第284話 1540年 10歳 亡命王子は琉球王国の革命出来るかな(13 王子の一言で、首里王府軍が揺らぎ始める)
< 玉城盛炎 >
玉城盛炎は、部下達からの嘆きや泣き言に付き合っていた。
部下A「我々はこれからどうなるのですか?」
部下B「家族への連絡はどうしましょう?」
玉城盛炎の胸に、長年の疲れがどっと押し寄せた。
玉城盛炎も泣きたい気持ちであった。
玉城盛炎は農家出身の叩き上げの軍人であったが、出世欲はあった。
だが出自が農家なので、副隊長以上は行かない事が不満であった。
仕事が忙しく、妻とは疎遠となり、去年離縁となった。
玉城盛炎(俺の人生もここまでか、まるで良い事のない人生だった……)
玉城盛炎の名前が呼ばれ、部屋から出された。
両手は縄で括られている。
「こっちこい」
玉城盛炎は応接室に連れて行かれる。
兵士「王子、副隊長の玉城盛炎を連れてきました」
王子「ありがとう。まぁおすわり下さい」
玉城盛炎「部下の命を助けて下さい。寛大なご処置をお願いします」
玉城盛炎は、王子に深く頭を下げる。
王子はやさしくニコリと微笑む。
人の心を掴む笑顔だ。
玉城盛炎は、王子の笑顔に思わず息を呑んだ。
<緊迫の面談>
王子「捕虜の命を取るつもりはありません。いずれ私の兵士となる者達です。申し遅れましたが、私は琉球王国初代王尚巴志王の正統後継者です。現王家に簒奪された琉球王国を取り戻すために来ました。玉城盛炎さんは私の兵士となりませんか?」
玉城盛炎は訳がわからない。
王子が懇切丁寧に自己の正当性を説明する。
王子「私は長尾家や大倭寇李牧の力を借り、琉球王国を取り戻すつもりだ。玉城盛炎さん、私に力を貸してくれないか?」
王子はそう言って、玉城盛炎の手の拘束を外す。
玉城盛炎「王子はなぜ私をいきなり信用したのですか?」
王子「実はこの砦に貴方達が連れて来られた時からずっと観察していました。あなたの部下に対する対応。部下のあなたへの対応。多分部下に対して公平に扱い、部下の命を大切にして、現実感覚が鋭いと思いました。貴方の面談をする前に何人か貴方の部下と面談したのですが、貴方の悪口を言う人は誰もいなかった。それも決め手です。ですから私は貴方を信用出来る人物だと思ったから、是非私の兵士として、ゆくゆくは私の右腕として活躍して頂けたらなと思います」
王子はそう言って、玉城盛炎の手を握った。
王子から熱情のようなエネルギーが玉城盛炎に伝わる。
玉城盛炎は理屈で測った。
そして最後に、天命のような直感が「勝ち」を告げた。
玉城盛炎は膝をつき頭を垂れ、
玉城盛炎「このような私を信頼して頂きありがとうございます。私は王子に忠誠を誓います」
王子が頷く。
これを見ていた小島と山田が小声でやり取りをする。
小島「王子の握手は才能以外の何物でもないな」
山田「本当ですよ。あれは持って産まれた才能です。人の上に立つ人はあーいう才能がないとダメっていう生きた見本ですよね」
<揺れる捕虜達>
玉城盛炎は、捕虜となった550名の内300名を王子側に寝返りさせた。
これは脅威的な数字で、小島達も驚いた。
王子は喜んだ。
300名を大広間に集める。
淀橋が100文づつ与えた。
そして王子が一人づつ握手をしていった。
多数の兵士が感動し、王子に忠誠を誓った。
兵士たちの目が輝き始め、王子に希望を見出していく。
王子の旗の下に、人が集まり始めた。
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