タルタルソース
「もう1週間ですよ、、もういい加減起き上がっても良いのでは?」
あれからずっと上げ膳下げ膳でベッドに縛り付けられていたのだ。
エルヴァナさんがベッド脇で話し相手になってくれていたので暇はしなかったのだが、流石にもう起きても良い頃合いだろう。
ラキネルも心配してくれたのか、看病に来てくれる。
、、お前、なんか太って無いか?
ラキネルの豊満な腹を揉み込んで癒されているとエルヴァナさんが言う。
「そうだな、もうそろそろ頃合いだろうか」
(何の?)とは聞けないまま、俺はベッドから起き上がる事を許されたのであった。
※※
どうも王都の伯爵様へ送ったレシピが好評だったらしく『続きは無いのか?』と催促が来ていたらしい。
生憎と俺はダウンしていたので、その間にため込んでいたレシピは料理長がまとめてくれていたのだが、
出来れば何か新作をと言われて、俺が起きるのを待っていたらしい。
「新作ですか、、何が良いのかなぁ」
せっかくの川沿いなんだから、魚料理だろうか。
塩焼き以上の魚料理が思い浮かば無いが、試す分には構わないだろう。
(魚フライとタルタルソースなんて組み合わせがあったなあ)
「玉ねぎと、、ゆで卵と、マヨネーズと、、」
少し酸味を足すのがポイントだろうか。
料理長がメモを取り終わるのを待って、俺は準備に取り掛かるのだった。
※※
「私は1番かしら?酸味がアクセントにちょうど良いわ」
「揚げ物料理に使いやすいのは3番ですかね、ゆで卵が形が残っていて、水気が少なく使いやすそうです」
「どれも美味しわ」
「くぅん」
せっかくなので料理人の皆さんでそれぞれ思うままに作って貰った。
それぞれ個性が出ていて面白い。
※※
「王都ではどんな物が食べられてるんですか?」
気になったので、王都の食事事情を聞いてみる。
「そうね、、『保存』が効くから、割と山の物から海の物まで手に入るけれど、塩気が強いかしら」
「調味料なんかは、多く使った方が贅沢だって風潮がありますね」
「私が思うに、ワイン煮でしょうか。作り手によっては絶品な物もありますよ」
そうか、ワインがあるのならデミグラスソースなんかも出来るのか。
みんなの話を聞きながら考え込んでいた俺は、みんなが俺の顔を伺っている事に気付かないでいた。




