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電動ドリル!

 ラーメン屋でお昼を食べた後、ラララに神子はどこだと尋ねたら、村の女性達と畑で仕事してると言われたので見に行くことにした。

 まあ、仕事してると言っても、幼児の体だしお手伝い程度だろう。


 と、その前にガガガ工房にバイクを置きに寄る。工房と言ってもガガガの家なんだけれど。


 最近村でも一戸建てが増えてきた。ガガガの家は中でも一番デカい。しかも縦穴式住居ではない。

 とはいっても、家のかなりの部分が工房というか道具置場所に占められている。

 デカいジャンクバイクは外に野ざらし。


「なあ、ユキオ。この余ってる後輪で何か作れないかな?」

「うーん」


 コユキは既に五台のバイクを廃車にしているが、殆どが前側の損傷。だいたい後輪が生き残ってる。しかも、今も一台壊れたまま乗り回している。

 ガガガが言いたいのは、残った後輪を使って荷車みたいなのを作りたいと言うことだろう。


 しかし。


「荷車なら作らなくても完成品だせるぞ?」

「ああ、そうじゃなくて、このバイクの余った部品が勿体なくてな。何かに使えないかと思ってさ」

「うーん」


 日本でなら、このタイヤを活かすように鉄工所とかであれこれ作って貰うのも出来る。しかし、ここは異世界だ。いくらガガガが工具の扱いが上手くなったといえ、鉄鋼工具が使えるだろうか?

 グラインダー?溶接機?

 俺も使ったこと無いぞ。

 待て、電動工具増やすなら遂に村の電気供給を始めることになる?

 電源は?

 太陽光と風力は設置工事が出来ない。そんな土地が大量にあるなら畑にする。コユキのチャレンジ場も隙間になんかの作物植えてあるし。そもそも土木工事は無理すぎる。

 やはりガソリン発電機か。

 紐引っ張ってエンジンかかるやつ。


 いいのか?

 異世界にそんなもん持ち込んで。



「ガガガよ、怪我には気を付けてくれ」


 そういって左手からエンジン小型発電機(新品)を出す。更に電動ドリルとキリの詰め合わせ。そして建築用の長ボルトとナット。


「ユキオ、これは?」

「ガガガ、これで穴が開けられる」

「穴?」


 俺は見本を見せるべく、発電機にガソリンを詰めエンジンをかける。(オイルは入ってた)

「おおう、かかった」

 ガガガは声を上げるがそれほど驚いてはいない。チェーンソーやバイクに比べれば静かなものであるし。


 さて、ここからだ。

 ガガガには初経験の百ボルト電源。

 電動ドリルのコンセントを発電機に繋げる。

 そして、ガガガから見えるように人差し指でスイッチオン!

 ミイイイィーと回るドリル。


「おおー!」

 ガガガが感動する。

 動くことに感動したのではない。これを使うとモノ作りの可能性が広がることに感動したのだ。

 ドリルにキリを取り付けて木の残骸に穴を開けてみる。


「おおおおおお!綺麗な穴だ!」


 細い穴がすっとあく。

 まっすぐな穴。

 しかも早い。


 何度も面白がって穴を開けるガガガ。大小色々なキリを取り付けてみる。


 ボキッ。


「あ、折れた」

「ち、注意しような」


 細いキリは折れやすい。


「うわわわわ!」


 ガガガ、今度はドリルに振り回されてる!

 あっぶねえ!


「ち、注意しような」

「すまん」



 ガガガがするのは恐らくは鉄工ではなく木工だろうから、電動カンナも出す。


 チュン、チュン、チューン、チューーーン、チューーーーーーン!


「すげえ!なんて綺麗な仕上がり!」


 電動カンナの作った綺麗な平面に感動するガガガ。

 チェーンソーでは出来ない芸当。


「そうか、ユキオの出した材木はこうやって作られたのか。凄いなあ」

 まあ、これだけじゃないんだけどね。


 そして、危ない行為、電気の使い方、水で感電注意、刃物に油とか色々ガガガに教えた。(実際は説明書のうけうりだけど)

 そしてガガガは台車作るぞと意気込んでいた。




「何をしとる?」


 振り向いたら村長がいた。ラーメン屋の仕事は終わったようだ。


「ユキオに新しい道具を貰ったんだ」

「そうか。うん?これは要らんのか?」


 そういって村長が手に取ったのは地面に落ちたカンナクズ。


「ガガガ、これを集めておいてくれ」

「釜戸にでも?」

「いや、座布団を作ろうと思ってな」

「おお」


 この村では座布団の中身はは干した雑草とからしい。しかも、数が少ない。

 てなことで、暫く俺とガガガは暫くカンナかけまくってた。


 座布団2つ分くらいのカンナクズが貯まった。

 それの匂いをクンクンと嗅ぐガガガ。


「おお、良い臭い」

「どんな?おお、ほんとだ」

「ならばもっと頼む」


 木の種類がいいのか良い臭いがする。きっと良い座布団になるわ。クッションとしては駄目だが良い臭い。これはこれでアリだ。古くなったら釜戸に使えばいいし。

 村長の要望に応えるために、調子に乗ってカンナをかけ続ける俺とガガガ。神子の事はすっかり頭から抜けていた。

 どんどん角材が出来上がり、カンナクズが貯まる。

 それでも俺とガガガは止まらない。角材組ませて組み木したり、穴開けてボルトで組んで、タイヤ取り付け穴開けて、ドカドカカンカンと軽トラの荷台ほどの台車を完成させた!


「やったぞガガガ!」

「やったなユキオ!」

「よし!引っ張れ!」

「任せろ!」

「うっ重い」

「じゃあ俺が。げ、重い」


 出来上がったのは良いけれど、重すぎてとても人間の引けるようなモノではなく、野菜なんて乗せたら絶対動かない。


 重すぎ。


 結局、ガガガ号で引くことになりました。

 よく考えたら、軽トラ出せば良いんじゃね?





 結局、神子の労働風景は見損ねた。終わったら夕方だったし。

 家に戻るとコユキは既に帰っていた。ボロリエは最近はラーメン屋に寝泊まりしながら出汁とタレの仕込みしているそうだ。


「ラララは?」

「部屋」

「神子は?」

「ラララと一緒」


 そ。


「夕飯は久し振りに俺が出すよ」

「助かるわ。準備している暇が無かったし」

 といっても、コユキの料理はアレだし、そもそも期待はしていない。


「ラララ呼んでくるわ」

「あ、待っ・・・・」


 ぎいー

「おーい、あ」



 気軽に開けたドアの先。




 もう、随分大きくなったのにラララのおっぱいに吸い付いてる神子の姿が。

 もう、小学校低学年から中学年くらいなのに乳吸ってるよ・・・・

ラララも小柄だから未成年同士が禁断の遊びをしているようにしか見えない。



「失礼しました・・・・」

 ばたん。





「だから待ってって言ったのに」

「あり得ないだろ・・もう、あんなにデカいのに」



「私もそう言ったんだけどね。あ、私は元に戻してもらったから」

「もう言ったのか」


「神子は身体的には未満児だから母乳飲むのは当たり前。精神的には夫なんだからおっぱい吸うのも当たり前なんだってさ。なにより出るんだから良いじゃないかだって」




「なんか」


「なんか?」




「悔しい!」



性行為ではなく、授乳・・・・

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