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ラララ奪還!

「おーい!ガガガー!」


 俺の声に反応したガガガ。猫の死骸袋持ったガガガが向こうで手を降っている。


「ユキオー!」


「きてくれー!」


「わかったー!」


 部屋に入ってきたガガガが驚いた。

 そりゃそうだ。30人位の男がボロボロになって動けなくされてるから。どうみても悪そうな奴、強い奴等が全滅。


「いったいこれは!」


「ガガガ、この町で悪い奴は誰に渡せばいいんだ?警察?警備隊?」


「ケーサツ?ケービタイ?なんだそりゃ。そういう時は番屋だ」


「番屋?」

 まさかの番屋だよ!

 岡っ引きがいるのかな?

 聞いてみよう。


「まさか岡っ引きが居るのか?」


「なに当たり前の事を聞いてるのさ」

 まじだった。裁判はお奉行様かな?


 そして、通りすがりの人を捕まえて岡っ引きをつれてきてもらった。

 岡っ引きはまさか日本人?だが、やって来た岡っ引きはただのナーロッパ的町人の姿で、剣すら持ってない。棒と縄しか持ってない。

 その岡っ引きはギルドの中を見るなり、


「てえへんだ!」


 やっぱり岡っ引きだった。

 岡っ引きには悪人の逮捕とかの役を押し付けて、更に「この町の一番偉い人に会いたい」と伝言を押し付けた。自分一人しか居ない岡っ引きは目を白黒させているが、よたつきながら「てえへんだー!」と、走っていった。なんとかなるかな?


 そして、ラララのところに走っていきたい衝動を抑えながら、ギルド嬢とガガガに手伝ってもらって男逹に結束バンドを追加していった。ギルド嬢が言いなりになってるのにガガガは不思議がったが、後で説明するからと言っておいた。



「この裏切り者!」

 ガン!


「いっ!」


 縛ってる最中に男の一人に回し膝げりを喰らうギルド嬢。

 膝は顔面にヒットして、暫くするとどくどくと血が流れる。


 膝げりはギルド嬢の口に当たり、中を切ったらしい。

 美しい顔が!


 半泣きでギルド嬢が蹴った男を蹴り飛ばす。相当怒っている。到底、かつて仲間だったとは思えない両者。

 そして、ギルド嬢はブッと口の中の血を吐き捨てた。


 歯が転がる。


 !!


「見せてみろ!」


 咄嗟にギルド嬢に駆け寄り痛がるが口を開けさせると、前歯か一本失くなってて、更に数本変な向きに。


 俺は更に血を流すギルド嬢をカウンターの向こうに連れていき、床に座らせる。ガガガは俺が何をするか察したらしく、無言で作業を進める。


「動くなよ、ヒール!」


 対象を選択すると、ギルド嬢の顔辺りが青く光る。強いはずなのにボロボロ涙を流すギルド嬢。顔は女の命だしな。


「心配するな」


 僅か40秒で光が消える。


「もういいぞ」


「?」


 ギルド嬢は恐る恐る口を触る、歯を触る。

 元に戻ってる。失くなった歯もちゃんとある。

 ギルド嬢にとっては摩訶不思議な現象。

 だけど、嬉しい結果。


「これは・・・・」

「秘密だからな。だから裏切るなよ」

 ぎゅうとギルド嬢が俺に抱きついてくる。カウンターの向こうからは見えてない。




 ああっ!

 胸が当たってる!

 でっかーい!

 嬉しい。




 しかし、ヒールの結果をあんまり見せびらかす訳にはいかない。俺はバンダナを出してギルド嬢の口を隠させる。

 服の胸の辺りは血で汚れてるが、ほおっておこう。


 さて、早くラララを探したいけど男共の見張りはしなきゃならない。岡っ引きはまだ戻らない。


 よし。


「見張りと制圧を頼めるか」

 ギルド嬢に言う。


「おい!それはだめだ!」

 驚くガガガ。

 そりゃそうだろう。ちょっと前まで悪のギルドの幹部だった奴だ。ギルド員を逃がすかもしれない。

 見張りを頼む相手としては最悪だ。


「お任せください。ご主人様」


「頼む」


「いいのかよ・・」

「ああ」


「捕虜とか奴隷はどこだ?」

「二階です」

 あっさり答える。


「行ってくる」

「ここはお任せください」

 ちょっと小首を傾げて細い目で答えるギルド嬢。

 なにこの新婚嫁ちっくな部下。




 二階に上がると頑丈な扉とゴツい閂のある部屋が並ぶ。鍵は無いが、中の人からは開けられない構造。外からは鍵がなくても閂とれば直ぐ開く。


 ひとつ目の部屋。

 扉を開け放つと中には見た目20歳前後の女性が5人床に座っている。売られる予定だったんだろうか。

 ラララは居ない。


「助けに来たぞ!自由だ!」


 それを聞いた女性逹は顔を見合わせて動揺している。だが、やがて一人が立ち上がると次々と立ち上がりドアに向かってくる。


 ドアが開いている。

 女たちが部屋の外を見る。そこに居るのはギルド員じゃない。見たことない2人。


「まずは落ち着いてくれ。そしてついてきてくれ」


 大人数で移動して次の扉を開ける。

 中は十代の女の子が3人。


 いた!

「ラララ!」


「ユキオ様!」


 ラララが立ち上がり俺の方に駆けてくる。狭い部屋は走っても3歩で終る。がしっと俺にぶつかりしがみつくラララ。俺の胸の高さにラララの頭。優しく撫でる。


「怖かった」

「もう安心だ」

「怖かった」

「待たせてすまない」

「怖かった」

「村に帰ろう」


 何か厭らしいことをされてないか聞きたかったがやめておいた。衣服の様子から大丈夫と信じたいし、男の口からは聞きずらい。今は安心させるために背中と頭を撫でてやる。相変わらずガリガリだな。


 更に大人数になって、次の部屋を開けると、そこは道具部屋兼調理場。捕虜の食料を用意してる部屋なんだろう。

 その隣は空き部屋。


 更に隣の部屋を開ける。

 !!

 中を見て直ぐ閉めた。



「すまないが、代わりに行ってくれないか・・・・」

 解放した女性の一人に頼む。言われた女性は考え込んだが、ある結論に達して表情が固くなる。

 ガガガも中が一瞬見えたので言葉を発しない。


「待ってて下さい」


 頼まれた女性がもう一人連れて中に入っていく。入ると扉は閉められた。


 ここは()()()()()使()()()()部屋。

 中には商品にならない女性。商品にならないというのは、醜いという意味じゃない。ここに拐われて来た女性は皆美しい。彼女らは反抗的で従順にならない女性。売られた先でも言うことを聞かなそうな女性。


 そんな女性はこの部屋で使()()()()

 使っていたのは下に拘束した男逹か・・・・




 随分待ったあと、中から出てきた。

 この部屋には三人。

 今は部屋から出れるような格好をしている。

 顔に痣も多い。

 一人は全てを恨んでるような表情で、二人は意思を手放したような表情。


「同じ一階には置けないな・・・・」

 ガガガが頷く。

 拘束してあるとはいえ、奴等とは一緒に居させられない。結局、状況が収まるまでこの3人は二階に居させることにした。


 随分待って、岡っ引きがたくさん来てギルドの捜査とギルド員の逮捕が行われた。

 調書が作られ、女性は解放され、家族の元に帰る人もあれば、領主の用意した宿に泊まる者も居た。地元でない者もいるのだ。



 そして、ギルド嬢はユキオの命令を全うした。

 一人も逃すことなく、その場に毅然と立ち、ユキオの命令を守り続けた。脱走しようとした者を捕縛し、襲ってきたギルド残党を討ち取った。そしてギルド嬢も岡っ引に縛られ連れて行かれた。彼女は抵抗はしなかった。




 数日後、裁きがある。

 幹部だった彼女(ギルド嬢)も裁きを受ける。


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