石敢當
「ふゎー、よう寝たー」
龍二は大きくあくびをした。
「昨日は楽しかったなー。上地くん元気やったし、それにしても東京ってすごいとこやったなー」
龍二は昨日のことを思いだしながら、これからのニライカナイへの冒険のことで頭がいっぱいになっていた。
とりあえず、あきらの家に向かった。なんとなく小走りになり、顔はにやけている。
あきらの家につくと、これからのの冒険のことをつげた。もちろん前回と同様で、夢の世界への冒険ということにした。
「龍ちゃん、前もおなじこといったさー。またゆくしー(嘘)いってるだろう?」
もちろんあきらは、前回の冒険事態覚えていなかった。
「あきらくん、今度も騙された思っておいでや」
龍二は、あきらに今夜がじゅまるの木の下で会う約束して帰っていった。
途中、龍二はカイトに会いにいった。打ち合わせをしたかった。ちょうどその時、カイトが帰ってきた。
「カイトー、めっちゃ早いやん」
「そうやねん、長老のとこいっててん」
「長老のとこって?」
「僕もなー、わからないこといっぱいあるからさー、長老に相談にいっとってん。ほんでなー、いっぱいアドバイスもらってん来てんで!それにこれもらってきたんや!」
「なにそれ?」
「石厳當いうねんけどなー、首にぶらさげるようになってんねん」
石厳當とは、唐(中国)の国からきた魔よけで、T字路や三叉路のつきあたりに立っていて、人間をマジムン(魔物)から守るために、唐の国から招かれたのである。
マジムンは角を曲がるのが下手で、T字路の正面に家があると、まっすぐ入って来てしまう。そのために家に入って来られないように、つきあたりに立っているのだ。石厳當は動くことができない、ひたすら道に立ったままなのだ。
その石厳當と長老は心が通うという。長老はカイトの話を聞いて、石厳當に頼みにいった。そこで持ち運びできるような、小さな石厳當をふたつもらってきていた。
「これ持っていかんとなー、龍ちゃんとあきらはあぶないことになるねんて!」
「へー、そうなんやー。でもなー、あきらくんは大丈夫なんちゃーうん?」
「・・・・・。まー、大丈夫や思うねんけど、万が一ってことがあるからな」
カイトは適当にごまかした。
「そうなんや、でもなんでふたつなん?カイトはいらんの?」
「ぼくはいらんねん。ぼくたちきじむなーはな、争いごとせーへんねん。マジムンは人間が嫌いやねんな!人間のせいで、マジムンになったようようなもんやからな!人間をみるとすぐ悪さしてくるねん。だから人間はな、魔よけが必要やねんで!」
「わかった。ひとつは、あきらくんにあげたらいいねんな」
「龍ちゃん、あきらくんに、石厳當大事に持っとくようにな。落としたら、大変なことになるからな」
「うん、わかった。ほんなら今晩」




