目のない人形 9
みやすさは大事。
だがおかしい。なぜ白骨化している。あの母親は人を食べて生きながらえている?いや、それなら俺がこの家に来た時点で食べられているはず。辻褄が合わない。必死に思考を巡らせていても答えは出ない。
立ち尽くし考える俺に「ほら、ママが来る前にいこ?」クマがそう声をかけてくる。
今思うと、こいつも怪しい。なんのメリットがあってこいつは俺を助けている?それに、こいつの発言もどこか辻褄が合わない。いや、どこがおかしいと言うことはできないが、違和感と不信感が処理しきれず体のうちに留まる。
だが、ここで動かなければ駄目だと思う。こいつが仮に人を食う化け物でも、今は協力的なんだ。それなら利用できるだけ利用して、ママとか言う化け物から逃げなければ。
「すまん。考え事をしていた。そうだな。あの化け物が来る前に目を見つけて帰らなきゃな。」
クマは俺の様子を少しみて、特に反応することもなく次の部屋に入っていった。次の部屋に入ると、先ほどいた人形だらけの部屋とは違い、こっちは男の子の部屋という感じがした。
カセットテープやソフトビニールの人形。ミニ四駆などのいかにも男が好きそうなものが並んでいる。そんな部屋に見慣れないものも落ちている。
人の手足だ。一切出血跡のない、おもちゃのような状態の体の一部が部屋のあちこちに散乱している。その中には目玉も転がっていた。なるほど、この中にあるかもしれないとクマは考えたのか。
クマに誘われ、俺は部屋の中に足を踏み入れた。




