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38 その頃の男性陣

「おい、これ、凄いな」


魔力を体の中に押し込み循環させながらカイゼリムが言った。


「うん、画期的だね」(エリオン)


「メリアージュ嬢は簡単にやっていたけど難しいね。どこかから漏れてしまう」(キース)


「循環している内に、魔力の質が濃密になって研ぎ澄まされていくね。この短時間でこれ程効果が感じられるとは‥‥」(王子)



「さて、この魔力制御はどう扱うべきか」


難しい顔したウィロスが呟く。


「メリアージュ嬢は、これやってないの?という顔をしていたね」(キース)


「でも、このやり方は知られてないぞ」(カイゼリム)


「メリアージュ嬢にとっては極々普通のことなんだろう。四年生になってまだ一週間だ。グループとして本格的に動くのは今日が初めて。メリアージュ嬢との接点は非常に少なかった。魔力の変化に気付ける程に接していない」(ウィロス)


「夜会や学園の行事でちょっと打ち合わせした程度だね。それもすぐ居なくなってたね」(エリオン)


「ニコはどうだった?一週間に一度はランチで会ってただろう?」 (カイゼリム)


「メリアージュ嬢はいつも淡々としていたよ。最小限の関わりにしようとしているようだったね‥‥。

儚げだろう?魔力が極端に少ない性質だと思っていたよ」(王子)


「まあ、自分より極端に少ない魔力は感知しづらいからな」(カイゼリム)


「マリーローズ嬢から何か聞いてないの?」(エリオン)


「聞いてない‥‥。

そう言えば、授業で彼女を見た記憶がないな。初めのテストで合格すれば、授業に出なくても良い。まあそれは私たち全員がそうなんだが、人材発掘をするためにも顔を出し、今後を見据えて同年代との交流を持つようにするだろう?彼女はどうしていたか知っているか?」(ウィロス)


「侯爵家の始めた商会の手伝いで殆ど授業に出てないはずだよ。ランチの時以外は登園してなかったかもしれないね」(王子)


「学園に通わせる余裕がない程逼迫していたのか?」(カイゼリム)


「いや、商会を始めて益々潤ったが、元々困窮してない。していたら、王子妃候補を辞退していただろうね」(王子)


「‥‥あれは強いだろう?」(ウィロス)


「魔力解放した時、目の前で見ていたけど身構えてしまったよ」(王子)


「本人は全く気負いなかったけどね。魔物じゃないってプリプリして。意外と表情が豊かで分かりやすいよね」(キース)


「はは、そうだったね。そう言えば、妃候補達も全く動じてなかったね。彼女の魔力に慣れていたからか。

プリシラ嬢は圧倒されていたが‥‥」(王子)



「プリシラ嬢と言えば、あの変装は凄くないか?全くの別人としか思えん」(カイゼリム)


「宰相案件のやつね」(エリオン)


「流石宰相と言うべきか、予想外の人物を使って、意外な形の課題をぶつけてきた。神罰×印事件の真相とその改変と経緯か。調べる範囲が広いな」(ウィロス)


「そもそも今の王家が始まった理由だからね。王族が調べるに相応しい課題かもね」(エリオン)



皆、会話しつつも魔力制御に励んでいた。


焦ったメリアージュ達が来るまであと少し。


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