119 崩壊した町
短くてすみません……
もしかしたら後で前の話にくっつけます。
──翌日
「なん……だと……」
目を覚ました私は目の前に光景に絶句する。
『『『『アアァァァ……』』』』
そして申し訳ないとばかりに頭を下げるエルダーゾンビさん達。
「たった一晩で何があった……」
私の見詰める視線の先には、先日に造り上げた町……いや、廃墟と化した町が広がっている。
どこのらくーんしてぃですか?
核戦争でも起きましたか?
『『『『アアァァァ』』』』
「ばか野郎」
本当にばか野郎だ。
どうもエルダーゾンビさん達の話を聞くに、昨夜私が気を失った後に宴を開いたらしい。
そして宴と称した宴会が徐々にヒートアップし、余興としてソラに何かやれと頼んだところ、ソラは実験途中だという『ある芸』を披露した。
「おい、ソラはどこにいますか」
この大惨事を引き起こした張本人を探す。
私の自信作とも言える町をめちゃくちゃにしたのだ。きっちりとその理由を説明してほしい。
「ん?」
大声でソラを探していると、『呼んだ?』と地下鉄の入り口から顔を出してきた。
私は問い詰めようとソラに昨夜の事を聞いてみると、
「ん、暴走した」
との事らしい。
昨夜、宴の余興としてある芸を披露したソラ。
それは『りっか汁』を使ったある実験で、私の固有スキルである《クリエイトアンデッド》を再現出来ないかという試み。
初めはソラの手持ちの素材を使って試してみたが、どれも中途半端な失敗に終わったらしい。
詳しく話すその内容に、私は聞かなきゃよかったと後悔した。だが、昨夜は実験の手伝いに付き合わされなくて良かったとも安堵した。
そしてこれからが本番であり、ソラの手持ちの素材が尽き、これで余興も終わりかとしていたところにエルダーゾンビさん達がある提案する。
――素材ならこれでもイケんじゃね?
そう言って提案されたのは、宴会のおつまみとして食されていたクラーケンの足。
元は高レベルのモンスターであり、海という限定的な場所なら災害レベルに認定されているモンスター。
足という部分的な一部しかないけれど、面白そうだしやってみるかとやってみたところ――
「成功したと……」
「ん!!」
嬉しそうに頷くソラ。
まさかまさかの展開に、良い実験データが取れたと満足そうだ。
「で、暴走したと……」
クラーケンの足の一部とはいえ、アンデッド化には成功した。だが、アンデッド化したクラーケンは直ぐに暴走をし始め、手当たり次第に襲いかかっては町を破壊していったそうな。
エルダーゾンビさん達も直ぐに暴走を止めに入ったが、クラーケンの足という部分的な箇所にも関わらず、アンデッド化で強化されたクラーケンの足にずいぶんと手こずったとか。
そうして出来上がったのが今の残状であり、廃墟とした町並み。
これにはエルダーゾンビさん達の自業自得過ぎて、私も町を直そうという気が全く起きない。
いやむしろ、今の廃墟とした町並みこそエルダーゾンビさん達にピッタリなのではないのか。
私はこっちの方が気にいった。雰囲気的にいいと思う。だからいくら何と言われようとも直さない。あんなに手間を掛けて造ったのに、たったの一晩で廃墟にされたとか馬鹿野郎ふざけんなとか怒ってるわけではないし、けっしてまた魔力切れで倒れるとか勘弁だクソ野郎とか思ってないのだ。
私は笑顔で『良かったですね』と額に井形を浮かべ、謝りすがり付くエルダーゾンビさん達を無視しながら自宅のベッドへと寝直すことにしたのだった。




