第66部 トチェフのハローワーク
1243年7月27日 トチェフ村
*)トチェフのハローワーク
オレグの倉庫でハローワークの事務所が出来た。グラマリナもやや膨らんだお腹を見せながらも、状況判断の為に出てきている。傍らにはソフィアが居る。
「グラマリナさま、いくら暑いからと薄着をされましたら、お腹が大きく見えますので、おやめ下さい。」
「あら、私は食べすぎたのかしら! うふふふf……。」
「うんもう。グラマリナさま!」
「お相子でしょう? エルザ!」
「いいえ、私が先に……。」
「でしたら給仕のメイドを一人雇う必要がありますね。」
「はい、お願いします。」
「オレグ、ドイツのハンブルクへは、いつ出発するのですか?」
「グラマリナさま、下記の人員が決定次第に出発いたします。」
ドイツのハンブルクに行くまではリリーは館で機織りを頑張っている。
*)ワイン工場とビール工場
男が五人と女が二人採用されたが、すぐに十五人まで膨らむ。
「最初はワクスの製造からだ。この作業に慣れたらビールの製造を始める。」
*)家具職人のヘンリク
男が六人採用された。
*)建築のジグムント
男が五人採用された。
*)鍛冶屋のレフ
男が五人と女が二人採用された。
*)石工のマシュ
男が十人採用された。
*)酪農のレオン
今後の牧場の柵の建設も含めて、男が六人、女が二人採用された。後に男は
十二人までに膨らむ。
*)館のメイド
エルザの休養もあるので、前のメイド二人と追加で三人が採用された。
*)板材加工
二人の男が採用された。
*)船乗り
二艘の船になった。各船に三人が採用された。港の倉庫番も兼任だが。
*)水車小屋で麦粉を作る子供を六人
ライ麦を運べる体力のある者が採用された。倉庫番の子供は別枠だ。
*)パブで働く専従の女
ボブの女房他、三人が採用された。宿屋の清掃に五人が臨時に雇われる。
*)荷馬車の馭者
馬の扱が出来る男の二人が採用された。
*)水夫の賄い女
船に一人、計二人の若い女が採用された。付帯条件は力持ちであること。
*)倉庫
一組の夫婦と、麦粉の製造をする子供が一人採用された。
*)機織り娘を百五十人
十三歳以上の希望する女が採用されたが、色や柄に疎い者や不器用な女は却下。
「リリー、この中で機織りの経験者が居ましたら、その者に機織りの指導をさせなさい。いなければ……。」
「はい、グラマリナさま。私が指導いたします。早く皆が織れるように努めてまいります。」
「お願いしましたよ。」
「オレグには、どのようなお礼をしましょうか。いいえ、リリーにもちゃんとお給金はお支払いしますよ。」
グラマリナの提示した金額は破格値だった。反物には金貨十枚。機織りの技術指導には金貨五十枚が。永遠に続く予定だから安いかも知れないのだった。