117 リッチィさん、地下室を造る
総合評価が5000を突破しました!
本当に本当にありがとうございます!
エルダーゾンビの女の子改め、藤岡さんに購入した文房具を全て渡して別れた。
これでエルダーゾンビさん達の名付けが済んだのは四人。田中君に山田、藤岡さんにお母さんだ。この内、お母さん以外が日本人。本当にどうなってんだか……頭が痛い。
お前らなんでこんなところで眠ってたのかと聞いても、『アアァァァ?』としらばっくれるし……一体何者ナンデショウネー。知りたくないので聞かないけど、お前らが強い理由は何となく分かったよ。
そして、私は相変わらず魔力切れで動けないので地面に横たわっていると、
『ああぁぁぁ』
一本角のエルダーゾンビである、お母さんが迎えに来てくれたようだ。
『ああぁぁぁ』
私をだっこで持ち上げると、『頑張ったね』と『区画整理お疲れさま』と頭を撫でてくれる。
どうやらこのままお家のベッドまで運んでくれるそうだ。凄い助かります。
それにしても、この一本角の少女は一体何者なんだろうか。
魔族なのは分かるが、日本人ではなさそうだ。
それなのにエルダーゾンビさん達の中では、三本の指に入るくらいの強さを持っている。
モンスター襲撃の防衛戦でも、あの炎竜相手に正面から『お仕置きだよ』と往復ビンタをかました実力者だ。
それとあと、何気にちょいわるおやじこと、山田がエルダーゾンビさん達の中で一番強いのが驚いたんだけどね。炎竜の顎を一撃で蹴り砕いていたし、山田だけ頭一つ抜けている感じだ。
「まぁ、別にいいか……」
深く考えてもどうしようもないので、私はお母さんに運ばれながら目を閉じた。
「ソラの研究室、は?」
お家のベッドに付くと、ソラが不機嫌そうに待っていた。
そう言えば一昨日、研究室を地下室に造ると約束してたんだった。
「明日じゃ駄目ですか?」
「ダメ、今やる」
今はめちゃくちゃ疲れてるので、明日の朝早くにやると言ったのだが聞いてくれない。
「ごめんなさい、魔力切れなんです」
「なん、で?」
そう言えばソラは知らなかったなと、野菜畑の区画整理の話をすると、
「聞いて、ない」
「え?」
「ソラも一緒、やりたかった」
「……あ」
完全に失念してた。
ソラも一緒に野菜畑を造ってたのだから、区画整理の話には当然参加したかったはず……
「……ごめんね?」
「ん!!」
謝ったけれど、やっぱり少し怒ってるようだ。
ベッドに座る私をジト目で睨んで迫ってくる。
「全部引っこ抜いてやり直そうか?」
「んん!!」
駄目らしい。
ジリジリと迫るソラの迫力に、ベッドの端まで追い詰められた。
「ごめんねごめんね?」
「ん!!」
うん、本当に謝るから許して。
ソラの手が地味に私の肩を押し掴んで痛い。ミシミシって鳴ってるよ。
「わ、分かりました。じゃあソラの好きな場所に研究室を造ってもいいですよ。勿論、私が全力で造ります」
「ん? 本当、に」
「はい、好きな研究室を造ってあげます」
「……やっ、た」
眼前に迫るソラが離れていく。
よかった、許してくれるみたいだ。
「ここに、造る」
「……は?」
ソラが突然、変なことを言い出した。
「あの、ここは私の寝室なんですが……」
「ここ、造る」
「この部屋は研究室には狭いと思いますよ?」
「地下室、大丈夫」
なにが大丈夫なんだろうか。
ソラの部屋はちゃんと前から造ってあるので、そこの地下に造ればいいと思うんだけど……
「あぁ、私は邪魔だからこの部屋から移ればいいんですね」
「ダメ。ここに、いる」
え、駄目なの?
どうしてもここに絶対いないと駄目?
「魔力」
「魔力?」
「ん、特殊な魔力、必要」
ソラの話を聞くと、なんでも私の魔力は特殊らしく、この部屋で寝る私の寝室は、一種の魔力溜まりになってるそうな。
よくは分からないが、その魔力溜まりを使って色々と実験したいらしく、魔力溜まりの元の私にはここから動かないでほしいとか。
うん、これって私の寝室の真下に超危険な時限爆弾が設置されてるようなものだよね。
そんな話をされたら逆に怖くて寝れないんだけど、場所を変えてくれないだろか。
「好きな場所、言った」
「いや、言いましたけど……」
「好きなの造る、言った」
「えぇぇ……」
話し合いの結果、私が折れた。
明日の朝一で、私の寝室の地下に研究室を造ることになったのだった。
よし、うーんと深い地下室を掘ろう。私の安心安全の為にも絶対に。
◇◇◇
「つ、疲れた……」
またもや魔力がスッからかんだ。
もう動けないし働きたくない。
ソラとの約束通り、夜明け前から私の寝室の真下に地下室を造り始め、夕方前にソラの研究室が完成した。
「ん!」
ソラも満足がいく出来栄えだったんだろう。
嬉しそうに頷いている。
今回造りあげた地下室の研究室は、あるバイオな研究室や某国の核シェルターなどを参考にして造りあげた自信作だ。
地下に縦に伸びる建物の構造で、寝室や広場、食堂なども完備し、所々の階層で厳重な分厚い鍵扉を設置、特殊な鍵でしか開閉出来ないようにしてある。
ちなみに特殊な鍵は、貴重なミスリルとオリハルコンを一部削って混合し造りあげた特級品。
ソラも私がミスリルとオリハルコンを自在にコネて混ぜ合わせてるときは大興奮しており、ミスリルの特性でもあると教えくれた魔力付与をいかし、本人の魔力登録を出来るように一緒に協力してくれた。
そして出来上がったのが、私とソラ専用の二本の鍵。ミスリルとオリハルコンの混合魔力認識キーだ。鍵穴無し、パスワード不要、私かソラの魔力認識のみで自在に自動で開閉してくれる現代版キーだ。
ソラ曰く、鍵の出来栄えはアーティファクトクラスの国宝級だとか。
うん、やり過ぎたな。
まぁぶっちゃけ、なにがあっても地下から地上に漏れでないように完璧に遮断できるように造ったつもりだし、深度は驚きの100メートルの自爆機能付き。非常時の最期には地下深くの土の中だ。私は凄く頑張ったよ。
そして、この構造の意味を理解したのか、ソラが随分と嬉しそうにしてるけど……え? これなら魔王城でも禁止されていた実験が出来る? ありがとう好き? これで何でも出来る? あの、そういう理由で造ったわけじゃないから。お願いだからハメを外さないでね。
そうして私は一抹の不安を抱えながら、はしゃぐソラを置いて目を閉じたのだった。
読んでくれてありがとうございます!
目標の総合評価5000を突破したので感無量です。
それと新しい仕事が見つかったので、ちょっと次回からの更新が遅くなるかもしれません。
また時間が取れたら書き留めて更新するか、それともちょくちょく更新するかのどっちかになると思います。




