18話
「ここが私の家」
「…おぉ」
豪邸だった。こう、様式のでっかい家。こいつの家金持ちかよちくしょう。
「クッソ3K揃ってやがんのか」
「3K?」
なんだ3Kも知らないのか。
「金、顔、権力」
「なにそれ。あはは」
少しは元気になったのか?
「いやいや、この世界はこの3つのうち1つでも持っている奴が勝ち組って呼ばれるんだよ。もちろん多く持っているほどいい」
「なら、タツキだっていいか思ってるじゃない」
ほほう。嬉しいこと言ってくれるじゃないか。お世辞でも嬉し……いや、やっぱり僕はイケメンか?魅力値から考えるとやはりイケてるメンなのか?…やっぱり違うかな?魅力値が顔と決まったわけではないし。カリスマ性とかそういうのかもしれないし。
ふむ。聞いてみるのが一番だな。
「なぁ。僕ってイケてる面してる?」
「してるしてる」
「マジで?顔面戦闘力でいうとどれ位?」
「顔面戦闘力?」
「ごめん何でもない」
ネタが通じなかった時の辛さ。
「とにかくあなたは自信を持っていいと思うわ」
「……そうか、ありがとう。なぁ」
「なに?」
「僕たちってもう友達だよな?」
これで否定されたら瞬間移動使って逃げるぞ絶対。
「?もちろん」
そ、そうか!良かった。
「な、ならさ。このままお別れっていうのも寂しいからさ」
いうぞー!僕はできる!やればできる!
「れ、連絡先を交換しないきゃ!」
か、噛んだ!?最後で噛んだ!あぁぁあぁ!
「ぷっくくっ!いいわよ。もちろん!私も連絡先欲しいって思ってたところだしね!」
そ、そうか。良かった。でも笑わないでください。
「タツキって妙なところで子供っぽいのね…っ!」
「う、うるさい!」
慣れてないんだよ!中学では割と灰色の青春を送っていたし、美人には慣れたけど、こういう事はやった事ないから仕方ないだろう!
そうして連絡先を交換した。
「おおぉ、家族以外で初めて女の子の連絡先をゲットした…!」
「そ、そうなの?その顔だから女の子の知り合いたくさんいそうだけど…私が初めてなんだ…そっか…!」
サクラがなんか嬉しそうにしている。そうか!誰でも友達ができたら嬉しいもんな!
「それじゃ!今日はこれで!僕は帰るよ!またな!」
「うん。また」
そうして僕たちは別れた。
☆★☆★☆★☆
ある程度歩いたところでスマホを取り出し、連絡帳を見る。一人増えてる。
「ふ、ふふふ」
ニヤニヤが止まらない。
割といいスタートだ。バラ色の青春を送れる気がしてくる。
ああ、久しぶりだな。スキップをするのは。体が軽い、連絡先を交換するだけでこんな気持ちになるなんて。
そう思ってたら、いつのまにか見知らぬ場所にいた。
「あれ?」
ここどこだ?なんでこんなところにいるんだ?
「そうだ。【マップ】」
【マップ】を使い、自分が歩いたところを映し出して見る。
「うげっ」
なんか変なふうに歩いていた。
サクラの家からしばらく前進して、右曲がったと思ったらまた右に曲がっている。さらにそこから、左、前、前、左、右、と変なふうに歩いていた。【マップ】が歪な形になっている。
「ここどこだ?」
全く見覚えがないぞ。
しばらく歩いても見覚えのある道に出ない。
それどころか、ゴーストタウンみたいな人もいないし、廃墟も多いよくわからんところに来ていた。カラスが異様に多いし辺りが不気味なオーラを醸し出している。
正直にいうと怖い。超怖い。
もう【瞬間移動】を使ってしまおうかと考えていた時、【魔力感知】に反応が出た!
「なに!?」
なぜこの世界で【魔力感知】に反応がでる!?この世界には魔力なんてないはずだろう!?
そう思っているうちにも魔力の塊が近づいてくる。
「【生命感知】が変だ…」
なんというか、反応はしているのだが普通とは何かが違う。何だこれは?
「来る…」
そう呟いた瞬間空から何かが降って来た!
違います。ラ○ュタではないです。