純化
「キイロ、ね」
「?」
「その鳥の名前よ、黄色だからキイロ」
本当のお嬢様の命名センスに微妙な気持ちになる。
館に帰って、お嬢様がエルヴァナさんの着けている耳飾りを目ざとく見つけてからは大変だった。
お嬢様はとてもご立腹だったが、キイロから話を聞く前に、お嬢様はルーナさんに連れ去られてしまったのだ。
「お嬢様にもお土産を買うべきだったでしょうか、、」
「知らん」
エルヴァナさんが着替えをするのを部屋で待つ。
「おい、見すぎだ」
「はっ!?スイマセン、、」
でも同じ部屋なんだから、しょうが無くないですかねえ?
※※
「成る程、確かに伝わるものがあるわね」
お嬢様とキイロとのチャネリングも成功したようだ。
「ねぇ、、あなたエルヴァナに何をしたの?」
「キイロさん、お嬢様に余計な事は言わないように」
ルーナさんとエルヴァナさんの教育的指導が入る前にキイロは逃げ出した。
「ラキネルは、、そうね、今日のオヤツは焼菓子にしてもらいましょう」
ついでにラキネルくんとのチャネリングも成功だ。
※※
「でも、、本当に綺麗ね。この耳飾り」
お嬢様が手元で耳飾りを検分する。
「店先にあった時はそうでも無かったような、、?」
さすがエルヴァナさんはお目が鋭い。
「まあ、色々とありまして」
そういってテーブルの上のグラスに手をかざすと、俺は『純化』を付与した。
『純化』が施されたグラスは透明度を増し、ガラス内の気泡が消えている。
「まだ覚えたてで、何がどこまで出来るのかは分かって無いんですけど、ね」
お嬢様が『純化』されたグラスを手に取る。
「ルーナ、、私の宝石箱を持って来なさい、、」
※※
「お嬢様!いけません!!まずは奥方様へご報告をっ!!」
「放しなさいルーナ!これは止まれないものなのですっ!!」
お嬢様がご乱心あそばされた。
「おい、逃げる準備でもしとけよ?」
「エルヴァナさんは一緒に逃げてくれるんですか?」
俺はエルヴァナさんのティーカップにお茶を注ぎ直した。
※※
「まあまあ」
部屋付きのメイドさんが走ってくれたのだろう、奥方様はすぐにサロンに現れた。
「はぁ、はぁ、、お母様!皆にはこれがどれ程のものなのか分かっていないのですっ!
特にっ!この男にはっ!!」
お嬢様がズビシっと俺を指差す。
「黙りなさい」
奥方様の一言で部屋の温度が氷点下まで下がる。
(まさか、冷気魔法!?)
「クラリッサ座りなさい。ルーナ、私にもお茶を」
「はっ!」
部屋にメイド集団が現れて、テーブルの上を片し、人数分のお茶を入れ直す。
キイロちゃんには花柄の小皿が出された。
「まずはエルヴァナ」
「はっ!」
「良かったわね」
「はっ!、、はぁ?」
エルヴァナさんの耳が真っ赤に染まる。
(赤い耳に映える色の耳飾りでも良かったな)
「アオさん、、」
「はい」
「少し自重しなさいな?」
「、、はい」




