表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オトギ生活 〜オッサンだけど異世界《トンデモナイトコロ》に来てしまった。どうしよう〜  作者: 風炉の丘
雄斗次郎の長い一日 第3章 王国内地下迷宮にて全滅した探索者の定例回収業務
49/126

3-15 まったり

 私は涙目になりながらも必死に完食し、慌ててペットボトルの水をラッパ飲みする。奇しくもペットボトルは500mlを3本入れていたので、同じく涙目のハナナちゃんとナリザさんにも渡してあげた。


「クハ〜♪ 助かりましたお父さん。それにしてもガングワルドのお水って美味しいんですね〜♪ 貴重なものをありがとうございます~♪」

「お、おう」


 すまぬ…。すまぬ…。それはこの国の、ただの湯冷ましなんだ……。でも今更本当のことは言えない。


「残りはあと四つ…。なあオトっつぁん。ホントの所、当たりはあといくつあるのさ」

「いや、マジで分からん。普段の事故率は大体3割だけど、すでにオーバーしちゃってるし。今回は過去の統計は当てにならないみたいだ」

「当たりがあるかなんて〜、食べてみれば分かる事デスよぉ♪ 二つ目選んじゃっていいですか〜?」

「いいよいいよ。二人とも選んでちょうだい」

「よおっし! 勝負だナリザァ!」

「望むところですわねっと♪」


 二人が選んだ後に私も一つ選ぶ。はたして、残り物に福があるか?

 油紙の包みを外すと、黒パンをスライスして作ったサンドイッチが現れる。それを両手でしっかり掴むと、口元に近づける。準備完了だ。


「二人とも、準備は良いかな?」

「良いともさっ!」

「良いですよ〜♪」

「じゃあみんなで一緒に。いっせーの、せっ!」


 はむっ


 やった! ハズレだ! 普通に美味しいぞ! さて、二人はどうかな? 

 二人を見ると、どちらも幸せそうに食していた。ということは全員ハズレか。よかった…。

 いや、ちょっとまて! 全員当たり一つでハズレ一つってことは、まさかのドロー?

 最悪の事態じゃないか! 二人とも大人しく席に着いているが、早くも野獣のような目で牽制し合ってる! このままでは、たった一つのサンドイッチで仁義なき戦いが始まってしまうぞ! その先にあるのは………ハルマゲドンか!?

 どうしよう! どうすればこの場を収めることが出来るんだ! 何か、何か方法は……

 あれ? ちょっと待てよ……


 私は最後に残った包みを外し、サンドイッチを出す。上に乗せている黒パンを外すと……緑色のペーストが惜しげもなくたっぷりと塗られていた。


「え〜〜〜っと……。この当たりサンドを食べたい人〜♪ いたら手を挙げて〜♪」


 この瞬間、サンドイッチ最後の一つは、ボルゴ荘に持ち帰ることが確定するのだった。


「お父さん、ステキな昼食をありがとうございました〜♪ ナリザ楽しかったです〜♪」

「楽しんでもらえたなら何よりですよ」

「もらいっぱなしでは申し訳ありませんので〜、これを受け取ってくださいまし〜♪」

「このブロック菓子は……」

「教団で作っている携帯食です〜♪ 味は残念なカンジですけど〜、日持ちも良いですし〜、栄養価も高いんですよ〜♪ 教団秘伝のお薬も入ってますしね〜♪」

「へ〜〜〜。ありがとうございます! 今度小腹が空いた時にでもいただきますね♪」


 パッと見た感じ、カロリーメイトみたいだ。正確には、スコットランドの伝統的お菓子ショートブレッドみたいだと言った方が良いのかもしれない。それにしても教会秘伝のお薬とは何だろう。怖いような楽しみなような…。


「さて、まったりとした時間を過ごして、お腹も気力も充実したってカンジですね〜♪

 筋肉と交わした約束の一時間もとっくに過ぎてしまいましたし〜♪ そろそろお仕事始めるとしましょう~♪

 ハナナさん。お父さん。準備はよろしいですか〜?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ