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第8話:魂のダイブ、父の記憶の迷宮


 荒い波に揉まれながらも、豊と父は大門博士の遺産である緊急潜航モードを駆使し、松江のガレージへと辿り着いた。だが、横たわる父の身体からは不気味な赤いノイズが発せられている。

「……ネオΣの強制上書きプログラムだ。このままじゃ博士の意識は消去され、組織の『部品』になっちまう!」

 松江が叫びながら、ザボーガーのメインフレームと博士の脳波を直結させた。

「松江さん、俺の意識を繋いでくれ。……父さんの心の中に入って、そのウイルスを叩き潰す!」

「馬鹿な! 実体のないお前の魂がダイブすれば、二度とザボーガー(現実)に戻ってこれなくなるぞ!」

「それでも、俺は……息子なんだ」

 豊はザボーガーのシートに深く身を沈めた。

 「ダイブ・イン!!」

【精神世界:記憶のサーキット】

 豊が目覚めたのは、真っ白な空間に浮かぶ、かつて父と通った古いサーキットだった。

 そこには、若き日の父と、幼い頃の自分、そして――まだ人間だった頃の秋月が、笑顔でバイクを整備している光景があった。

 だが、その穏やかな記憶を、赤い「触手」のようなノイズが侵食していく。

「見つけたぞ、父さんの意識を蝕むゴミ共……!」

 精神世界では、豊の怒りがそのままザボーガーの武装となって具現化する。

 豊は宙を舞い、手から放たれる**【電磁のチェーンパンチ】**で、父の記憶に巣食うネオΣのウイルスプログラムを次々と粉砕していく。

【現実世界:ガレージ防衛戦】

 一方、現実のガレージには、深手を負いながらも執念で追ってきた秋月が立ちはだかっていた。

「大門……どこだ……大門……!」

 秋月はもはや言葉を失い、組織の殺戮命令に従うだけのマシーンと化していた。

 松江は、意識のない豊を乗せたまま、自動防衛モードで作動するザボーガーの前に立ち塞がる。

「行かせん……! 今、豊は戦っているんだ。親子の絆を取り戻すためにな!」

 秋月のメガキャノンがガレージの壁を焼き、ザボーガーの装甲に火花が散る。

 精神世界での戦いが激しくなるほど、現実のザボーガーもまた、豊の苦痛に呼応して激しく振動し、蒼いスパークを撒き散らした。

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