ラクーン改めラキネル
「おぉ、、これは中々、、」
館の風呂に入れて、ルーナさんと協力して何度も洗った後、『柔軟』『艶』を付与した結果、彼はお嬢様の満足のいくお毛皮を手に入れた。
「ラキネルも綺麗になって嬉しそうですねぇー」
ラクーンを持ち上げてくるくると躍るお嬢様の言葉に首を傾げる。
ルーナさんが「はっ!?」と気付く。
そう言えば『飼う』なんて誰も言ってないや。
※※
「まあ、良いのではないですか?」
「はぁ、奥方様がそうおっしゃって下さるのは喜ばしいのですが、、」
夜、晩御飯の席での会話だ。
ラクーン改め、ラキネルくんは晴れてお貴族様の一席を頂く事になった。
「というか、私ってこの席で晩御飯をご一緒させて頂いて宜しいのでしょうか、、」
そして何故か伯爵家の食卓に俺の席が設けられていた。
「でも、娘はラキネルを離しませんし、、飼い主と引き離すのもかわいそうですし、良いのではないですか?」
「、、、」
そう言って伯爵夫人はニコやかに微笑むのだった。
※※
ラキネルくんとの対話は順調に進んでいる。
有効な付与魔術は見つからなかったが、簡単な言葉をカードに書いて、ラキネルに選んで貰うというアナログな方法だ。
「成る程ねー、、木ノ実が嬉しくて、次点で温野菜か」
後、お酢が少な目のマヨネーズが好みらしい。
「料理長に伝えておくよ」
そう言うとラキネルはお願いしますとばかりに、頭を下げるのだった。
※※
「まあ、魔術というものは色々と謎が多いものなのだ」
魔法戦士であり、狩人でもあるエルヴァナさんは先生として俺に付いてくれる事になった。
「属性魔術はイメージと練習が大事なんですよね?」
「うむ、その通りだ。しかし術を増幅させる装備なんかもあるぞ」
そう言ってエルヴァナさんは、自身の胸元のペンダントを引き出し、間近で見せてくれた。
「私のはコレだ、大体3割増しで威力が増すな」
「3割ですか、、とっても、凄いですねぇ」
胸元の、胸元のペンダントが、ね。




