55 リッチィさん、おそばを食べる
家に帰って来ましたよ!
「あぁ、ここまでで大丈夫です。ありがとうございました」
「アアァァァ」
ここまでおぶってくれたフローラルゾンビさんにお礼を言って別れる。
先程、無事に何とかお魚の大収穫祭を終えた私。
マーマンやらミミックやらシーサーペントやら盗人等のイベントを全てガン無視(オリハルコンタコ足イカ足で吹き飛ばした)した私は、あれからひたすら収穫&入金を続け、チラシスキルの入金金額で今日1日、70万ゴールドもの大金を稼いだ。
そして、上機嫌で満足して帰って来ました。
「さて、そろそろ夕御飯のしたくでもしますか」
改めてチラシのスキルを発動し、今日の材料を確認していく。
「先日買いだめした食品やお惣菜もありますが、お魚もすてがたいですね」
チラシのメニュー表示、購入済みカゴ一覧には先日『かなひで』という沖縄全域で展開しているスーパーの食品が載っている。
『沖縄そば(10)』『沖縄そばだし(10)』『カマボコ(5)』『SPAM缶詰め(5)』『醤油(2)』『ゴーヤ(3)』『ニンジン(3)』『じゃがいも(3)』『たまねぎ(3)』『きゅうり(3)』『じゅうしいお握り(2)』『豚しょうが焼き弁当(2)』
全部合わせて結構な値段、というか残金がカツカツでした。残金5000025ゴールド。
もう少しでオリハルコンの500万ゴールドを下回り、オリハルコンを取り出せなくなる所(返品不可)でしたね、反省。
まぁ、今現在はお魚大収穫祭りの70万ゴールドがプラスされたので危機は去りましたけど。
しかし、これではちょっと不便だ。
オリハルコン(500万ゴールド)は切り札であり、自分の生命線だとよく分かっているので、なにがあっても売る気はない。
だけど、チラシのスキルを見ていると調子に乗って買ってしまい、気付いたら500万ゴールドを下回っていたという事態も……。
どうしたらいいかとメニューを眺めていると―――あ、いけそう。
メニューの入金ボタンの一覧に、投入物品のタグ機能(ON、OFF)というのがあった。
試しにオリハルコンをにチェックを入れると、残金から500万ゴールドが消えた。
どうやらタグ機能とは投入物品の保留リスト扱いになるようだ。
よし、これで問題解決と夕御飯の準備に戻る。
お魚は捌くのが面倒くさいのでまた今度。
今日は沖縄料理でいこう。
「まぁ、そばを茹でてだし汁を暖めるだけですけど……」
土魔法《錬金》でコネコネして造った土釜にオリハルコン鍋を乗せ、薪に火をくべる。
ちなみに火種は私の隣にいつしか現れたソラに魔法でお願いした。
この子、いつの間にか気付いたらウチに完全に住み込んでるんだよね。
まぁ、いいけどさ。
畑仕事も手伝ってもらってるしね。
それに寂しくないし。
鍋が沸騰してきたので沖縄そば(2)を入れ、サッと湯がいたら暖めただし汁にいれる。
ソラがどんぶり(オリハルコン製)を用意してくれてたので、沖縄そばを私0,5と、ソラ1,5の割合で別ける。
私はこの姿形になってからは少食なので、あまり量はいらない。
というか、ソラは小さい体の割りによく食べる。
完成した沖縄そばに切ったカマボコを乗せれば完成。追加でじゅうしいお握りも忘れない。
「では、いただきます」
「…………」
手を合わせた私を変な眼―――半目で見詰める銀髪少女、ソラをスルーして夕御飯にありつく。
「美味しい」
「うまい」
初めて沖縄そばを食べたが、中々に美味しい。
ウドンともソバとも違う食感と、和風のだし汁があっさりしていて美味しい。
ソラも夢中でフォーク(オリハルコン製)ですすって食べている。
じゅうしいお握りも具沢山であり、非常に奥深い味でまた美味しい。
ソラもまた、じゅうしいお握りが気に入ったのか嬉しそうに食べている。
あっという間に完食すると、私はどんぶりと鍋、フォークをオリハルコンのインゴットに戻しお片付け完了。
なんて便利なんだ、オリハルコン。
私はもうアナタを手放せる気がしないです。
畑仕事に戻ろうとするソラを引き止め、ソラ用に造った寝室に無理矢理ぶちこむ。夜は寝ましょう。
この子、ちゃんと注意しないと1日中、畑仕事をしてるんだよね。
この前に少しだけ話したら『夜は、寝るの?』と不思議そうに聞いて来たので『夜は寝るものですよ』と説明した。
ワーカーホリックにも程がある。
実験やら興味があることは没頭して集中、他はガン無視。
典型的な研究者体質なんだろうね。
あ、違った、マッドサイエンティストなサイコパスキラーだった。
未だに私の目玉を狙ってるみたいだし。
マジで勘弁して下さい。
とりあえずソラは寝室にぶちこんだので、私も自分の寝室で寝ることにする。
うん、ベッドが硬い。やはり何でもかんでも錬金するものじゃないな。
家具を扱っているお店で買って来てもいいんだけど、めちゃくちゃ高かった。
質が悪いのは安かったけど、それは《錬金》で造り出したのと同じレベル。
最低限の質の良いベッドでも5万ゴールドはする。
うん、なら我慢してチラシで家具屋の広告が出るまで待った方がいい。
1度出てるんだから(マンティコアとの籠城で)また出るだろう。
それから特に意味のないことを考えていると直ぐに眠れた。
翌朝早朝、ソラが私を揺り動かす。
もう少し寝かせて(お昼まで)とお願いするも、ソラは『朝は起きる、言った』と私を揺り動かす。私は『そうでしたね……』と、この前に話したことを後悔しながら起きた。
「……ふぁ」
眠い、やはり朝は苦手だ。
あくびが自然と漏れる。
「……ぁう、なんですか、ソラ」
いつもは朝起こしに来ないソラが、今日に限ってはやけに絡んでくる。
なんだろう。
私の手をぐいぐいと引っ張ってくる。
出来れば寝かせてほしい。
「畑、見る」
ん、畑?
見たら寝かせてくれる?
「ダメ、手伝う」
……マジですかー。
読んでくれてありがとうございます!




