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その5 エトセトラ1(2)

 リック、ニック、マックの三兄弟のお父さんは、緑龍山脈からずっと南のベラスという

港町で働いています。

 船乗りで、港の中で大きな船から荷物を受け取って港まで運搬する仕事をしています。

 人間の街であるベラスでは、妖精達は人間に化けて、自分達の本当の姿を隠します。な

ので、手紙に時々添えられる絵にも、お父さんは木ねずみではなく人間の格好で描かれて

います。

 その他、街や海の風景の絵も入っていたりします。

 今回入っていたのは、細長い塔に大きな羽が横に四枚くっついた、不思議な形の建物の

絵でした。

「これ、何だと思う?」

 リックに絵を見せられて、ハナハナも思わず首を捻ってしまいました。

「お家の飾り? にしては、ずいぶんおっきいね」

「これ、動くの?」とマック。

「わあかったっ!」

 ニックが大声で言いました。あまり大きな声だったので、周りのトネリコの若葉がざわ

ざわ動きました。

「物干竿だっ。これ、回しながら洗濯物乾かすんだっ!」

「ちがーうっ」

 お兄ちゃんリックが偉そうに胸を反らします。

「これはぁ、風車っていうんだ。風の力でこの大きな羽をぐるぐる回すんだ」

「……それだけ?」

「……うん」

 実は、風車は風の力を利用して水を汲んだり穀物を粉に挽いたりするものですが、リッ

クはそこまでは知りませんでした。

 ただ回るだけなら面白くないなあ、とハナハナは思いましたが、男の子達は違ったよう

です。

「すっげえっ! これ回るんだっ!」

「おっきいんだよねえ、こんなのが本当に風で回るの?」

 木ねずみの弟達は夢中です。絵に見入っていたマックが、ふと言いました。

「ねえ兄ちゃん、風車作れない?」

「えっ? 無理だよこんなでっかいもの」

「作れるよ。兄ちゃん器用だから」

「無理だってっ!」でもそう言いながら、リックはちょっと作ってみたい気持ちになって

いました。

 そうだ、ボッヘの親方に聞けば、作り方が分かるかもしれない。

 今度聞いてみよう、と、リックは心密かに決心しました。


 その5 エトセトラ1 完

その5 エトセトラ1は、これで終わりです。

いかがでしたでしょうか?


今回登場した住人以外にも、これからもっといろんな妖精たちが

お話に出てきます。


そして。

次は、リックの一大決心、です。

わんぱく小僧のリックですが、お母さんは恐い。

そんなリックが、ある決意をお母さんに打ち明けます。

でも、お母さんは大反対!

さて、リックの決心は実るでしょうか?


お楽しみに。

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