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「謙信の甥に転生! 龍馬の日本を戦国から始める」  作者: 27Be


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第204話 1539年 9歳 直江津に帰ってきたぞ(戦国なのに『戦以外で国を作る』と言われた日)



蘆名盛氏を連れて、祖父長尾為景のいる春日山城に挨拶へ行く。


俺は遠征が無い時は、週に三、四回は確実に祖父と意見交換をしている。


蘆名盛氏は宿老がいないので緊張気味だ。

宿老は付いて来たがったが、過去の話しか出ないだろうからご遠慮願った。


俺が祖父を交えて話をしたいのは、

蘆名家のこれからの話だ。


長尾為景は奥の部屋で重臣達と打ち合わせをしている。


<緊迫の対面>


「お祖父様、ご無沙汰しております」


長尾為景

「おう、龍義か。蘆名家戦ご苦労じゃったな。うん そちらは?」


蘆名盛氏は思わず背を正した。


宿老のいない場で、当主として問われる――

その重みを、嫌というほど感じていた。


「蘆名盛氏殿です。ご挨拶にと思いまして」


蘆名盛氏

「ご尊名はお祖父様から聞いております。この度はお手数をおかけしました」


長尾為景

「何の、儂らの方こそ蘆名盛高あしな もりたか殿には世話になりながらも、

戦国の世の事とはいえ申し訳ない。


これからは何かあれば儂に相談いたせ。

悪いようにはせぬ。


しばらくは越後でゆるりと致して、今後を考えれば良い」


俺は祖父に蘆名戦の前後関係と、伊達家の事について話をした。


中でも領土や城を譲る代わりに、人や銅山をもらう措置については――


長尾為景

「戦国大名らしからぬ判断じゃな」


戦国大名とは見栄で生きている。

他から舐められるような真似は絶対にしない。


例えば一度このように譲れば、

また譲ってくれるだろうという評判が広がる。


評判を聞いた相手が舐めた態度を取ってくる。


さすればまた戦となる。

無駄な戦いで家臣の損耗を招く――ということだ。


長尾為景

「龍義は経済で相手を縛る事が出来る。

それが戦国大名らしからぬ行動につながるのだろう」


そうなのだ。


俺が譲る相手は、

経済同盟をしている国だけなのだ。


伊達家に多少領土や城を譲っても、

経済的結びつきで長い目で見れば回収可能なのである。


蘆名盛氏は、俺と祖父の話を聞き感心している様子だ。


俺が直接商売をして金を稼ぎ、

それで軍隊を回しているという構図が、

刺激的に聞こえるのだろう。


<新たな火種>


帰り道。


蘆名盛氏

「龍義殿、儂はどうやれば蘆名家を再興する事が出来ようか?

やはり戦か?」


「残念だけど長尾家では戦で蘆名家を再興することは困難だ。


もし蘆名家を再興したいと願うなら、

蝦夷地でなら可能だ。


蝦夷地であれば旧領地以上の広さを手にすることが出来るぞ」


蘆名盛氏

「本当ですか?」


「約束しよう。


但し成功の鍵はアイヌとうまくやることだ。

多分近いうちに行くことになると思う」


守役安田が走って近づいてくる。


安田

「若様~~、また南部氏から書簡が来ました。今読まれますか」


読まなくてもわかる。


また呼び出しだろう。

また豪族か家臣に背かれたのだろう?


一応書簡を確認する。


「今度は家臣が南部氏に背き、本三戸城を放火されたそうだ」


安田

「あの家は本当に毎年事件を起こしますね」


蘆名盛氏

「そんな家は放っておけば良いではありませんか?」


「そうではない。


蝦夷地は元々南部氏が所有を主張してもおかしくない土地だ。


加えて蝦夷地経営には、

南部氏の協力が絶対必要だ。


だから南部氏の危機には駆けつけるのだ。


という事で――

一ヶ月以内に蝦夷地に行くけどどうする?」


蘆名盛氏

「是非とも連れてって頂けるようお願いします」


「かなり大変だと思うけど、

長尾家は蘆名家再興を手伝おう」


蘆名盛氏

「ありがとうございます。


蘆名家初代も艱難を乗り越え家を開きました。

私もそれに習いたいと思います」


蘆名盛氏は拳を握り、決意を固める。


安田

「蝦夷地のアイヌには鉄鍋を持って行くと喜ばれますよ。

お返しに鮭をいっぱいくれます」


そうだろうな。

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