#9
「よ」とギルドでご飯を食べていると声をかけられた。
振り向くと可愛い獣耳の少女と厳つい傭兵…
「隠し子か」と呟き少女の目線に合わせるようにしゃがみ「こんにちは、お名前は?」と聞くと
「かず」と傭兵の後ろに隠れてしまう。
残念と思いながら立ち上がり傭兵にはなしかける。
「で、なんで待ち合わせをしないといけないのかな?ちゃんと説明しないと…」
「解っている」と椅子に座り少女を膝に座らせている。
「先ずは、感謝する。今回、開拓に行くんだよな。俺たちも同行したい。あっちで腰を下ろして生活をする」と傭兵ーライズがそう話す。
「その子のためって訳じゃないみたいね」といとおしそうに少女を抱いているのを見る。昔はこんな顔していなかったな。
「あにょ」としたったらづで話しかける少女に違和感を感じる。ゆっくり全身を見ながら感知をかけていく。少女とばかり思っていたが…
「奥さまでしたか。失礼を。やや子が出来たら取り上げてあげますよ」と言うと首を傾げている。後ろではあたふたしているライズ。「何を」
「こんなに守りをかけて、あんたの匂いしかしないのに?」と聞くと顔を赤らめている。オッサンの恥じらい何て需要なしだろと呆れながら残りを食べていると奥さんが説明を受けてアワアワしている。
それを見ながら薬を飲み一息つく。あまりにもギフトを磨き過ぎたため中和剤を飲まないと認識されないことがある。ギフトを発動しなければ良いのだが、移動は面倒臭いので発動しぱなしである。
「書類関係は右腕・左腕に頼んで全て用意した。妻の戸籍も偽造済みだ。だから」
「同行しもいいけど付いて来れる?あと、自分の事は自分で」
「付いていく。あとは対価を払う」
そう言っている顔は真剣その物。
仕方がないか「わかったわ。できる範囲教えるから。対価は労働で払え」といい立ち上がる。
「さ。出発だぞ」と奥方を抱いて移動するライズをみて蹴りを入れて「自分でやらせろ。経験積めば身長だって伸びるし技術だって身に付く。真綿で包むのが愛情じゃない」と指導する
「蹴るか普通」
「蹴るさ私は」と言って歩き出す。最初は奥方に合わせてユックリ歩いていたが途中より経験を積めたみたいで色々ためしながら歩いている。
町を出て南に続く道を歩きながら薬草を詰んだり木の実を取りながら進む。
後ろでは、奥方が真似している。最初の休憩認識の技術を会得したみたいで使い方を習っていたので、採ったら認識を掛けて覚えるを繰り返している。その内辞典を覚えるなと考えていると肩に痛みが走る。
目の前には狼がいる。群れはいないみたいだからハグレか…
この肩はアイツがやったのかな?と考えていると
「なに悠長にしている。倒すぞ」と叱られた。
「肉は嫌いね」と顔をしかめると
「俺らが食べる.解体も教えるし毛皮の鞣し方も教えなきゃならないのでな」と言いながら走り込んでいく。
「え。なゃで?」とアワアワしているので「貴方に覚えさせるためみたいよ」と肩の傷に薬を塗り治療する。
「ライズ」と声を掛けるとバックステップで少しだけ距離を置くのを確認して傷のお礼をするためにナイフを投げつける。ナイフには痺れ薬を塗り込んでいるため擦っただけでも効果がある。
キャンと悲鳴が響いたので丁度よくヒットしたのだろう。
まだかかりそうなので、一休み。
採った薬草を仕分けたり土の属性を強化するために発動無駄がないように改造しまくる。そんなことをしているとドサっと隣に座る音がしたので、顔をあげるとライズが疲れた顔をしている
「少し手伝えよ」と奥方を慰めながら言われるため「したじゃん」と手を差し出すとナイフを返してくれる。
「普通は」
「それを私に求めるの?」
「そうだな。薬あるか」と聞かれるため薬草ジュースを渡す
「不味い方かよ」と苦虫を潰した顔をするも飲み干す。
日が高いが、今日は夜営だなと焚火用の薪を取りにと立ち上がりライズを見る「果物」
「よろしくな。風花について薪を集めてくれ」と奥方にお願い?している
しぶしぶ付いてくる奥方に薪の集め方と縛り方を教えておく。あとは自分次第だし、と鼻歌を歌いながらある程度集めておく。
ライズの元に戻ると爆睡しているのを見つける。一応、獣避けをしてるのを確認して夕飯を用意する。
オロオロしているので「用意しないの?オロオロしているの?」と聞くと
「大丈夫なの。ご飯ってどう用意するの」とはっきりと話始める。1日で大分成長したな。どんだけ溺愛ですかね?ま料理ぐらい教えておくか。
「水・鍋はある?火をつけれる?」と聞くと荷物から鍋と水袋を出して準備する。
火を付けるのがモタモタしながらもやっとつけれたのを見ながら「次に水の中に肉・野菜を入れる」と言うと入れている。煮始めると臭い消しの薬草を入れている。いい奥さんなるな~と思いながら自分のを用意している。何故か肉・魚が食べれないため薬草・野菜・穀物・果物をメインに食べている。
野菜を入れて米を入れる。
「え!?お米!!」と驚いている奥方。珍しいけど驚くほどかしら?と顔をしかめているとライズが起きたらしく笑われた
「すまん。佳珠は米を主食している場所に生まれたらしい」
ふ~ん。東のでか、でも獣耳って…
「流れ者か」と言うとビックとしている。
「いじめないよ。うちもそうだからね。米は腹黒が売ってくれるよ。これは私が作ったやつ」と米袋(容量二倍袋)を見せる。
「腹黒か。他には」とライズが聞いてくる。「みる?」とカタログが入った記録用の石を渡す。
「すまん。いつも便利だなこの術は」と笑っている「下着も乗ってるから欲しい番号を書いて注文して。食品もあるよ」と伝えておく。
少し離れた場所で夕食を取りながら空を見上げる。夕暮れ時の空はキレイだなぁなんて思いながら寝るために人避け・獣避けを発動させる。
術の中で、読書しつつ過ごしているとリーンと警告音。
顔をあげると兄貴が立っている。術越しに「どうした?」と聞くとニヤリと笑いながら「ここら辺で、討伐する」と教えてくれる。
「いつ?」と訪ねると「現在進行中だ。大型が行くからな」と教えてくれる。
「ライズ?聞いてた」と声をかけるとカタログから顔を上げて「聞いた。さっき残り食べていってたぞ」と鍋をさして言う。
「情報料だとさ」と笑っているが奥方がプリプリしている。
始末をするために荷物を置いて討伐に向かう「いくのか?」
「大型なら捕獲する。性悪ちゃんなら撃ち落とす」と笑うと奥方を抱き上げ「見学させろ」という。
「見学?守らないよ?」
「いい。術・ギフト・属性・技を鍛えまくっているお前のあり方を見せたい。自信になればいい」と言うため許可をだす。
感知を発動。兄を発見したら少し離れた場所へ転送。
兄たちが討伐している獣は黒く綺麗な毛皮とキラキラしながら術を放っている。
綺麗。捕獲しようかな?と見ていると足元に子供が…
あぁ…。
兄たちに「子供」と伝達をだす。
そのまま転送して獣に癒しを掛ける。「すみません。人間違い?しました。人との条約を破っている者を知りませんか?」と聞くと「癒しかたずけない。条約破りは少し奥にいるぞ。一族からは抜けている」と教えてくれた。
「兄」
「わかった。すみません。あとから正式に」
「要らぬ。このものに癒しを貰ったから」と笑いながら去っていく綺麗な獣。




