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「謙信の甥に転生! 龍馬の日本を戦国から始める」  作者: 27Be


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第247話 1540年 10歳 武芸大会をするぞ


安田

「若様、また武芸大会をするのですか?」


「そうだよ。せっかく加賀と越中西部を手に入れたのだから、良い兵士と武将を見つけないとね」


安田

「しかし、越後は佐渡金山や鴻之舞金山があって、商売も好調、しかも亀山社中でお金まで貸して大金持ちじゃないですか。

 だから、越後から国外に宣伝しまくって、どーんとお金をばらまけば、人とか武将とか集まらないのですか?」


「それができれば苦労しないよ。例えば安田が越中の大名だったとして、隣の越後で兵士の募集をしました。越中の農民が『越後に行きたいです』って言ったら、越中の大名の安田は農民の移動を許可するか?」


安田

「しないですよ。許可したら自国の農民に逃げられちゃうじゃないですかーー」


「だから俺は越中や加賀を征服したの。それでやっと兵士を増やす事が出来るの」


安田

「なるほど」


「俺は既に金は押さえているからな。後は人を押さえたら天下は眼の前だぞ。

 今は本当に武将が欲しい。足りないんだ。

 馬場が武芸大会の面倒を見てくれているから見に行こう」


会場に行くと、馬場が兵士を既に予備を含め八千人ほど確保していた。


この軍は第3軍と呼ばれ、現在琉球に行っている小島が指揮する予定だ。

それまでの管理監督は宇佐美に任せる手筈になっている。


馬場

「武将候補を三人見つけました。紹介します」


<クセが強い新戦力>


一 呉狼ごろう


馬場

「この男は名前は呉狼ごろう(二十八歳)と言います。

 武芸大会で準優勝ながら、若様が新設された戦略戦術テストで準優勝となりました。

 軽騎兵でも、重装歩兵のどちらでも対応出来ます」


「それは優秀だな。名前は」


呉狼は中腰になり、右手が前、左手を膝に置き、


呉狼

「おひけぇなすって。

 手前、生国は越後、長尾の城下。名は呉狼。若様の武勇伝に惚れました。

 以後、ご昵懇に願います」


安田

「よくぞ名乗った。その心意気、しかと受け取った。今日からは同じ盃の下、末永くよしなに頼む」


「いつ盃を交わしたんだよ」


風馬

「呉狼という名前は聞いた事があります。この者は任侠の世界では数々の逸話を残して、その界隈では英雄視される男です」


しかし、これを言う風馬の顔は憎々しげだ。

風馬はヤクザに両親を殺されているので、ヤクザが嫌いなのである。

風馬は軽騎兵なので、呉狼を軽騎兵にするのも差し障りがあるだろう。


「そしたら呉狼、お前を重装歩兵団に加入させるから活躍をするように。独断での単独行動は厳禁だからな。処罰の対象となるから、そのつもりでいろ」


呉狼

「承知致しました」


二 数丸かずまる


馬場

「この男は名前は数丸かずまる(二十三歳)と言います。

 武芸大会で三位ながら、若様が新設された戦略戦術テストでダントツで優勝となりました。

 線が細いので軽騎兵が良いかと思います」


「ダントツで優勝とはスゴイな」


俺は数丸に戦略と戦術テストを口頭で行った。

平均六十点として、戦略は六十五点、戦術は九十点だ。


名前の通り数学的に計算するので、リスクテイクしすぎる傾向にある。

戦術テストで「勝つが味方損害が多い案」を平然と出すのだ。


部隊を任せると、大舞台で大勝利か大敗北のタイプだ。

しっかりと教育しないといけない。


俺は馬場の近くにいた河合を呼び、数丸を教育するよう申し付けた。


河合は数丸と話してから、俺の所に来て言った。


河合

「数丸は虎千代様とは真逆のタイプですね。虎千代様は見てると、戦場や雰囲気に対するカンの鋭さは天下一品ですが、数字に弱い。逆に数丸は全て数字にするので、カンが悪い」


「河合、二人を混ぜるのも良いが、二人の長所を消さないように配慮してやってくれ。

 八割は今までの得意な思考方法で考えさせて、二割は自分の苦手な思考方法で考える癖をつけさせてやってくれ。そうすれば戦場を様々な視点で見る事が出来る。

 要は思考の確認を、苦手な思考方法で作戦を見てみるという事だ」


河合

「なるほど。そしたら数丸は基礎訓練を終えてから、馬場隊で預かるでよろしいですか?」


「一定の水準に達したら、隊の配置は変える可能性があると伝えておけ。

 才能は固定せず、伸びる場所で使う。それが長尾の軍制だ」


三 小歳こさい


馬場

「この男は名前は小歳こさい(二十歳)と言います。

 武芸大会で呉狼ごろうを一本で破り一位ながら、戦略戦術テストでは八位です。

 本人は親衛隊を希望しております。逆にそれ以外は入りたくないそうです。どういたしましょうか?」


「小歳はなぜ親衛隊に入りたいんだ?」


小歳

「自分は子供の頃から親に剣の道を強制され、どこで剣を活かせば良いか迷っておりました。そんな時、暗殺者から若様をお守りしたという島田隊長や水斗様の話を聞き、これが剣を活かす道だと思いました。是非とも親衛隊に加入させて下さい」


「島田、水斗はどう思う?」


俺は親衛隊の島田、水斗に聞いた。

島田は厳しい顔をしつつも嬉しそうだ。水斗はやっと有望新人が来たかという顔だ。


島田

「それでは小歳と立ち会って腕を見ましょうか?」


「そうだな、準備してくれ」


<親衛隊の壁>


演武場に行き、準備する。

使用するのは竹刀だ。武芸大会でも使用しているので、小歳もわかっているだろう。


島田は泰然自若だ。

一方、小歳は何と二刀流である。大刀と小刀の竹刀だ。


俺は馬場に聞く。


「武芸大会もずっと二刀流で勝ってきたのか?」


馬場

「はい。小歳は自己流のようですが、理にかなっており強いです。私も学ぶべき点があります。ただ島田殿に敵うのは難しいように思います」


「同感だ」


島田の剣は合理主義に基づいて、相手の意表をつき、瞬速を持って息の根を止める剣だ。


一般の剣士は、正を以て合し、正を以て勝つ。

これが正道とされる。


しかし島田の剣は、正を以て合し、奇を以て勝つのだ。

故に、島田の剣は一般の剣士からすれば邪道と呼ばれるだろう。


しかし、俺は島田の剣に孫子の兵法の真髄を見るようで、たまらなく好きだ。

だから俺は、時期が来れば越後では島田の剣を公式に広めるつもりでいる。


島田は大刀へ踏み込むと見せ、床を蹴る音が二度鳴った。

小歳が気づいた時には、小刀側の小手が宙を舞っていた。


大人と子供位に腕の差はあるように見える。


島田

「小歳、親衛隊に入りたいのなら二刀流は捨てろ。良いな」


小歳は血みどろの努力で積み重ねて来た二刀流を捨てなければいけない。

しかし親衛隊には入りたいという苦渋の決断をした。


小歳

「・・・・・・・承知致しました」


小歳が入隊して二ヶ月が経過した頃、島田に声をかけられた。


島田

「飲みに行くぞ、小歳。付き合え」


普段、人を滅多に誘わない島田が新人を誘った事実に、周りの隊士は驚く。


「島田隊長は酒を奢らせる気だな」と誰かが笑った。


飲み屋にて。


島田は小歳に徳利を傾ける。


島田

「飲め」


小歳

「頂きます」


島田

「小歳、俺はな、塚原卜伝殿に弟子入りして一生懸命己の剣を磨いておった。師匠ほどではなかったが、当時の俺は二番手か三番手に入れる程度に強かった。それで俺は若かった事もあり、自分の理があると先輩だろうと師匠だろうと曲げなかった。

 師匠の命に逆らい、自分の剣の道を立てる事に夢中になった。

 それで破門になった。

 その当時はそれで良いと思った。

 しかし今は後悔している。その時はたいしたことないと思っていても、自分の技の技量が上がるとわかるものがある。

 もう少し師匠から学んでおけば、儂の剣の道はもっと太く良いものになっておったと思う。

 小歳よ、今は儂から素直に学べるだけ学べ。後からわかるものが沢山あるだろう。

 それから自分の工夫を入れて、自分の流派を立てれば良い。

 まずは一刀流を極めろ。

 二刀流だと若様は暗殺者にやられておる。

 まずは、居合いの速さを極めろ」


小歳は無言で、尊敬する師匠の杯を満たした。

その手は、もう迷っていなかった。

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