんだぞっ!


「ちなみにナリザさん、バレたらどうなっちゃうんですか?」

「神は地に降り、罪を討ち滅ぼすであろう、とのことです……」

「あーなるほど、つまりお仕置きされちゃうと……」

「ですからくれぐれも! くれぐれも司祭様だけのはチクらないでくださいね〜っ! お願いしますよお父さん〜!」

「アッハイ」


 チクる気なんて更々ないけど、うっかり喋ってしまう事はあるかもしれないからなぁ…。気をつけよう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ