第2話
「うわー。もう、見つかるとはな」
霧火はそう呟きながら、幹から飛び降りて器用に着地する。
そして、流衣も飛び降りる。
危なげなく着地した流衣を見て霧火は呆れたように言った。
「御前、一応女の子なんだからそれらしくしろよな?」
「一応って何? 一応ってさ!?」
「君等、コントしてないでいいからさ」
二人の男子の内、銀のフレームの眼鏡をかけた男子が呆れた口調で言う。
「五月蝿いよ!! 亜貴!!」
「いやいや、亜貴に逆切れすんなって」
霧火は笑いながら言う。
それが、余計に流衣を怒らせてもいた。
そして、もう一人の茶髪の男子が既に暗くなっている辺りを見回しながら言う。
「おい、そろそろ戻らねーと、風紀に見つかる」
「其処に居るの、何年生!?」
「ぞ……」
五人が振り向くと、霧火達が通っている炎蘭学園の一年の風紀委員の姿が見えた。
「ほら、言わんこっちゃねぇ」
「響、見つかったんだから逃げても、呼び出しくらうだけじゃないかしら?」
「美羽−。でもよぉ」
「でも、美羽。俺等はまだしも、キリと流衣は一応、理事長が預かっている子だから呼び出しくらっちゃ色々困るんじゃない? 二人が」
霧火と流衣は頷く。
亜貴がそう言うと、美羽と呼ばれた軽いウェーブのかかった柔らかい茶髪を腰まで伸ばした女子は、
「そうね」
と呟き笑った。
「おい!! 此処から寮まで抜けれるぞ!!」
響の声に皆が反応する。
そう、炎蘭学園は寮生活を強いられる。
「じゃーね。風紀の一年生」
「いい加減、名前覚えてあげようよ。いつもいつも俺等に振り回されているのに」
「確か、伊藤柚夏ちゃんよね?」
「美羽、記憶力良いねー」
「御前が悪いだけだろ」
「霧火、ひどくない!?」
そんな会話をしながら、彼等は風紀委員の前から姿を消した。




