表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
50/191

エピローグ

2018.04.04 王国名を表記。

 その後の話。


 クリサンセマム皇国は、ユティ神国を支配下に置く事は無かった。

 邪神によって穢れた地だからだそうだ。


 ユティに見放されたと思った神国の国民達は、それでもユティを信仰する人々と信仰を捨てた人々で争い始めた。

 そんな中、ペストが流行した。

 多くの人が命を落としたらしいが、詳しくは知らない。

 ペストが終息すると、神国は紅星帝国に支配され、傀儡の王を置かれて属国となった。

 傀儡の王は、ユティ神国建国前に存在したマユミ王国王家の末裔らしい。



 そして、私のダンジョンはと言えば。

 使い所が無かったユティ神像似ファントムを、人寄せにならないかと地上部を漂わせていたら、思った通りに人が集まり、ユティ教の新たなる聖地となってしまった。

 かなり不愉快。


 でも、まあ、自業自得なので、開き直って宿ダンジョンと神殿を造った。

 女神のダンジョンだと思われて、邪神のものだと怪しまれる事は無かった。



「ユティ様! 何故、我等を見放したのですか!?」

「どうか、お答えを!」


 何も答えないファントムに何日も粘って話しかける信者達を柱の陰から見ていた私は、気の毒に思ったので答える事にした。


『お前達は、邪神に騙されていたのだ』

「それは、どういう……?」

神女(しんにょ)は、私ではない』

「そんな……!」


 信者達は、蒼白になって顔を見合わせた。


「女神よ。愚かな我等をお導きください」


 信者達は平伏す。


『良いでしょう。先ず、聖獣は、ヒトリ島固有種コドクとする』


 「美味いのに」と言う落胆の声が上がった。



 ヒトリ島は、後に『聖獣コドクの島』、略して『コドク島』と呼ばれるようになった。

 そして、ユティ教は、名をコドク教(コドク島から)に改めた。

 私の名前のようで、恥ずかしい。


 それでも、以前のユティ教を信じる者も少なからず居り、どちらの神が本物かで争っている。

 一度、【鑑定】持ちがファントムだと見破って騒いだが、信者達に袋叩きにされて死んだ。

 狂信者、怖い!



 ああ、そう! 梅干しはちゃんと作ったからね! 放置したまま忘れてたりしないよ!



 (プリンセス)王子(プリンス)は、保証期間終了後、殺害された。

 でも、ダンジョンコアはそのままだったので、一年後に復活した。

 復活してもまだ私の奴隷なので、ダンジョンから出ないよう命じた。

 メニューの使用を許可してあげたので、美男美女に【変身】して喜んでいた。

 勿論、眷属もダンジョン外に出さないよう命じてある。


 ローダルク様が一年生存のプレゼントを上げたらしく、姫は美男の眷属を・王子は美女の眷属を侍らせてご満悦だった。

 眷属の性格はマスターと相性の良い性格になるらしいので、嫌々奉仕している眷属は居ないようだ。






 そして、ユティは……。


「どうして……どうして……。私は特別なのに。どうして、こんな目に……」


 病んでいた。

 それも無理はない。

 この洞窟周辺に集落は無く、人は滅多にやって来ない。

 眷属を召喚する事も出来ず、ユティは孤独だったのだ。

 それに、野生動物を食べ物で釣り、DPにする事は出来ても、崇め奉ってくれる事は無い。

 長年神として(かしず)かれて来たユティには、今更ただのダンマスになるなんて受け入れ難い事だった。


「相変わらずだな」


 随分と久しぶりに聞いた他人の声に、ユティは耳を疑った。

 声がした方を見れば、見覚えの無い男の姿。


「誰?!」

「……散々人の恋人を気取って嫉妬して、挙句殺しておいて、忘れたのか?」


 赤い髪の男は、汚物を見るような目でユティを見た。


「俺は、アルクだ。お前が聖剣使いに殺させた、最初のダンマスだよ」

「アルク? アルクは死んだ筈じゃ……?!」

「アルクは我が眷属故、復活させた」


 何時の間にか、紫色の髪をしたローダルクがアルクの隣に立っていた。


「……アルクは、私を助けに来てくれたのね!」


 自分を愛する人が現れたのだから助けてくれるに決まっていると、ユティは考えた。


「俺を殺したお前を、助ける気は無い」

「私が殺したんじゃないわ!」

「お前の命令だろう?」

「殺すと決めて殺したのは、聖剣使いよ。命令なんて、断る事も出来るんだから」

「断ったら許さないくせに」

「それとこれとは別だもの」


 非を認めないユティに、頭痛でもして来たのか、アルクは頭を押さえた。


「お前がどう思っていようが、俺はお前を許さない」

「生き返ったんだから、良いじゃない! 許さないなんて、心が狭いわ!」


 アルクは、ユティの胸を剣で貫いて溜め息を吐いた。


「な……なんで……? かそう……バトルは?」

「今のアルクは、ダンジョンマスターではない。故に、ダンジョンバトルは無い」


 ローダルクが説明してやる。


「其方を赤子として可愛がりたいと言うダンジョンマスターの元へ、眷属として転生させてやろう」

「良かったな」


 ユティは、良い訳が無いと文句を言いたかったが、最早そんな力は残っていなかった。

 ユティは、自分だけを神としていた事も忘れて、神を呪った。

ご覧頂きありがとうございました。

以降は、番外編です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ