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人狼夫婦と妖精 ツインズの旅  作者: 冬忍 金銀花
第一章 駆け出しのハンザ商人 オレグ

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第63部 オレグの謀略?!

 1243年5月27日 グダニスク


*)交換条件


 イワンはギクッとした。確かに昨日に本部から手紙が届いていたのだった。それも金貨六百枚を野盗と交換に支払うようにと。


「し、しばし待たれよ!」


 イワンは冷や汗を掻いて中座した。イワンは副支部長を呼んで今の会見内容を話した。


「はい、これはしたがっていた方が得策だと思います。」

「だがここの金庫には、金貨・三百枚が在るかどうかだぞ。これでも足りぬわ。しかも、払えばこの支部の活動資金が無くなるわい。」


「恐れながらイワンさま、今日の通達で金貨・五百枚を送るから明後日に受取るようにと、連絡が入っております。」

「おお!!」


 ほっとしたイワンだった。だが、イワンはただで金貨を五百枚を払うつもりはなかった。副支部長はニタッと笑い、


「イワンさま、ここは金貨五百枚を払って明日には取戻しをいたしますか。六:四で構いませんが……。」


 金貨・五百枚の四割は、金貨・二百枚になる。いいですか? 二百枚です。イワンは二百枚の意味が理解出来たのは後の祭りだった。


「そうだな。買い取った野盗の罪滅ぼしに再度襲わせるか。」

「はい、さようにいたしましょう。」

「お前も悪だよな~ヤゴチエ?」

「はい!……。また、かの者は条件も付けるやにございません。」

「構わぬ。どうせ野盗に襲われて死ぬのだ。何でも書いてやれ!」

「はい、確かに承りました。」


 イワンのバカは冷や汗が引いたので部屋に戻った。熱い汗を掻いたバルトシュも汗が引いていた。


「その方の意見に従おう。すぐに残りの野盗を届けるように。金貨五百枚は交換にて渡すとしよう。」

「イワンさま、ありがとうございます。」


「さ、ソフィアさま、倉庫へ帰りましょう。」


 バルトシュは緊張のあまりに名前を間違えた。双子のような姉妹だ、それもあり得るだろう。


「バルトシュさん、とてもお上手でしたわ。惚れ惚れいたしました。」


 リリーより褒められて嬉しいバルトシュだ。 


 バルトシュは倉庫に戻ると、すぐに野盗どもを連れてドイツ騎士団支部へ赴く。


「そら、お前らの古巣だ! 元気に帰れ!」

「そんな~旦那! 殺されます。助けて下さい。」

「お前らから殺されかけたのだ。助ける謂れは無い!!!!」

「そんな~旦那~! 殺されます~助けて下さい~。」


「うるさい!!!……二度と同じ文句は言うな!!」


 すごく怒り出したソフィアが怒鳴りだした。続けて、


「お前らのかしらは、……ほれ、天井だ!」

「ぎょ~ぇっ~~~!」


 昨晩に行方不明になっていた野盗のかしらは、天井に貼り付けになっていた。


「そろそろいいか。リリー下してやって!」

「もう、お姉さまったら~……♡」


 リリーは召喚魔法で天井から息も絶え絶えのおかしらを下ろした。


「さ、ドイツ騎士団支部へ行くわよ、戦争よ!」

(あ~~、ソフィアさま、クワバラ、くわばら!!)バルトシュの心の叫びだ。


 念の為にドイツ騎士団支部への移送は荷馬車が使われた。鹿児島の黒豚の様に熊本や鹿児島の牛の様に、佐賀牛の様に荷台に詰め込められていた。


「ま、ニワトリほどでもないわね!」


 さらりとヒドイ事を言うソフィアだった。


 ドイツ騎士団支部への移送は完了した。バルトシュは副支部長より金貨400枚と、念書を三通受け取った。副支部長はイワンへは金貨・300枚と報告している。


 副支部長は、


「お望みの金数と誓約書です。大事にお持ち帰りください。」

「ありがとうございます。その……?さま。???」


 バルトシュは念書を見て疑問に思った。ドイツ騎士団支部には誓約書の事は何も話してもいない。なのに丁寧に三通も渡してくれた!?



 怪訝な顔をするバルトシュに向かいリリーは、


「バルトシュさま、後はお任せ下さい! いいのですよ。うふふふf……」


 耳打ちされたバルトシュは、


「はいお願いします。イワン支部長さま!」

「よろしいか、もうこれ以上の交渉も事後の請求も受け付けぬ。」

「はい、もう何も申し上げませぬ。」


 バルトシュはこの場に居る者に帰ると言った。特にリリーを見て言ったのだ。


「はい、バルトシュさま。早く帰りましょうね!」


 ドイツ騎士団支部を出る五人と、イワバの兵士の者だった。バルトシュはとても早足になっていた。嬉しい時には早足になるのが人間の性だ。


「少しお待ちください。バルトシュさま、早足には付いてけませぬ!」


 リリーが苦情を言うのだった。ソフィアは全く関係なさそうに野盗どもを処分が出来て喜んでいた。


「お姉さま! もう止まって下さい。」


 ハッとしたソフィアは足を止めるのであった。


「えぇ、そうね。シビルも待っていなければなりませんね。」

「そうですよ。また、すぐに野盗の襲撃もあります。ここは野盗の為にも待っていましょうよ。」


「な、な、なんと申されます。貴方がた双子はそのう………。」

「はい人間ではありませんわ!」

「はい!?!!」


 奇声を発して驚くバルトシュだった。そして、リリーは、


「召喚魔法を使うね!」


 空から落ちてきたのは、先ほどの副支部長だった。


「シビル、ご苦労さま。もう変身魔法は解いてもいいわよ!」

「ほぇっ・!・?・!・!」


 奇声を発して驚くバルトシュだった。序でにへたり込んでいた。か細い声で、


「そんな~、まさか~!」


 ソフィアは、


「シビル。上出来だったわ。……ところでドイツ騎士団支部の金庫には、金貨は三百枚だったはずよね。それがどうして、バルトシュに四百枚、シビルに百枚になったのかしら?」


「あら~お姉さま。最初から四百枚でしたわよ。きっとお姉さまの勘違いでしてよ。」

「うん、きっとそうだわね。リリー! どうかしら?」

「はい、お姉さまの勘違いですわ!」


 リリーはシビルに笑って見せた。


 ドイツ騎士団の本部からの手紙はもちろん偽物だ。これはオレグが書いてシビルに持たせて、支部長に手渡しをさせたのだ。その他はシビルのアドリブで完全勝利に繋がった。



 遠くから野盗+騎士団の五十人ほどが走ってくるのが見えた。


「ゲート!」


 目の前で消える人間を見て悪夢を思い出した野盗は我先に雨散霧消になり、瓜二つの自分の姿を見た副支部長も消えてしまった。


 大失敗のイワンも本部へは報告も出来ない。金庫の三百枚の金庫とイワンの隠し金の金貨二百枚も無くなっていた。


「そんな~、バカな~。……」


 

 ゲートで帰って来たバルトシュはピアスタの歓迎を受けた。ここは、イワバだったのだ。


「もう、オレグには敵いません。最高ですわ~!」

「ピアスタさま、金貨四百枚と不可侵条約の念書でございます。」

「それで一通はドイツ騎士団支部の金庫に入れてきましたでしょうね!」


 シビルが答える。


「はい丁寧に二通を置いてまいりました。」 


 狐につままれたようなバルトシュはこの日から数日間寝込んでしまった。


 リリーはマルボルクに寄り、ドイツ騎士団支部の不可侵条約の念書を一通置いて来る。エルブロは驚き事実を聞いてさらに驚き喜んだ。




 1243年5月28日 トチェフ村


 オレグはドイツ騎士団支部の不可侵条約の念書を一通、グラマリナに渡した。そして今回の策略を細かく話したらこの後に一大事が起きた。


「オレグ助けて下さい。もう、笑いが止まりません。お腹の赤ちゃんが出てきますから、本当に助けて下さい。」


 グラマリナは大きいお腹を抱えて、思いっきり泣いて笑っていた。

(ふん、勝手に笑っていろ。俺はしらないぞ!)オレグの心の声だ。


「グラマリナさま。もう、笑われるのはよろしいでしょう。」


 涙を拭いて笑いを堪えるグラマリナを見て、ソフィアとリリーが大声で笑い出した。漁夫の利を得たシビルは、パブに入って戻らなかった。それも二日ほど。



 オレグはそうそうに館から出てきた。


 オレグは、


「しまった。シビルの家を忘れていた!」


 シビルはあちこちと引き回されていて、家そのもが無かったのだ。仕事の都合により後日にボブの隣に造られた。


 家に帰りリリーからシビルの事を聞いたオレグは、死ぬほど笑い転げたのだ。


「ぎゃっはっは~、あのシビ、ハッハッハ~、金貨100枚だと?」

「ぎゃっはっは~、アッハッハッハ~………、」


 ソフィアとリリーは、


「ねぇ? オレグ。私たちは頑張ったのよ~~、褒美は何かしら?」

「うぐ!……」

「そうだ! 今から一杯飲んで考えよう!!」


 オレグはシビルの居るパブへ二人を連れていった。ワインを呑むシビル。せこせことパブで働くジィの姿が在った。


「チ~~ス!」



ネタが尽きました。また暫く更新が途絶えます。

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