その5 エトセトラ1(1)
ここでちょっと、ひと休み。
パッセルベルの住人の一部を、ご紹介します。
パッセルベルの村は全部で27丁目まで。
1丁目はトネリコの梢に近い枝で、そこは長老の家だけがあります。代々の長老が住ん
でいた家は、現在改築中。近く完成予定です。
2丁目は、ここも1軒だけで、長老の孫ニーニャと両親の家です。ニーニャの父サウル
は長老の息子で村長さん。でもみんなが何かと長老を頼ってしまうので、自分は存在感が
薄いと、日々嘆いています。
ニーニャのお母さんマラーニャは、サウルとはお見合い結婚です。仲人は何とトーベル
さん。マラーニャは緑龍渓谷からは遠く離れた西の谷、赤龍山脈の妖精の村からお嫁に来
ました。
赤龍山脈の村では、マラーニャの一家しかもう猫の妖精は居なくなってしまっていて、
彼女の両親は仕方なく娘の結婚相手を遠い緑龍渓谷に求めたのでした。
そのせいで、ニーニャは母方の祖父母には一度しか会った事がありません。
手紙のやり取りは頻繁にしています。でも綺麗な絵葉書が来たりすると、もう一度おじ
いちゃんおばあちゃんに会いたいと思うニーニャでした。
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ハナハナの家は4丁目。ここの枝には、他に3軒あります。
オットーさんはあなぐまの妖精で、鍛冶屋さん。仕事場はもっと下の枝で、こっちは自
宅です。奥さんのネルさんとの間には子供がいません。
そのせいか、ハナハナやミィミの二人の子供達、モモとフレイをとっても可愛がってく
れます。
もう1軒はネービルさんという、おぱあさんの猫の妖精が一人で暮らしています。
ネービルさんは足が悪いので、時々ミィミや他の奥さん達が家事のお手伝いに行ってい
ます。
ネービルさんは近所の奥さん達が来るとたいそう喜んで、行く度に、お茶をごちそうし
てくれます。そのせいで、ネービルさんの家は奥さん達のちょっとしたサロンになってい
ます。
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パッセルベルの子供達は、週に二、三回村長の家に勉強に行きます。教わるのは、主に
読み書きと算数です。
特に算数は、将来人間の住む街で働くのを希望している子供にはとっても重要です。
これが出来なければ、お給料がちゃんと貰えませんから。
子供達を教えるのは、村長のサウルとふくろうの妖精のアルベルトさんです。
アルベルトさんはふくろうの妖精としてはまだ若い三十三歳です。でも頭が凄く良くて、
人間の学校へ入り先生の資格まで取りました。
優しくて、教え方も上手です。子供達は『若先生』と呼んで、親しんでいます。
子供達が勉強を教わる曜日は、その子の家の都合もあるのでまちまちです。
教室は月曜日から土曜日まで、毎日午前九時から十一時半までやっていて、子供達は都
合のついた日にやって来ます。
アルベルトさんも村長も、読み書きも算数もどちらも教えられますが、どちらかという
と子供達は、若先生に算数を教わる方が、優しいので好きです。
いえ、村長が優しく無い、というのではないのですが……
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