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最果ての地で。  作者: 織瀬春樹
1章 遭逢
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6.たった一度の



空は、次第に暗くなっていく。


それは今日が終わり、

また明日が来ることを伝えていた。


明日は今日となり、

今日は昨日、つまり過去になる。


過去はもう、変えられない。


たとえ、何かをしくじったとしても、


たとえ、選ぶ道を間違えたとしても、


たとえ、進みきれなかったとしても、


人は過去に戻れないから。


それこそが、

人生は一度きりと言われる所以。




何かを間違えてしまった。


それを間違えていなかったようにしてしまったら、


それを、正解にしてしまったら、


この世界は崩壊する。


それは、誰もが都合のいい世界にしてしまうから、


最強が2人できてしまうから、

この世界は矛盾だらけになってしまう。


小さなことでも、どこかで矛盾が生じる。


だから、過去は変えられない。


故に、人は過去を振り返る。



過去の過ちをもう一度してしまわない為に、


振り返り、学習する。




そして、気付く。


あの時、美樹が離れて行った時、

とてつもない違和感が俺を襲ったことに。


それは何にも表現することができないような、そういう違和感。


もしかすると、

このままでは間違えてしまうかもしれない。


あの時ああすれば良かったと、

後悔してしまうかもしれない。


何故かは分からないけど、そんな気がした。



だから、俺は進み続けた。


初めて出会った場所へと。


そんな気がした。


そこにいるって。


そこに行けば、何かがあるって。



確信はなかった。


でも、何かが俺をそこへ連れて行った。




やがてそれは、真実へと変わる。


駅の待合室に人影が見えた。


セミロングの髪に、ワンピースを着た少女。


一人で静かに座り、じっと遠くを見つめていた。



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