#8
故郷に帰って数ヵ月。薬を作っては売ってという生活をしています
実家に帰ったら「やっぱりね」と母さんが…「あんたは、そんな子だから」と言われましたが、そんなって何ですか?
稼いだお金は、大半を家に入れているから“穀潰し”とは言わせません。
「お邪魔」とギルドへ薬を売りに行くと「いつも傷薬とか売ってくれるのは嬉しいけど、依頼も受けて!!」と受付。
「面倒臭い」と一蹴して置く。
「何ですか?腕良いのに…」とあきれられた。
別に食べていける程度の稼ぎがあれば、今は良いし、主に会いに行くために作った貸しとか返してもらわなければならないしな~と考えつつ代金を貰い帰宅する。
家の前には、身なりのキレイな人が立っている。
誰が来たのかな?と脳内検索しつつ一番可能性があるのは半身。
次に半身の右腕・左腕。
あとは、傭兵の隻眼さん・商人の腹黒さんかな?
身なりのキレイな人なら、貴族組か商人だな。どっちかな~と敷居を跨ぐ
「ただいま~」
「お帰り風花。お客さんよ」とお母さん。
居間には、母と半身がいた。
「馴染んでいるね。私にもお茶~」と頼み向き合う
「で」と聞いていると、お茶を持ってきた母に「その態度なに」としかられたが、色々話をするために席をはずしてもらう。
母とのやり取りを見て笑っている半身を睨み付けて再度、訪問の理由を訪ねると
「主に会えたのか?」と聞いてくる。
頷く「人が違っていたけどね」と苦笑する
「人違いか?」と聞かれて首を降る
「同一人物だよ。性格がと言うか人格が変わっていた。私が会った時は、演技もはいってたのかな?時期が時期だったのかな」
「そうか。じゃ、借りはどうする」と少し悲しい顔をしてくれながらも聞いてくる
どうするかな~。どっかで、農業しながら過ごすのも良いし、趣味の範囲で鍛冶師擬きとかしたいんだよね。薬も良いけど、ほどほどでいいし。
自給自足とかしたいな。それだと、人が余り居ない土地が要るし、ご近所トラブルとか絶対にありそうだからそこら辺のフォローとか欲しいな。
作った物を売ったりする場合のつてとかも必要か?
答えを待ってくれながら、お茶を飲んでいる半身。多分、予想はついているんだろな。付き合い長いし…
「土地とそこで自給自足する為の許可が欲しい。あと、面倒臭い問題とか横やりが無い方が嬉しい」と伝えると、だろうなと言う顔をしながら「南に荒れ地がある。開拓するか?開拓した土地は開拓した者の物となる。あまりにも荒地過ぎて誰も手を着けていないが…」どうすると聞いてくる
「そうする。水はこれでどうにかなるだろうし」と水石を見せるとまだかと言う顔をされた
「なんだこれは?」
「うん?水石だけど」
「だから」
「あ~。水を固めて石みたいにしたもの。私の属性知ってるでしょ」と確認するとうなずきつつ「水だな」と答えてくる。
ギフトの他にも属性がある。
属性は、水・火・地・風があり。この4つの中で得意な物をいう。属性が違う場合でも、練習すれば、ある程度使える。
私は、属性が水。訓練して地・火が使えるが、地は意識して耕す程度。火に至っては意識して唱詠してマッチ程度の火しか付かないのだが…
「新しい技術は」
「教えません」と言い切ると、は~とため息をついてから「お前は…」と項垂れる
技術を公開して注目されたくないしね。半身の件は、仕方がないとして。
「仕方がない奴だ。南には、行くんだな。ならザグレに話をしておくぞ。乾燥に強い苗木と建築資材を用意させておく。書類はこちらで用意するとして、いつ行くのだ?」
「来月」と暦と地図を見て言う。
「来月か。何でだ?」
「私の準備と移動時間。あとは、勘だけど再来月には雨が降る」
「勘か」
「勘だよ」
「そうか。それまでに準備しておくぞ。俺の借りはこれでトンだが、他の奴等は各自に任せるからな」といいながら立ち上がる
「わかった」と手を降り見送る
お母さんに声を掛けて旅に出ることを伝えると「どこいくの」ときかれる
「南で開拓」というと「頑張って」とエールを送ってくるため、頷いておく