1-10 萌える食卓
ちょい短めですが、そろそろ寝ないと仕事に響くのでこのへんで。
幸い、食卓塩が残っていた。スープに振りかけると幾分かマシになる。
リナリアちゃんは砂糖を入れて苦みを誤魔化したが、それもあり……なのかな?
重曹は重曹で使い道もあるし、きっと無駄にはならないだろう。たしかクエン酸を混ぜると炭酸水になるんだっけ?
ようやく落ち着いた私達は、楽しく食卓を囲む。ずっと一人暮らしを続けてきたからだろうか。それとも子供の頃の家族団らんを思い出すからだろうか。この時間が一日で一番楽しい。
「ねえねえおかあさん。オトジくんってば、リナのことテンシっていうんだよ」
ギャ~~~~~!!! リナリアちゃんさんっ! なんで申告しちゃうんスか~~~~~!!!
あああっ、管理人さんから笑顔が消えたっ! 真顔で私を見てるぅ!!!
「そ、そ、それはですね。寝ぼけてたせいであって、決して本心というわけでは…」
シドロモドロになりながら言い訳するが、これではただの怪しいヤツだ。
ヤバイよヤバイよ! 絶対ドン引きされるよっ!! 変態という名の紳士の烙印を押されちゃうぅ!!
「オトジさん!」
「はっ、はいっ」
「私にでしたら大丈夫ですけれど、女神達の子孫という伝説のあるこの国の人々に天使は禁句ですよ! 綺麗な方が多いからってうっかり使ったら…。怒られるくらいで済めばいいですけど、村八分にされてしまうかもしれません! 本当に気をつけてくださいねっ!」
「じゅ、熟知しておりますデス。はい」
あれ? ……なんか、心配されてしまった。
そうか…。リナリアちゃんは野薔薇ノ民の血を半分引いているけど、管理人さんは外国人扱いだからな。外国人としての苦労があるからこそ、異世界人の私が迂闊な発言をしないよう、注意してくれたのか。
お気遣いありがとうございます。でも大丈夫ですよ管理人さん。既に手遅れですから♪ それはもう、逆鱗に触れまくっちゃいまして、本当に大変なことになっちゃいました。幸い「ガングビトだから仕方ない」って許してもらえましたけど、あんな経験はもう二度とゴメンです。
そう言えば……、さっきの管理人さんのお話し……。管理人さんの故郷である帝国でなら大丈夫って意味で言ったんだろうけど……。イタズラ心でふざけてみようか。
「ん? 管理人さんなら大丈夫? もしかして管理人さん、天使って呼んでほしいのですか?」
「ひゅぇっ! ち、ち、ち、違いますぅっ!! 違いますからっ!!」
予想外のツッコミだったのか、管理人さんの声が裏返った。そして顔を真っ赤にしながら、全力で否定を始める。
かわいい。
仄かに残る思春期の恥じらいと、年相応の色気がブレンドされた、絶妙なかわいらしさがそこにあった。
リアリアちゃんのロリロリしたかわいらしさとは別質だが、これはこれで素晴らしい!
親子揃ってなんというポテンシャル。おかげで私の顔は始終ゆるみっぱなしです。




