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リッチ(金持ち)を願ったらリッチ(アンデッド)にされたんだが?  作者: キヒロ


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45 リッチィさん、スキルを改造する

 

「♪」


 一体この国はどうなっているのだろうか。

 この異世界で出会った命恩人の幼女がまさかあの天空の城、魔王城に住まう魔王様だと誰が思うだろうか。


「♪」


 そして今現在、私の目の前で楽しそうに鼻唄を歌いながら()()をしている少女を誰がまさかあの二つ名を持つ《魔王軍一のサイコパス》かと、《人類歴代最高額の賞金首》だと思うのだろうか。


『アアァァァ』


 まぁ、それは私にも言えた事か。

 一体誰がこんな普通の女の子がアンデッド、しかもお伽噺話の存在だと思われていた伝説のリッチだと信じるだろうか。私なら信じない。


『アアァァァ』


「何か分かりましたか?」

「ん」


 ()()と称した私の《クリエイトアンデッド》のスキル検証。


 あの後、どうしても私の体の神秘が気になるとしたソラに、このままでは本当にホルマリン漬けにされかねないと思った私は、ソラの興味を別の方向にずらす事に成功した。


 それは3つある私の固有スキルのその1つ、《クリエイトアンデッド》スキル。


 過去の大昔の文献にしか残ってない、伝説と呼ばれていた無限にアンデッドを呼び出すこのスキルは、ソラの興味を引くのに十分過ぎるスキルだったようだ。

 他の2つの固有スキルに関しても物凄い興味を引いていたが、今は《クリエイトアンデッド》のスキルの実験に夢中になっている。


 まぁ、これは私も渡りに船の事だった。


 どうやらソラはこの国における科学者、研究者的な立ち位置にいるようで、ここ100年くらいは実験に夢中で魔王城の研究室にこもっていたそうだ。

 どうりで他の魔族達から死亡説が流れるわけである。

 それだけこもっていれば人間なら寿命をとうに全うしている。

 思わず『ソラって何歳なんですか?』と聞いた私は聞かなければよかったと後悔した。

 初めて出会った時は13~15歳くらいかなとは思ったが、まさかの『覚えてない』『170くらい?』である。過去の自分の年齢を足しても遥かに年上だったのだ。そんな馬鹿な。


『アアァァァ』


 ()()と称したスキルの検証が続く。


 私が《クリエイトアンデッド》で作り上げたゾンビをソラが()()()()()()いく。


「ん、今度は大丈夫」


 ソラが頷き、私は再び《クリエイトアンデッド》のスキルを発動させた。


『アアァァァ』


「やった、成功ですね!」

「ん、いい匂い」


 作り出したと同時に香るフローラル系の匂い。僅か数体目にしてまさかの実験成功だ。


 一体私達2人が何をやってかと言うと、それは《クリエイトアンデッド》で作り上げたゾンビの死臭の改善である。


 ソラと一緒にダンジョンに帰った際、ソラが開口一番に放ったのが『臭い』である。

 狼の獣人であり鼻が効く種族のソラに心配して『ダンジョンに入るのは大丈夫ですか?』と聞いたのだが、研究と実験ばかりしているせいか、臭い匂いには慣れているので一応は我慢できるらしい。他の獣人なら気絶するレベルだと言われたが。


 ぶっちゃけ、ソラに言われるまで私は全く気が付いてなかった。どうもこのダンジョンは死臭が凄いらしい。

 そう言えばゾンビパニックの際に、ゾンビの群れの中を掻き分けて入ったのに全くゾンビが臭いと感じなかった私はその時点からおかしかったのだろう。

 自分で作り出したゾンビの臭いにも全く気が付かなかったよ。

 てか、ゾンビ事態にあまり険悪感を抱かないのはアンデッド種である影響からなのかもしれない。


 それから始まったのがゾンビ改造計画。

 ソラに今まで検証し判明した《クリエイトアンデッド》の大まかな能力を説明し、死体を媒介に《エルダーゾンビ》が作れるのなら死体以外を使って他の新種のゾンビが作れるのではないのかとの事だ。


 盲点だった、そんな簡単な事に気が付かなかったとは、やはり第3者からの助言は貴重だ。


 そうして作り上げたのがフローラル系の香りがするゾンビ。色々な花を混ぜ合わせ作り上げた新種のゾンビである。……僅か数体、中途半端な香りのゾンビが生まれてしまったが、それはソラが◯◯◯◯して根元の原因を見つけ出し、原因究明のカギとなった少なくない犠牲である。詳しくは吐きそうなので言いたくない。研究者って本当に凄いナーとオモイマシタ。


「よし、このゾンビの新しい個体種名は『フローラルゾンビ』に決定です」


 そう言うとソラとフローラルゾンビがパチパチと拍手をしてくれた。ありがとー、これで《クリエイトアンデッド》の欠点が1つ解消しました。

 残るは全裸という最大の欠点なのだが、それはソラに見せた《錬金》のスキルでどうにかなりそうと助言をもらった。本当にありがとー。


 話は元に戻り、本来の目的であったチラシのスキルを展開させ、候補に入れてあった野菜を購入していく。

 種類はトマト、ピーマン、ナス、唐辛子、ネギ、カボチャ、トウモロコシ、サツマイモ、種が直接取れそうなのを中心数個ずつだ。

 サツマイモに関しては好物なのでお試しで直植えして是非とも増やしたい為、例外。だってこれだけは譲れないのだ。サツマイモ食べたい。ネギは直植え。


 フローラルゾンビに手伝ってもらい、購入した野菜を横に1列に並べていく、並べていくのだが……


「ん!」


 何故かソラが並べた野菜を手に頬擦りをしている。

 喜んでいる様子をみるに、どうも野菜が大好きそうな感じだ。若干好き過ぎる感じもするが、子供が野菜好きなのは良い事だ。あ、私よりも遥かに年上だった。


 放って置くと生で野菜を丸齧りしそうなソラを正気に戻し、これから野菜を土に埋めて栽培していくと説明する。

 食べられないと聞いてショックを受けていたソラだが、栽培して育てていけば沢山食べれますよ教えてあげると『ん!!』と喜んでくれて手伝ってもくれるそうだ。

 本当に野菜が大好きらしい。

 失敗して全滅したらどうしょう……。


「取り敢えず先ずは──《錬金》!!」


 何故かダンジョンルームと認識しているダンジョンの中心地で地面をコネコネしていく。

 地中深くにある岩さえもコネコネしていき、4.7ヘクタール分の畑を完成させた。


 ……うん、やり過ぎた。

 東京ドーム1個分である。

 魔力はほぼすっからかん、レベル1の時とは魔力総量が桁外れだ。

 トンでもなく魔力が上がってる。それ以外のステータスの数値が横ばいなのはきっと気のせいだと思いたい。おのれ、閻魔大王様、一体何を考えてこの体を造ったんだ! これじゃあ魔力特化のただのお化けじゃないか! せめて筋力はもう少し平均値並みになるよう再設定を要求します!


「それじゃあ野菜を植えていきましょうか。文字通りに」


 先ずは好物のサツマイモを手に、穴を開けた地面にそのまま直に植えていく。土を被せてはい終わり。


「……本当に大丈夫かな、これ」


 適当過ぎる感が物凄いのだが。

 農家の人に起こられそうだ。あ、てか実家の両親に怒られそうだ。

 子供の頃に手伝っていた事を忘れたのかと。正直、畑の草むしりと水巻きばかりしていた記憶しかないので覚えていない。


 サツマイモが植え終わり、お次はピーマンを植えようとピーマンをちぎり種を出していく。

 そしてそのまま畑に撒こうかとしたその瞬間、横から腕をガシッと掴まれた。


『アアァァァ』


 ゾンビである。

 しかもエルダーゾンビ。


『アアァァァ!!』


 何か私に言いたい事があるのか、せっかく植えたサツマイモを掘り出しかなり怒っているようである。

 ソラもせっかく植えたサツマイモを掘り出され『んん!!』と怒ってはいたのだが、エルダーゾンビの余りの迫力の怒り具合に『ん、んん……』と黙ってしまった。


 流石は過去に魔王と相討ちしたことがあると言われるゾンビ種だ。

 《魔王軍一のサイコパス》と恐れられるソラさんがタジタジだ。

 ぶっちゃけ私も恐いよ。


「……あれ、もしかして貴方はあの時のエルダーゾンビ?」


 よくよく見てみればこのエルダーゾンビ、確かダンジョンコア討伐の帰りに見掛けた土を掘り返していたゾンビじゃない?

 そう思って聞いてみるとコクりと頷かれた。


「畑、詳しいの?」


 コクりと頷くゾンビ。


「マジですか。じゃあ一緒にお願いしてもいいですか?」


『アアァァァ!!』


 任せろとばかりに唸るエルダーゾンビ。

 どうやら適当に野菜を植えていく私達に我慢がならなかったようで、意を決して横槍を入れてきたようだ。


『アアァァァ』


 何を正解に言ってるのか分からないが、どうやら自分が怒った事に謝っているらしく頭を下げてきた。


「いえ、此方こそすみませんでした。ですから頭を上げてください、一緒に頑張りましょう!」


 手を取り微笑むと、エルダーゾンビはビクッと驚いたように私を見詰めていた。


「ん」


 どうやらソラも一緒にと無表情ながらもやる気満々だ。


 私達4人、私とソラとエルダーゾンビとフローラルゾンビ一同はせっせと先ずは野菜の種から全て取り出す事から始めたのだった。





「あ、エルダーゾンビさんは個体が沢山いすぎて呼びにくいので、此れからは『田中君』って呼びますね」


『アアァァァ!?!?』


 何かトンでもなく凄く驚かれた。


読んでくれてありがとうございます。

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すみません、もしかしたら明日はお休みするかもしれないです。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 初ネームドモンスターは田中君・・・ [一言] >それはソラが◯◯◯◯して 「かいぼ〇」までしか分からなかった(正解とは言っていない)
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